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視準

<労働よもやま話>(58)
国民年金、払いたくない人の説得は?

Q.年金相談で「公的年金制度は信用できないので、国民年金保険料を支払わず個人年金や預金で老後に備えたい」と頑(かたく)なに主張する方がいます。どのように対応したらよいのでしょうか。
A.このような相談者には老後リスクへの対応として説得力ある話の展開が求められます。いくつかの理由をあげます。
(『ビジネスガイド』2018・12・10)
 先日二十代のサラリーマンと話をしたのですが、自分たちは払うばかりでいざ年金をもらうときには少ないに違いないという世代間格差への不満や、そもそも年金制度は維持できるのかと先行きへの不安を語っていました。ですから、質問にあるように国民年金を支払わないという人もいるかもしれません。
 国民年金の納付率が66%というニュースもありましたから、4割近くもの人が納付していないのかと思われるかもしれませんが、これは国民年金だけの数字です。厚生年金と専業主婦などの3号年金も合わせると年金を納付していないという人は、実は全体のわずか数パーセントなのです。
 回答者は個人年金にのみ頼るリスクをいくつか上げていますが、なかでも障害基礎年金を受給できなくなるのは大きな損失だと私は思います。若年者ほど長く受給が必要なものですし、個人保険ではこれを上回る補償はないでしょう。保険料の納付が大変かもしれませんが、学生納付特例制度や保険料免除・納付猶予制度などもあります。
 また回答者は、現在年金の半分は税金で賄われているので、年金を受給しないということは消費税を払っているにも関わらず、その分配にはあずかれないことだと指摘しています。そして、そもそも国家の社会保障事業と一私企業の保険を同等に考えていることに疑問を呈しています。
 年金制度はおそらく今後も変化していくでしょう。しかし年金は、保険と違って国民全体でお互いに支えあう制度なのだということを、みんなで再認識する必要があるのかもしれません。
エル・ライブラリー(大阪産業労働資料館)  千本 沢子


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