2023年 編集サービス 3.20 #2 政治 第20回統一地方選挙 総力を挙げて推薦候補者全員の勝利をめざす 連合大阪 社会政策・政治グループ 副事務局長 黒田悦治  3月23日の大阪府知事選挙を皮切りに、26日に大阪市長選挙、31日に大阪府議会・大阪市会・堺市議会が告示され、第20回統一地方選挙の前半戦がスタートする。  今回は「大阪の未来」を左右する極めて重要な選挙である。物価高対策、新型コロナウイルス感染症対策、人口減少と超少子高齢化、地方分権などの課題に加え、大阪では2025大阪・関西万博やIR・カジノに対する公費負担の在り方などが争点として挙げられる。  このような状況下でむかえる統一地方選挙に対して、連合大阪は「@連合大阪と連携する首長・議員を誕生させ、『働くことを軸とする安心社会』の実現につなげる。A地域に根差した政策を実現すべく、地方自治の推進を求める。B維新政治に歯止めをかけ、健全な議会制民主主義(二元代表制)を取り戻す契機とする。C連合大阪一体となって選挙戦に取り組むことで、組織強化につなげる。Dジェンダー平等・多様性の推進」を掲げて取り組んでいくことを確認してきた。 大阪の再生にむけ 維新政治に歯止めを  これまでの「大阪維新の会」を中心とした政治は、行き過ぎた「市場原理主義」で進められてきた。特に「大阪市廃止・分割の住民投票」では、市民の間に「排除と分断」が持ち込まれ、大きな混乱が生じた。今こそ、この統一地方選挙で維新政治に歯止めをかけ、大阪の再生にむけて全力を注がなければならない。  連合大阪はこの選挙戦を「地域と住民の暮らしを守るため、働く者・生活者の立場に立った政治勢力の拡大と地域基盤の強化、および政策実現のための戦い」と位置づけ、各種取り組みを展開していく。そして、連合・連合大阪がめざす「働くことを軸とする安心社会」の実現に向けて、民意をないがしろにする維新政治に歯止めをかけるため全力を注ぐ。  今回の選挙で「大阪維新の会」は、大阪府議会に加えて大阪市会でも議席の過半数超えをめざしており、それを何としても阻止しなければならない。また、後半戦の市町村議会議員選挙においても、第一会派をめざして多くの議員を擁立する見込みである。これ以上「大阪維新の会」の伸長を許してはいけない。 アップデートと連携 勝利をめざして  この選挙戦では、市民が中心となった政治団体「アップデートおおさか」が立ち上がった。「アップデートおおさか」は、大阪府知事選挙に谷口真由美さん、大阪市長選挙に北野妙子さんを予定候補者として擁立し、市民・関係団体にも広く支援を呼びかけている。連合大阪も機関会議を経て、「アップデートおおさか」の設立の趣旨に賛同し、連携を図ることとなった。また同時に谷口真由美さんと北野妙子さんの推薦も決定した。  立候補にあたって、谷口さんは「ごきげんさんなまち・大阪」をめざすとし、「10年で大阪がどう変わったか、この選挙を通じて府民に問いたい」と語っている。また北野さんは「住んでよし・働いてよし・訪れてよし」の三方よしを掲げて、「トップダウンではなく、市民参加型の大阪市を作っていきたい」と決意を述べている。  大阪は厳しい政治情勢の下での選挙戦となる。しかし、働くことを軸とする安心社会の政策を実現させる観点から、働く者の立場に立った政治勢力の拡大のために、連合大阪推薦候補者の支援の輪を広げていきたい。  連合大阪は、構成組織、地域・地区協議会、政策・政治フォーラムなど、組織が一体となって最後の最後まで戦い抜き、推薦候補者全員の勝利をめざす。 (11字×127行) ミニ情報 地元が生んだおいしい味・郷土料理 <滋賀県・えび豆>  えび豆とは、小さなエビと大豆を甘辛く煮た料理だ。材料となるスジエビは琵琶湖で1年中とれるし、大豆は田んぼの畦で盛んに栽培されていることからどちらも滋賀では身近な食材だ。そのため日常食や保存食として古くからよく作られている。そして「エビのように腰が曲がるまで、いつまでもマメに暮らせますように」という願いを込めて作ることから、縁起の良い食べ物とされており、お正月や祝いの席に出されることが多い。またカルシウムやタンパク質が豊富で栄養面でも優れていることから学校給食の定番になっている。家庭で作られるほか、スーパーなどでも販売されている。贈答品として喜ばれる一品だ。 #3 労働 労働相談から見えた新たな課題 準委任契約の落とし穴 連合大阪地方ユニオン 副執行委員長 武谷嘉之  連合大阪の労働相談ダイヤルには、日々多くの電話が寄せられる。ここ数年の相談件数は年間2000件を超えており、パワハラや嫌がらせ関連が最も多いが、ここでは特徴的な相談について報告する。 コロナ禍の影響で 働き方に変化  近年相談が増加している背景にはコロナ禍の影響がある。それにより、いわゆる多様な働き方が進展したことが相談増加の一因だと考えられる。働き方に多様性が生まれることは一概に悪いことではない。しかし、急速な変化により、これまでの労働法制や労働慣行ではフォローしきれない労働者が増えているように思う。  その代表的なものはUber Eatsに象徴されるギグワーカーである。これは法的には請負契約であり、その問題点については各所で触れられているのでここでは繰り返さない。  そしてコロナ禍で影響を受けた別の側面としてあるのが、リモートワークの普及である。本来、事務所で勤務していた労働者が在宅勤務になるというのがリモートワークの典型的な事例だが、長引くコロナ禍により、最初から在宅勤務を前提として働く労働者が生まれてきた。多くは従来の雇用契約で働いていると思うが、中には委任契約または準委任契約で働く労働者がいるようだ。  