<労基法でよもやま話>(49) 健康診断の費用はだれが持つ?
《質問》健康診断の費用は労働者と使用者のどちらが負担するものなのでしょうか? 《回答》労働安全衛生法等で事業者に義務付けられている健康診断の費用は、法により、事業者に健康診断の実施が義務付けられている以上、当然に事業者が負担すべきものとされています。 (厚生労働省サイト「安全衛生に関するQ&A」) 先日健康診断の結果が帰ってきたのですが、数値が悪くなっている項目があって、同じ状態の上司とともに「う〜ん」と唸(うな)ってしまいました。過去の診断表と見比べると年を重ねるごとに内蔵の機能が低下している感じです。 労働安全衛生法では従業員に健康診断を受けさせなければならないとしており、年に1回定期健診を行わなければなりません。いわゆる正社員だけでなく、パートや有期雇用でも1年以上の雇用継続が見込まれ、所定労働時間が正社員の4分の3以上の労働者に対しては実施する必要があります。また、所定労働時間が正社員の2分の1以上の場合は、「健康診断の実施が望ましい」とされています。 健康診断の費用については回答にあるとおり、企業が負担すべきとされています。ただし、安衛法で決められている項目以外のオプション検査は基本的に従業員の自己負担となります(会社によっては福利厚生として負担しているところもあります)。会社は健康診断の結果を5年間保管する必要があります(オプション検査の結果は会社に提出する義務はありません)。 ところで、ここのところ病気が判明したという女性が複数人身辺にいます。特に自覚症状はなく、たまたま受診したところ、病気がわかったという方ばかりで、あとちょっと発見が遅かったら命が危なかった方や重篤な障害が残ったかもしれないという方もいました。この方たちは専業主婦や自営業で、長らく健康診断を受けてこなかったそうです。 毎年継続して健康診断を受ける機会があることはありがたいと改めて思いました。 エル・ライブラリー(大阪産業労働資料館) 千本 沢子 |