もう一度 No.344 7月末、古い友人が天国に旅立った。膵臓(すいぞう)がんだった。昨年2月に余命8カ月と宣告され、抗がん剤治療を中心に闘病を続けていたがついに力尽きた。 ミュージシャンである彼は、若い頃から曲を創り続け、ライブやコンサートで発表。たくさんの観客を前に抜群のギターテクニックを披露しながら歌声を響かせていた。 闘病中もその創作意欲は衰えず、「6曲完成させてCDを」を目標にパソコンに向かい録音していたと聞く。だが、2カ月で1曲完成していたのが3カ月に1曲となり、3曲目ができたあとは、創りたい気持ちがあっても抗がん剤の副作用もあり、身体がいうことをきかなかったようだ。 下痢に手足のしびれ、食欲不振に味覚障害。高熱で入院したことも。抗がん剤治療の副作用は日を追って厳しくなり、やりたいことがだんだんできなくなっていく日々。そのつらさは想像以上のものだったろう。それでも希望を捨てず、生き続けることを選択した彼は強い人だ。 彼と出会い、一緒に笑い、歌い、音楽活動をしていた遠い昔が走馬灯のようによみがえる。TOMさん、ありがとう。もう一度、ステージに立って歌うあなたの声を聴きたいよ。(ぴ)
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