委任、準委任というのは、いわゆる業務委託契約である。委任契約は法律行為に限られているので、一般的な労働者は準委任契約を結んで業務に当たることになる。この準委任契約というのがくせ者だ。 準委任契約で 働き手に不利益が  具体的な事例は次のとおり。  在宅勤務としてプロジェクトマネージャーの仕事を準委任で契約、報酬は時給(1日8時間・週5日勤務)での支払いであった。仕事の内容は、マニュアルに沿って業務を行い、会議で上司から指示を受けて取引先と交渉するなど、通常の雇用労働と全く同様の働き方だった。ところが、業績不振を理由に突然契約を打ち切られたのである。  この事例は解雇に当たらないため、不当性を争う手段もなく、失業保険も支給されない。  またIT業界では、比較的以前より行われてきた準委任契約であるが、最近ではビルの清掃をしている労働者にも広がっているのか、次のような相談があった。  時給1000円で2時間ビルの清掃をするという業務だが、最低賃金が上がったのに時給が上がらないという内容だった。その実態は契約が時給ではなく準委任契約で、本人も気づいていなかったのだが、ビルの清掃を2時間するという業務を1回2000円で準委任されていたのである。この場合は最低賃金の保証さえ受けることができない。  このように、企業としては雇用コストを回避する甘い誘惑が漂う契約である。労働組合としては自社でそのような契約がなされていないか、目を光らせるべきだろう。 (11字×105行) 情報 明石市立文化博物館 写真・昭和のこども  明石市立文化博物館では春期特別展として「写真家が捉えた 昭和の子ども」を4月1日から開く。  太平洋戦争以降、昭和期の子どもたちは、この時代ならではの社会問題に直面しながら成長した。戦争で親を失った子、家業の働き手となった子。だが、路上に目を移せば元気に遊ぶ子どもたちの姿もあった。  この展覧会では、土門拳や木村伊兵衛、植田正治といった名だたる写真家たちが子どもたちとふれあいながら、レンズごしに捉えた彼らの姿を紹介するもの。これらの作品を通して昭和の歩みをたどることになる。 ▼会期/4月1日(土)〜5月14日(日)▼会場/明石市立文化博物館(JR・山陽電車「明石」駅より北へ徒歩約5分)▼開館時間/9時半〜18時半(入館は閉館の30分前まで)▼会期中無休▼観覧料/一般800円、高・大学生600円、中学生以下無料、65歳以上・障害者手帳などをお持ちの方(介護者含む)は当日料金の半額▼TEL078(918)5400 (11字×38行) #4 労働ニュース リスキリングでの昇給 11・2%にとどまる  潟}イナビは3月7日、正社員のリスキリング実態調査〜リスキリングで賃金は上がるのか〜」を発表した。  20〜50代の正社員にリスキリングの必要性について聞くと、79・6%が「そう思う」と答えた。リスキリングに期待することは「仕事・働き方の幅を広げること(40・1%)」が最も多く、「学んだ知識をいまの仕事・業務に役立てること(35・9%)」、「昇給(29・6%)」と続いた。  リスキリング経験者は全体の44・8%で、経験者が感じている効果は「資格の取得ができた」が最も多く26・8%だった。しかし「昇給(11・2%)」「昇進・昇格(6・4%)」など、目に見える形や個人の評価につながっているケースは少数に留まり、リスキリングの期待と現実のギャップがうかがえる。  リスキリングに興味を持ったきっかけは「自分のためになると思ったから(57・6%)」が最も多く、「仕事で知識不足・スキル不足を感じた(37・0%)」、「賃金アップにつながると知ったから(26・7%)」が続いた。 (11字×40行) 将来なりたいもの 3年連続「会社員」  第一生命保険鰍ヘ3月16日、第34回「大人になったらなりたいもの」調査結果を発表した。全国の小学生・中学生・高校生計3千人を対象に調査した。  「大人になったらなりたいもの」のランキングでは、小・中・高生男子、中・高生女子のランキングで3年連続、「会社員」が1位だった。一方で、小学生女子のランキングでは3年連続で「パティシエ」が1位で、不動の人気となった。  今年大きく順位を伸ばしたのが「漫画家/イラストレーター」で、特に中学生女子のランキングでは前々回はランク外だったが、前回9位にランクイン。そして今回第2位に急上昇した。  「会社員」としてどんな分野の仕事をしてみたいかを聞いたところ、多くの世代で男女ともに「科学技術・ものづくり」が変わらず上位に入り人気だった一方、「旅行・レジャー(テーマパーク含む」が上位にランクインした。 (11字×35行) 歓送迎会の参加回数 回復傾向に  潟潟Nルートの調査・研究機関「ホットペッパーグルメ外食総研」は3月14日、「歓送迎会」&「花見」動向を調査し公表した。  2023年春の「歓送迎会」への参加回数の見込みは、増加派が17・9%で2013年の調査開始以来最高の割合となった。一方、減少派は0・6%で過去最低の割合に減少した。「昨年と変わらない」が81・5%と最も高い割合だが、新型コロナウイルスによる影響からの回復傾向が見られると分析した。  2022年の「歓送迎会」で実際の費用を見ると、1回1人あたり「5千円〜6千円円未満」が32・3%で最も多く、「3千円〜4千円未満」が23・4%だったが、2023年の想定額でも「5千円〜6千円未満」が30・7%で最も多く、「3千円〜4千円未満」が25・7%)と、前年と同様の順位となっている。  1回1人あたりの想定支出金額平均は3998円(前年比113円増)で、2年連続で増加予測となっている。