機関紙編集者クラブトップページ   会員ページログインへ
視準

<労働よもやま話>(66)
交通費、内定者にのみに支給?

Q.内定を出した学生にのみ、最終面接時の交通費を支給することは問題か
A.内定を出した学生にのみ最終面接時の交通費を支給することは可能
『労政時報』3976号(2019・9・13)
 先日、大手就職情報サイトを運営する会社が内定辞退率のデータを企業に販売していた件が話題になりました。当事者である学生たちの同意を得ていなかったなど問題が多々あり、行政指導が入る事態になりましたが、企業がそれほど内定の辞退に神経をとがらせているということが伺えるニュースでもありました。
 質問者の会社では近年の売り手市場で採用が難しくなったため、候補者の数を拡大したところ、遠方からくる学生が増えて交通費が負担になってきた。そのため内定確定者にだけ交通費を支給したいとの相談です。
 交通費については、労働者が負担するのが原則で就業規則や賃金規程で定めがある場合に限り、労働者は会社に交通費を請求できると解説者はしています。
 まだ就活の選考過程の学生はこれに該当するわけではありませんので、交通費を支払う義務は会社にはありません。ですから、最終面接においても交通費を支払う義務はなく、内定を決めた学生にだけ交通費を払うこともできるわけです。もっとも既に求人票に交通費支給と記してある場合は支払う必要があると解説者は注意を促しています。
 ただ、解説者が引用しているように入社試験で交通費を支給している会社は74・8%にもなります(『労政時報』3956号2018.8.10・24)。最終面接までクリアしてきた人たちは同じ内定予備軍という意識もあるでしょうから、待遇に差をつけると不公平な印象を持ってしまうのではないかと心配してしまうのは私だけでしょうか?
 冒頭のように超人気企業でも内定者の引き留めに必死になっている昨今、学生は条件の明瞭さ・公平さというのに敏感ですから、そこは慎重に対応するほうがいいかもしれません。
エル・ライブラリー(大阪産業労働資料館)  千本 沢子


機関紙編集者クラブ 530-0041 大阪市北区天神橋3-9-27 PLP会館3階
club@kclub1965.com tel 06-6242-2144  fax 06-6948-6657