<労基法でよもやま話>(59) 会社が倒産、未払賃金どうなる?
《質問》未払賃金の立替払制度はどのような制度ですか。 《回答》未払賃金の立替払制度は、企業が倒産したことに伴い、賃金が未払のまま退職された労働者の方に、国が企業に代わって未払賃金(退職金を含む)の一部を立替払する制度です。 (厚生労働省サイト「未払賃金の立替制度に関するQ&A」) 従業員の退職がきっかけの「従業員退職型」の倒産が、2025年に初めて年間100件を超えたそうです。建設業、サービス業の順で多いとのこと。従業員の退職が相次いだため外注に頼ったところ、コスト増になって資金繰りが悪化して事業が継続できなくなるパターンが結構あるようです。 連合の「労働相談Q&A」では、会社が倒産する気配があるとき、未払い賃金への対策として「過去の給料明細書を保存」、「会社から未払い証明書(社印のあるもの)をもらっておく」ことをあげています。さらに倒産したときは、未払い賃金の資金保全のために24時間泊まり込んででも会社資産の持ち出しを監視することなども記しています。 とはいえ、もはや保全すべき資産がない会社も多いのではないでしょうか。その対策として未払賃金の立替制度が設けられています。立替金には上限があるので全額は保証されませんが、当座をしのぐために手にしたいところです。 立替を請求するためには、中小企業の事実上の倒産の場合、まず労働基準監督署へ倒産の認定を申請する必要があります(従業員のひとりがすればOK)。この申請した日の6カ月前の日から2年の間に退職した人が請求できます。ということは退職して6カ月以内に倒産認定を申請しないと制度が使えないことになります。パートやアルバイトも請求できますが、合計が2万円以下のときは不可です。 期限も限られていますし、証明のための書類もいろいろ必要になりますので、同じ境遇の他の従業員と手を取り合って手続きを進めていくべきでしょう。まさに労働組合が必要な状況です。 エル・ライブラリー(大阪産業労働資料館) 千本 沢子 |