想定予算と実際の参加費を比べると、毎年、上振れしているため、2023年の参加費は前年超えの可能性があると分析した。 (11字×42行) 転職考えるきっかけ 「会社の将来性」  エン・ジャパン鰍ヘ2月28日、ミドル1800人に聞いた「転職のきっかけ」意識調査の結果を公表した。  転職を考えたきっかけを聞くと「会社の将来性(43%)」が最も多く、「会社の考え・風土(42%)」、「給与(38%)」と続いた。年代別では、30代では「給与(47%)」、40代では「会社の将来性(49%)」、50代では「会社の考え・風土(40%)」が最も多い回答となり、各年代でばらつきが見られた。  転職で最も実現したいことを聞くと「給与・待遇のアップ(40%)」が最も多く、「経験・能力が活(い)かせるポジションへの転職(31%)」、「やりたい仕事ができる環境での就業(20%)」が続いた。年代別では、30代・40代では「給与・待遇のアップ(30代・46%、40代・44%)が最も多く、50代では「経験・能力が活かせるポジションへの転職(40%)」が最も多かった。  若手時代(20代)に転職の経験があるか聞くと全体では51%が「ある」と回答した。年齢別では30代では61%、40代では56%、50代では43%と、年代が高くなるにつれて、20代での転職経験がないことが分かった。 (11字×41行) #5 労働安全衛生 数える労働安全衛生(176) 74%が長時間労働原因 脳・心臓疾患の労災認定  脳・心臓疾患を発症する原因の一つに長時間労働があるのは、いまは常識だ。だから過労死防止対策として法律の改正など、取り組みが進められてきた。  そもそもは、ひどい長時間労働のせいで心筋梗塞になったといっても労災と認められなかった。だが、2000年の最高裁判決で長時間労働との因果関係を認め、以降基準を改正して認めるようになった。ただただ労働時間が長いという負荷が発症の原因という事例が、次々と労災として認められるようになった。  では最近の状況はどうかというと、2021年の脳・心臓疾患の労災認定件数は172件で、そのうち直前1カ月の時間外労働が100時間を超えたものが64件、直前2カ月から6カ月の間で平均で80時間を超えたものが63件となっている。あわせて74%が、長時間労働が原因として労災認定されたこととなる。  ところで労働時間とは何だろう。仕事の負担は業種や職種によってさまざまだ。万が一の非常事態に備えて宿直室で待機する警備員の待機時間はどうか。滅多に来ないお客さんのために席を空けられない店員の手待ち時間はどうなのか。  負担はほとんどないと見えそうだが、時間は拘束され、即時作業開始が迫られる緊張感があるのだから、健康への影響を及ぼす負荷の一つとはなる。厚生労働省は、労災認定の際にどこまでを労働時間と判断すべきか、2021年にあらためて事例を示している。  拘束時間の負荷も、安全衛生対策の埒外(らちがい)ではない。 連合大阪労働安全衛生センター 参与 西野方庸 (10字×65行) 情報 兵庫県立美術館・特別展「恐竜図鑑」 アートの世界の恐竜たち  恐竜≠ニ名のつく展覧会では、通常、骨格標本や実物大の恐竜模型が展示される。だが、兵庫県立美術館の特別展「恐竜図鑑―失われた世界の想像/創造」で展示されるのは、発掘された化石を元に想像し、描きだされた恐竜の絵画たちだ。  はるか昔、太古の地球を闊歩(かっぽ)していた恐竜たち。だが彼らの存在が広く知られるようになったのは約200年前、イギリスでイグアノドンなどの化石が発掘されてからだ。そして当時のアーティストたちは想像を駆使し恐竜を描いた。  そんな恐竜の復元画の黎明(れいめい)期から現在に至るまで、アートの視点で追いかけたのがこの展覧会。そして「恐竜誕生―黎明期の奇妙な怪物たち」「古典的恐竜像の確立と大衆化」「日本の恐竜受容史」「科学的知見によるイメージの再構築」の四つの章でパレオアート(古生物美術)を紹介する。  19世紀前半に描かれた、今から見れば珍妙とも言える復元画から始まる展示は、生物学的知見や研究の進化でリアリティある姿へと変化。そして20世紀に活躍したパレオアートの巨匠たちが描いた躍動する恐竜の作品が並び、恐竜をモチーフとした漫画や玩具も登場する。さらに現代の恐竜画も集結。その圧倒的な姿に魅了される。  人々のロマンをかき立てる恐竜。それをアートとして楽しむ展覧会だ。▼期間/5月14日(日)まで▼会場/兵庫県立美術館(阪神「岩屋(兵庫県立美術館前)」駅から南へ徒歩約8分)▼開館時間/10時〜18時(入場は17時半まで)▼休館日/月曜日▼観覧料/一般2000円、大学生1500円、高校生以下無料、70歳以上1000円、障がいのある方(一般)500円、障がいのある方(大学生)350円▼TEL078(262)1011 (11字×65行) *情報が少なかった19世紀、アーティストたちは想像力を働かせて恐竜を描いた *ベンジャミン・ウォーターハウス・ホーキンズ《白亜紀の生き物−ニュージャージー》1877年 ブリンストン大学地球科学部、ギョー・ホール #6 コラム ニュースな暮らし(46) 下水道汚泥を 「宝の土」に変える  ロシアのウクライナ軍事侵攻、コロナ禍での輸送費問題や円安による物価高騰が、日本の暮らしを直撃している。肥料業界では、中国の輸出制限も加わり打撃がさらに大きい。植物の成長に必要な窒素、リン酸、カリウムの3要素の原料は、ほとんど外国産頼り。政府の貿易統計によると、窒素の37%、リン酸の90%が中国。カリウムは26%がロシアとベラルーシからの輸入という。  