見えぬ廃炉の道筋 No.333
8月22日に福島原発の燃料デブリを試験的に取り出すとしていた東京電力だったが、装置の接続ミスで延期となった。そして9月10日から再発防止策を講じて作業を再開。だが、またもや不具合が生じて中断してしまった。 福島原発事故から13年半。廃炉をめざして作業を進めていると言うが、それは本当に実現するのだろうか。推計880dもあるというこの燃料デブリ一つとっても、取り出す以前に、その組成も硬さも何もわかっていないという。 100歩譲って、デブリの取り出しに成功したとしよう。だが、想像できぬほど高い放射線を発するデブリをどう処分するというのだろうか。だいたい日本には核廃棄物の最終処分場などないのだから。 事程左様に、廃炉など夢のまた夢というのが現状だ。しかし国は、この現実をきちんと見据えているのだろうか。いつのまにか原発推進に舵を切り、休止してる老朽原発の運転期間を40年から60年に延ばして再稼働させるというのだから。 国も電力会社も福島原発の事故当時を振り返るべきだ。そして地震国日本で原発を稼働させることの危険性を認識するべきだ。これは命に関わる問題なのだから。(ぴ)
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