機関紙編集者クラブトップページ   会員ページログインへ
視準

<労働よもやま話>(50)
欠勤連絡メールに気付かず懲戒解雇

Q.上司への欠勤連絡メールが迷惑メール扱いで閲覧できず連続無断欠勤となった場合、解雇できるか
A.会社において、使用者として果たすべき義務を果たしていないとして、懲戒解雇が無効と判断される可能性がある
『労政時報』3950号(2018・4・27)
 電子メールが仕事で用いられるようになってから、各種の連絡がとても楽にすばやくできるようになりました。しかし、設定や通信の障害で未確認や不達といった不具合が起こることもままあります。質問の件でも、欠勤の連絡メールが迷惑メールになってしまったために、上司が認識できていませんでした。
 この会社の就業規則では「無断欠勤が14日間連続した場合、懲戒解雇とする」と定められていたところ、欠勤7日目に従業員が連絡メールを送付。しかし、上司がそのメールを認識できなかったため、無断欠勤が7日目以降も続くことになり、14日目になったところで懲戒解雇とされました。
 解説者は、無断欠勤などの職務懈怠(けたい)を懲戒事由として就業規則に定めておけば社員を懲戒できるが、単に無断欠勤の事実があるだけでは懲戒にあたらず、それによって実際に就業の規律に反したり、職場の秩序を乱したりなど相当の事情が認められる必要があると述べています。また、無断欠勤が続いた場合、会社の方から従業員に連絡をとり、事実確認や状況照会をして、まず使用者としての安全配慮義務を果たさなければならないとしています。従業員からの欠勤メールが確認できなかったとしても、複数回連絡をしていれば行き違いに気づいたはずでした。
 労働者にとって解雇は死活問題です。しかも懲戒解雇の場合、後々の就業や失業保険の受給にも影響しますから、軽々しく処分できないことになっています。相当に深刻な理由がなければ、懲戒解雇はあり得ないと労使ともに心得ておくべきですね。
エル・ライブラリー(大阪産業労働資料館)  千本 沢子


機関紙編集者クラブ 530-0041 大阪市北区天神橋3-9-27 PLP会館3階
club@kclub1965.com tel 06-6242-2144  fax 06-6948-6657