1980年代から90年代にかけ、鹿児島市水道局の職員と付き合いがあった。彼は当時、手書きの組合機関紙を毎日発行。その紙面は、全国の労働組合のコンクールで毎年のように上位入選する腕前だった。二人で「どうしたら手書きでビジュアルな紙面ができるか」など話し合った。  ある日「水道局でこんなもの作っているから、君の所の機関紙でも宣伝して」と、ビニール袋に詰めた物を差し出した。下水処理場の脱水汚泥を1カ月以上かけて好気性微生物で発酵、熟成させた有機質肥料だった。廃棄物の再利用といった運動が全国的でなかった1981年から先進的に取り組んでいた。どんな記事を書いたかは忘れたが、市民にPRする無料配布の写真を撮った覚えはある。商品名は「サツマソイル」で、現在20`220円で販売されおり、市販肥料の10分の1以下の低価格だ。  肥料の高騰を受けて、「地産」の汚泥肥料に関心が高まっている。政府も昨年秋に活用の検討会を初めて開いた。汚泥というイメージの悪い名称の変更や、重金属の含有不安の解消で消費者への普及をめざす。全国の下水道汚泥が「宝の土」に変わる日も近いか。 浜床たかし (11字×61行) 労働コラム 労基法でよもやま話(24) 一方的な減給は許される? 《質問》一方的に給料を引き下げられました。これは労働基準法違反ではないのですか。 《回答》給料の引き下げが即座に労働基準法違反になる訳ではありません。しかし、労働条件通知書や就業規則に明記してある給料の額よりも実際に支払われる給料の額が少ない場合は、労働基準法第24条違反(給料の一部不払い)となる可能性があります。また、就業規則の変更に伴う労働条件の変更等については都道府県労働局等に設置されている総合労働相談コーナーをご利用ください。(労働基準法Q&A 厚生労働省HP)。  食料品スーパーで若い男性が「卵、高っ!」と連れの方に話しているのが聞こえました。物価の優等生と言われる卵を含め、食料品の値上がりはまださらに続くようです。急激なインフレに対応すべく、今年の春闘では賃金アップの傾向が顕著となりました。とはいえ、実質賃金が上がるにはまだまだ足りないようですが。  労働者にとって賃金は労働条件の中でもっとも重要なものであり、賃金に関わる事柄は労働契約で厳重に守られるべきこととされています。  賃金が引き下げられるのにはいくつかのパターンがありえますが、実行するためにはまず就業規則に定めがあることが必要です。そして就業規則を変更する場合は労働契約法9条「使用者は、労働者と合意することなく、就業規則を変更することにより、労働者の不利益に労働契約の内容である労働条件を変更することはできない」のとおり、労働者の合意が必要です。  会社の経営状態がよくないためにやむを得ず減給する場合でも、労働者に状況を丁寧に説明し、労働者の「自由な」意志で合意することが求められます。  労働契約法は2008年に施行された新しい法律で、長年蓄積されてきた労働条件の変更法理が明文化されたものです。労働基準法と違って罰則などはなく、行政指導の対象にもなりませんが、使用者の「一方的」な労働条件の変更を制限するルールとなっています。 大阪産業労働資料館 エル・ライブラリー 千本沢子 (11字×79行) #7 平和 へいわじんけん(終) 地球規模で考えて  漫画界の巨匠、松本零士さんが逝去された。数々の名作を残されているが、やはり代表作は「銀河鉄道999」と「宇宙戦艦ヤマト」であろう。  松本さんは生前、インタビューで「人は本来、生きるために生まれてくる。死ぬために生まれてくる命はひとつもない」と語っている。強烈な反戦メッセージと感じる。そして、地球を超え宇宙までも描きながら、人間一人の生き方を訴える手法は、今さらながら心を打つ。  私が若いころ、先輩に教えられた言葉を思い出す。「シンクグローバリー・アクトローカリー(地球規模で考え、地域から活動しよう)」。  心よりご冥福をお祈りする。  ロシアによるウクライナ侵攻から1年が経過した今、武器供与が本当の支援になるのだろうか?それより戦争の悲惨さ、核の恐ろしさを一番わかっている日本が和平交渉の先頭に立つべきではないのか。戦争が終結しない限り、こうしている間にも尊い命が失われ続けるのだから。  今年もすでに3月。一大政治決戦がまもなく始まろうとしている。知事候補、大阪市長候補も決定し、新たな政治団体「アップデートおおさか」が動き出した。2011年から始まった維新独占状態に一定の歯止めをかけるための重要な闘いである。大阪府民・市民が今の大阪をどう思っているのか?多くの有権者に語りかけ、対話を重ねて、是非とも良い結果を導きだしてほしい。  幅広い層が今回の選挙に関心を持ち、投票率が向上することが望ましい。4月の統一自体選挙と衆議院補欠選挙の結果によっては早期解散も予測されるのだから。  政治状況は混沌としている。異次元の…とか、様々な…とかの国会答弁などもういらない。首相自身が本当に国民のためになるという強い気持ちをもって、政策発信することが必要だ。円安・物価高に対応し、国民の生活不安を払しょくすることに全力を注いでほしい。「聞く力」はどこに行ったのか?  東日本大震災発災から12年目、今もなお苦しんでいる被災者の方々がいる。そして広島・長崎にも原爆の傷あとが残り苦しみを抱える方々がいる。5月のサミットで首相は何を語るのか?言葉の重みを認識してほしい。 大阪平和人権センター 事務局長 西川徹二 (11字×85行) 情報 今昔館で企画展 大阪の長屋  大阪くらしの今昔館では、企画展「大阪の長屋」を4月16日まで開いている。  一棟の建物を水平方向に区分し、それぞれが独立した住戸となっている長屋建て。