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視準

<労働よもやま話>(54)
産休・育休を繰り返す、解雇可能?

Q.新入社員が産前産後休業と育児休業を数年繰り返す 解雇可能か
A.不利益取扱いの禁止に抵触するため解雇は不可
(『労働基準広報』No1967 2018・8・11)
 入社して1年たたないうちに産前・産後休業に入り、続けて育児休業に入った社員が、育休復帰後3カ月しないうちに再び産前・産後休業、育児休業を取得。その後も数年間産休と育休を繰り返し、勤務した期間は実質1年程度である社員を解雇してよいかという質問。
 ご存じのとおり、産後休業は本人の請求の有無にかかわらず必ず与えなければなりません。産前休業、育児休業も雇用者は労働者の請求を拒否することはできません。さらに、男女雇用機会均等法で妊娠、出産、産前産後休業を取得したことなどによる不利益取扱いが禁止されています。ですから、この例のようにたとえ数年間にわたって出産・育児による休業が続き、勤務できない状態であっても解雇することはできません。
 さて、出産・育児による社員の休業が続くことで会社が被る問題はなにでしょう。
 これらの休業の間、会社は賃金を支払う必要はありませんし、社会保険料も本人負担だけでなく会社負担も免除になります。とすると、休業中欠員となる労働力の補充(これは内部でやりくりすることも派遣など外部から賄うこともあるでしょう)の手配・差配が一番の問題で負担でしょうか。
 現在、労働力不足が顕著になってきており、今後も少子高齢化によってこの傾向が続くことから労働者の囲い込みが話題になっています。出産・育児でいったん退社した社員を再雇用する制度などもそのひとつでしょう。
 これからはさらに今までの社員の在り方・働き方にとらわれずに、会社がイレギュラーで負担と感じていることも必要なコストと捉えなおし、長期的なスパンで質のよい労働者の確保を推し進めていくことが必要なのではないでしょうか。
エル・ライブラリー(大阪産業労働資料館)  千本 沢子


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