<労基法でよもやま話>(53) 面接で聞くべきでないことは?
《質問》我が社のある面接担当官が踏み込んで訊(き)いてしまったのか、労働局から指導を受けました。就職面接の際にはどのような点に留意すればよいのでしょうか? 《回答》企業の採用については、採用の自由が保障されており、誰をどのような条件で採用するのかは、基本的には企業の自由ですが、法律その他の制限がない限りという限定が付いています。就職面接も採用活動の一環として、どのような方法で、どのような時間に、実施するのかについての法的な規制はありませんが、学生・求職者の基本的な人権を尊重するものでなければならず、質問内容については、プライバシーを侵害することのないようにしなければなりません。(後略) (厚生労働書サイト「スタートアップ労働条件」) 「お父さんはなにしてるの?」と面接で聞かれたと学生が大学の就職支援センターに話したところ、大学から労働局へ通報があり、その会社が指導を受けたと聞いたことがあります。 大阪労働局のウェブサイトには「就職差別につながるおそれのある不適切な質問の例」が挙げられています。例えば「あなたのお父さんとお母さんの出身地はどこですか」、「あなたの住んでいる家は一戸建てですか」、「尊敬する人物を言ってください」など。 応募者本人の責任でない事柄(出身・家族構成・資産)や、思想・信条など憲法で保障されている個人の自由に関する事柄を選考に持ち込むことは避けなければいけません。また、「(男性だけに、または女性だけに)残業は可能ですか、また転勤は可能ですか」など男女雇用機会均等法の趣旨に違反する質問も、性別を理由とする差別につながるとしています。 対人関係やコミュニケーションを重視する日本の企業では、どうしても「ひととなり」を探る質問をしてしまう傾向があるかと思います。しかし、仕事をする上で必要な能力と適正を確かめることに主眼を置いて、プライバシーに踏み込まないようにしなければなりません。 エル・ライブラリー(大阪産業労働資料館) 千本 沢子 |