近世の大坂では、これが最も基本的な建築形態で、表通りに面する商家も多くが長屋建てだった。  近代になると土地区画整理などに合わせて長屋形式の住宅が数多く建設され、邸宅風あり洋風デザインありと、さまざまな様式が生み出された。しかし、高度経済成長からバブル崩壊を経て長屋は激減。近年になって再生や活用で注目を集めている。  この企画展では、長屋の建築様式や住まい方に焦点を当て、近世から現代まで続く大阪の長屋の伝統をひもとく。 ▼会期/4月16日(日)まで▼会場/大阪くらしの今昔館・企画展示室(大阪メトロ谷町線・堺筋線「天神橋筋六丁目」駅下車、3番出口直結)▼開館時間/10時〜17時(入館は16時半まで)▼休館日/火曜日、ただし3月21日は開館▼入館料/〈企画展〉300円、〈企画展+常設展〉一般800円、高・大学生500円(要学生証)、中学生以下・障がい者手帳をお持ちの方(介護者一人含む)・大阪市内在住の65歳以上の方は無料(要証明書)▼問い合わせ/大阪くらしの今昔館TEL06(6242)1170、URL:https://www.osaka-angenet.jp/konjyakukan/ (11字×52行) #8 健康 こころとからだの健康づくり(276) 柔らかい体をつくって 行動的な生活を  体が柔らかいと長生きをするわけではありません。しかし、日常生活の中で体がだるい、疲れると訴える人はほとんど体が硬くなっています。  座る、歩く、パソコン操作をするといった単調な動きでは、筋肉の活動がわずかとなり、全身の血液の流れも悪くなります。体を動かすことで心臓の筋肉は活発に収縮、弛緩を繰り返し全身に血液を送り込んでくれるのです。しかし、血液の巡りが悪くなると冷え性や血行障害などの病的な症状も出てくるようになります。  筋肉や体が硬かったりすると筋肉の収縮、弛緩が活発に行われず、体の隅々まで血液が行き渡りません。反対に柔らかい筋肉や体は血液の流れを良くしてくれます。そして全身の柔らかさは、バランスと調和のとれた体を維持してくれます。 大人になると 体が硬くなる  過食、栄養過多、運動不足などのまま過ごすと年々筋肉が弱く硬くなっていきます。そしてオーバーウエイトになり、体は年々丸みをおびていきます。また筋肉は、運動による疲労だけでなく、精神的なストレスでも硬くなります。これは神経の刺激を筋肉が受けるからで、神経を使い過ぎると筋肉はいつも緊張した状態におかれ硬くなってしまうのです。  デスクワークで精神的ストレスを受ける環境にあると、全身の筋肉が硬くなります。筋肉を和らげるためには運動が必須です。運動をすると筋肉のポンプ作用で血液がしっかり流れます。筋肉にも血液が十分流れ、新鮮な酸素も送られるため、弾力性をおびてきます。当然脳への血液供給も多くなり、脳の働きも良くなります。  デスクワークの合間に軽い運動をして、脳の血の巡りを良くすると仕事もはかどるでしょう。 仕事の合間にストレッチ @ 肩幅に足を開いて立ちます。腕は体側に力を抜いておきます。まず背筋を伸ばして両肩を持ち上げ、肩をすぼめます。両肩を耳につける気持ちで、そのまま5秒保ちます。次に瞬間的に脱力して、肩を落とします。この動きを10回繰り返してください。肩の周りの血流が良くなります。 A 背筋を伸ばし両手を後ろで組みます。首を長くして胸を突き出し、肩甲骨を寄せて10秒維持します。この動きを10回繰り返してください。胸や肩甲骨周りの血流が良くなります。 B 背筋を伸ばして頭を右横に倒して10秒保ち、次に顎を引いて頭を右斜め前に倒して10秒保ちます。左右5回繰り返します。首の周りの血流が良くなります。  体の硬さは先天的なものではありません。ストレッチを行えば誰でも柔らかくなり、体が軽く体調も良くなります。行動的でタフな生活のためにも柔らかい体をめざしましょう! 健康運動指導士 竹田 薫 (11字×100行) 情報 古地図で愉しむ 蔵屋敷は何を残したか  難波市民学習センターでは大阪の魅力を探る講座として「まち歩きのススメ『古地図で愉(たの)しむ』〜蔵屋敷は大阪に何を残したか〜」を4月22日と5月27日に開く(どちらも同一の内容)。講師は「大阪あそ歩」認定ガイドの酒井裕一さんだ。  江戸時代、中之島や堂島付近には、諸藩の蔵屋敷が建ちならんでいた。そして明治以降、その蔵屋敷の跡地に数多くの名建築が建てられ、大阪の発展に貢献した。  講座では、古地図や古写真、絵はがきを見ながら中之島周辺の見どころを解説。水都大阪を代表する中之島の歴史を振り返り、まち歩きの魅力を紹介する。 ▼日時/@4月22日(土)、A5月27日(土)、時間はいずれも13時半〜15時半▼会場/大阪市立難波市民学習センター講堂(JR「難波」駅上、OCATビル4階)▼定員/各60人(多数抽選)▼参加費/1500円(資料代込)▼申込方法/往復ハガキ、インターネット(https://www.osakademanabu.com/namba)、来館で。詳細は問い合わせを▼締め切り/@4月6日必着、A5月8日必着▼申込先・問い合わせ/〒556―0017 大阪市浪速区湊町1―4―1 OCATビル4階 大阪市立難波市民学習センターTEL06(6643)7010 (11字×47行) #9 自然 生命の海の生きもの(38) 縦?横?うずまき? 「タテジマキンチャクダイ」  いかにも熱帯魚らしい鮮やかな色彩に、タヌキのような黒い目の周りがかわいい「タテジマキンチャクダイ」。名前で模様の特徴をしっかりと主張しているこの魚について紹介する。  太平洋やインド洋の暖かい海に広く生息し、日本では沖縄などでよく見られる。本州でも夏から秋にかけて沿岸域に見られ、潮だまりや浅い岩場などで見かけることもあるが、1月頃には本州沿岸の低水温には耐えられず死んでしまう「死滅回遊魚」のひとつだ。  成長すると全長40aほどの大きさになる魚で、青地に黄色の縞(しま)模様が特徴的だ。この縞模様、一見すると横向きの「ヨコジマ」に見えるが、魚種名は「タテジマ」となっている。これは生物学上の決まりごとによるもので、魚の向きは頭から尾を結ぶラインを縦とする、つまり頭を上にして置いた時の方向で考えるというルールがあるためだ。泳ぐときは当然頭を横にしているので、縦横が入れ替わっているように感じてしまうが、名前は間違いではないのだ。  明らかにこの縞模様からつけられたであろう標準和名に対して、学名はPomacanthus imperatorといい、この種小名(学名の二語目の単語)はラテン語で皇帝を意味する。英名も同様にエンペラーエンゼルフィッシュで、「皇帝」を冠した名がついている。これは命名当初、西洋の図鑑に「日本の皇帝(つまり天皇)の魚」と記載されていたことによるもので、鮮やかな色彩と模様に天皇の神々しさを重ね合わせていたことに由来すると言われている。  成魚はその和名の通りの模様であるのに対し、幼魚の時期は全く模様が異なるのもタテジマキンチャクダイの大きな特徴だ。幼魚の時期は体色のベースは濃い紺色、白の同心円状の模様がうずまきのように入っていて黄色のタテジマはどこにも見当たらない。同じ種類の魚とは思えない変わりようだ。しかしこれにはちゃんと理由がある。  タテジマキンチャクダイなどのヤッコの仲間は縄張り意識が強く、配偶者以外の同種の魚が自分の縄張りに入ると攻撃して追い出す習性があるが、幼魚のうちはこの模様の違いで縄張りに入っても攻撃されない。成長して成魚の模様が出始めると攻撃されるようになるので、模様の違いが効果を発揮しているわけだ。大人に攻撃されると一人前…せちがらさを感じるのは私だけだろうか。(和) (11字×87行) *横向きの「タテジマ」が入った成魚(下)に対し、幼魚(上)は渦巻き模様。一見すると親子と思えぬ変わりようだ 情報 大阪自然史博物館 特別展「毒」  大阪市立自然史博物館では3月18日より特別展「毒」を開いている。  一般的に毒は生物に害を与える物質として認識されている。しかし、中には単に毒にとどまらず、薬効を持つものもあるし、また、人体に有用なものであっても取り過ぎることで毒になってしまうこともある。  「毒の博物館」や「毒と進化」など5章に分かれて進む展覧会では、動物や植物、菌類や鉱物、そして人工毒など、自然界のあらゆるところに存在する毒を取り上げ紹介。そして動物学や植物学、人類学といった各研究分野のスペシャリストがそれぞれの視点で毒を徹底的に掘り下げ、解説している。  毒と生物の関係を知り、自然界の神秘に触れることができる展覧会となった。 ▼会期/5月28日(日)まで▼会場/大阪市立自然史博物館ネイチャーホール(大阪メトロ御堂筋線「長居」駅下車3号出口より東へ約800b、長居公園内)▼開館時間/9時半〜17時(入館は16時半まで)▼休館日/月曜日、ただし3月27日、4月3日、5月1日は開館▼観覧料/一般1800円、高・大学生1500円、小・中学生700円、障がい者手帳をお持ちの方(介護者1人を含む)は無料(要証明)▼問い合わせ/大阪市総合コールセンター(なにわコール)TEL06(4301)7285 URL:http://www.mus-nh.city.osaka.jp/ (11字×52行) #10 PC情報 パソコンらくらく術(24) デスクトップアイコンを 一時的に非表示にする  プレゼンの際などは工夫次第で散らかったデスクトップを隠し通すこともできたが、ウェブ会議の普及で「資料共有」を行う際にどうしてもデスクトップが映り込んでしまい、恥ずかしい思いをすることがある。  整理するなり、デスクトップに保存用のフォルダを作ってまとめておけばいいのだが、忙しい時はつい作成途中の文書などを置いて雑多な状態になってしまう。  ウェブ会議で資料共有を行う予定がある場合は、デスクトップのアイコンを一時的に非表示にして乗り切ろう。  デスクトップアイコンを非表示にする手順は、@デスクトップの何もないところで右クリック。Aメニューの「表示」にカーソルを合わせ、「デスクトップアイコンの表示」のチェックを外す。  これでデスクトップ上のアイコンが表示されなくなる。アイコンを再度表示するには、手順Aで外した「デスクトップアイコンの表示」にチェックを入れるだけ。  アイコンが非表示の状態でもエクスプローラーで、デスクトップを開くと保存しているファイルにアクセスできる。資料共有に必要なファイルは事前に開いておくべきなのだろうが、うっかり忘れることもある。そうした場合でも「非表示」のままでリカバー可能なので安心して使おう。 (11字×48行) 情報 みんぱく特別展 ラテンアメリカの芸術  国立民族学博物館で開いている特別展「ラテンアメリカの民衆芸術」では、博物館の所蔵品を中心に古代文明の遺物から現代のアート・コレクティブ作品まで約400点を展示している。  展覧会は、なぜラテンアメリカの民衆芸術はこれほど多様なのかという問いから出発する。そしてコロンブス時代以降、外来者と先住民族の文化が出会い芸術が形成されてきた歴史、芸術として洗練されていった過程、20世紀後半の社会運動の中で抵抗としての芸術作品制作の三つに焦点をあて、答えを探っていく。  文化の多様性を育むためには何が大切かを、民衆芸術に触れながら考えることとなる。 ▼会期/5月30日(火)まで▼会場/国立民族学博物館・特別展示館(大阪モノレール「万博記念公園」駅から徒歩約15分、自然文化園を通り抜ける)▼開館時間/10時〜17時(入館は16時半まで)▼休館日/水曜日、ただし5月3日は開館、8日休館▼入館料/一般880円、大学生450円、高校生以下無料、障がい者手帳をお持ちの方(介助者1人含む)は無料▼問い合わせ/国立民族学博物館TEL06(6876)2151、URL:https://www.minpaku.ac.jp/ (11字×45行) 情報 ピースおおさか ウイークエンド・シネマ  ピースおおさかでは、所蔵する戦争や平和の映像資料を広く鑑賞してもらう機会としてウイークエンド・シネマを開いている。4月の上映作品は『白い町ヒロシマ』(1985年/日本)だ。  戦争末期の2月、靖子は姉とともに福岡から広島の祖母の家へと疎開してきた。翌月には母と兄、弟もやってきて楽しい時間を過ごしていた。だが4月になると学童疎開で靖子だけが家族と離れてしまい…。  学童疎開中に原爆で家族を失った木村靖子の小説の映画化だ。親や兄弟を失った子どもたちに寄り添い、豊かな心を持たせようとした教師の姿も描いている。 ▼上映日/4月の各土曜日、いずれも14時から▼会場/ピースおおさか講堂(大阪メトロ「森ノ宮」駅1号出口から西へ200b、JR環状線「森ノ宮」駅北出口から西へ400b)▼参加費/無料、ただし入館料(大人250円、高校生150円、中学生以下・65歳以上・障がい者の方は無料)が必要▼申込み不要(当日先着順)▼問い合わせ/ピースおおさか(大阪国際平和センター)TEL06(6947)7208 (11字×41行) #11 文化 現代的「文楽」あんない(64) 社会の規範によって 夫婦になれない二人は 曽根崎心中(そねざきしんじゅう)  関西の人間、特に大阪をよく知る人なら、文楽の世話物は大阪の地名が出てきて、身近に感じることができる。「曽根崎心中」は、作者の近松(ちかまつ)門左衛門(もんざえもん)が生きた元禄時代に作られた遊郭、曽根崎新地を舞台にした物語である。  江戸時代、中之島周辺は各地から大都市に向けて米を運ぶ船が増え、藩の蔵屋敷もたくさんできた。堂島川から曽根崎川という支流が作られ、その周辺が新地となって、役人や米商人が遊ぶ遊郭ができた。蜆川(しじみがわ)はその曽根崎川の別名で、しじみがよく採れたと言われる。  「恋風の身に蜆川流れては、その虚貝(うつつがい)うつつなき、色の闇路を照らせとて」  虚貝とは身の無い空っぽの貝殻のこと、バラバラになった二枚貝の貝殻のこともいい、会えないふたりをイメージさせる。若い男女が、金のことや社会の規範に縛られて別れさせられ、いっそ一緒に死のうという決意をした。その経緯を豊かなイメージの言葉を紡いで近松が書き上げた。  主人公は、内本町の醤油(しょうゆ)屋の手代(てだい)、徳兵衛(とくべえ)と、曽根崎新地の遊女、お初(はつ)である。商家では、旦那、番頭、手代、丁稚(でっち)という上下関係があり、無給の丁稚を数年続けて手代になる。手代になると仕事上では少々裁量権もあるが、住み込みの使用人で、旦那が認めないと結婚もできない。徳兵衛は、友達と信じた男から金を騙し取られたうえ、「丁稚あがりめ」と罵(ののし)られ、よほど悔しかったのだろう。怒りを爆発させてつかみかかるが逆にやっつけられる。徳兵衛はハンサムだが非力なのである。  徳兵衛は主人から縁談を承知するように強要され、断れば大阪に住めなくなる状況に陥る。一緒になれない恋人同士が選んだのは、情死だった。  この時代、現世に絶望した人にとって、死後の世界は救いの世界である。 「望みのとおり、そなたとともに一緒に死ぬるこのうれしさ、冥土にござる父母にそなたを会わせ嫁姑、必ず添う(夫婦になる)」  恋する二人が社会の規範によって夫婦になれない状態は、同性結婚が認められない今の日本でも解決できていない。  お初ら、遊女の涙を集めた蜆川は、明治の大火で埋め立てられたうえ、空襲で焼け野原となり、キタ新地の一角に記念碑が造られている。  お初と徳兵衛が心中をした露天神の森は、神社が現存し、「お初天神」とも言われる。先日、行ってみたら、二人のブロンズ像が置かれ、「恋人の聖地」と書いた幟(のぼり)がはためいていた。 小山師人(ジャーナリスト) <4月文楽公演> ▼公演期間/4月8日(土)〜30日(日)▼休演日/4月18日▼会場/国立文楽劇劇場(地下鉄「日本橋」駅下車、7号出口より徒歩1分)▼開演時間/<第1部>10時半、<第2部>15時、<第3部>18時半▼演目/<第1部>通し狂言「妹背山(いもせやま)婦女庭訓(おんなていきん)」(初段、二段目)、<第2部>通し狂言「妹背山婦女庭訓」(三段目)、<第3部>近松門左衛門300回忌「曽根崎心中」▼TEL06(6212)2531 (11字×114行) *お初が縁の下に潜む徳兵衛に心中の決意を確かめる #12 本 小さな本箱 荷風俳句集 加藤郁乎 編 消えそうで 消えない春の雪  <春の雪ふる女はまことにうつくしい>と詠んだのは種田山頭火(たねださんとうか)、宝塚でのこと。一方、藤原俊成は<思ひやれ春の光も照らしこぬ深山(みやま)の里の雪の深さを>と雪国の厳しさを偲(しの)びます。千葉県が地盤の伊藤左千夫は<白雪(しらゆき)のとこしく冬の国人(くにびと)は早も見にこね春の上総(かずさ)を>と呼びかけます。雪国に育ち15歳から江戸で働き、やがて俳句で身を立てた小林一茶には<かつしか(葛飾)や雪隠(せつちん)の中も春のてふ(ちょう)>や<春の日や雪隠(せっちん)艸履(ぞうり)の新しき>があり、トイレを雪隠と称していますが<雪車立(そりたて)て少(すこし) 春めく垣ね哉(かな)>の雪車はさすがには雪国の風情です。各務支考(かがみしこう)の〈是迄(これまで)か是迄かとて春の雪〉も雪国。<交通にとっては融雪期の方が厄介だ。しかしそれは春の近いことを思わせる、最も胸のおどる季節だ>(岩波写真文庫復刻ワイド版『札幌1957』89年)。このような雪国に対して、大和の吉野や春日野などでは、<みよし野は山もかすみて白雪のふりにし里に春は来にけり>摂政太政大臣良経、<み吉野は春の景色に霞めども結びほれたる雪の下草>紫式部、<み吉野や消えあへぬ雪の古里は花の盛りに春ぞ来にける>松永貞徳(ていとく)、<春日野の下萌えわたる草のうへにつれなく見ゆる春のあわ雪>権中納言國信、<春日野の雪の下草人知れず飛ぶ火ありやと我ぞ待ちつる>徽子女王、<若菜(わかな)つむ誰(た)が白妙(しろたへ)の袖ならむ雪は残らじ春日野(かすがの)の原>木下(きのした) 長嘯子(ちょうしょうし)、<山ふかき谷吹きのぼる春風にうきてあまぎる花の白雪>藤原為家など、花を雪にたとえる例が多いようです。雪にたとえられるのは花だけでなく、文屋康秀(ぶんやのやすひで)の<春の日の光に当たる我なれど頭(かしら)の雪とあるぞ侘(わび)しき>の雪は白髪。<粉砂糖は舌の上で、春の淡雪よりも早く溶けて、その甘みは捉えることが出来ないうちに消え>(森茉莉/貧乏サヴァン▽川端・淵上編『おいしさの表現辞典新装版』東京堂出版16年)では砂糖。塩や小麦粉の例は見当たりませんが、最後は正調で<雪とのみ思ひてねたる夜半(よは)の空晴れてうれしき今朝の春風(はるかぜ)>永井荷風。[俳句短歌は掲載書名を略した。 平] (11字×76行) *岩波文庫 本体940円+税 本 おすすめBOOK 地球ときみをつなぐ SDGsのお話 松葉口玲子 監修  子リスのミコとタオは、新発売の安くておいしいチョコレートが隣の国の農園で作られていると知り、見学に訪れる。「この国のリスたちは、きっと毎日おいしいチョコを食べているんだろう」と思っていたのに、そこで見たのは学校にも行かずに危険な仕事をしている子リスたちの姿で――。  本書はSDGsの17の目標を物語を通して知ることができるのが特徴の、もっともやさしい入門書。先述の子リスとチョコレートの話は、貧困の課題を取り上げている。「難しい」「自分には関係ない」と感じてしまいがちなテーマも、登場人物の視点に立つことで共感をスタート地点として知ることができる。  低学年の子ども向けだが、巻末の資料やすぐに取り組める実践例など情報量は豊富。理解の第一歩として役に立つ一冊だ。(あ) (11字×31行) *学研プラス 本体1600円+税 #13 食べもの 暮らしの中の魚(151) アカガレイ  アカガレイは日本海や北海道の沿岸でよく水揚げされるカレイで、裏側(目のない方)に血がにじんだような赤みが出ることから名づけられました。新潟県や山形県では数あるカレイの中でも代表的であることから「真ガレイ」と呼んでいます。  大阪には日本海各地で底びき網漁が解禁になる9月初旬から翌5月ごろにかけて入荷します。3月は北日本で獲(と)れるアカガレイが産卵に向けて主な漁場となる浅場に集まる時期で、お腹にはオレンジ色をした卵が充実して食べごろです。  しかしアカガレイも水揚げが減り、値段が上がっています。ご飯とみそ汁、アカガレイの煮付けと野菜の炊いたん(煮物)という昭和の終わりごろの食卓がなつかしくなります。あの頃はめし家のショーケースにもお腹に卵がたっぷり詰まった煮付けが並んでいたのですが、今は輸入のカラスガレイが主流になりました。とはいえスーパーや魚屋で見かけることも多いので、さまざまな料理で楽しみたいものです。  煮付けは酒、みりん、砂糖、しょう油でカレイの切身がひたひたになる位にしてショウガを散らし、落しぶたをして中火でさっと炊いてください。下ごしらえの時に切身を軽く湯通しして冷水にとり、ウロコやヌメリをとっておくと生臭みが残りません。残った煮汁でネギや小松菜を炊くとよいでしょう。  アカガレイのムニエルは切身に塩、コショウをして小麦粉を薄くまぶし、フライパンに油を多めに入れて両面を焼き上げます。仕上げにバターを加えて風味づけをします。ポイントは表側(目のある方)から軽く焼き目がつくまで中火で焼き、裏返してふたをし、弱火で焼き上げることです。溶けたバターはスプーンですくってカレイにまわしかけて下さい。ふっくら仕上がるとともに切身に香りがついて食欲がそそられます。  アカガレイは淡白な白身魚で消化が良く、低カロリーなので年配の方にもおすすめです。特にタウリンを多く含み、動脈硬化の予防やコレステロール値の低下、血糖値の上昇抑制などの効果が期待できます。春の食卓にアカガレイをのせて、おいしく健康な毎日を送ってください。 (11字×80行) *3月は子持ちのアカガレイが店頭に並ぶ。煮付やムニエルでどうぞ エッセイ いつもランラン(315) 「戦後の精神」  日本の良心がまた一つ消えた。「戦後の精神」を体現した作家、大江健三郎が亡くなったのだ。 日本人で二人目となるノーベル文学賞を受賞するほどの優れた作家は、内定した文化勲章を「国と結びついた章」として辞退。権力とは一線を画す確固たる意志を持っていた。そして、その思想は反戦反核で貫かれ、2004年には加藤周一、井上ひさしらとともに「九条の会」を結成。まさに闘う知識人の先頭を歩んできた。  そんな大江さんが闘い道半ばで亡くなってしまったことに、今更ながら茫然とする。これを見越したわけではないだろうが、国は原発再稼働に舵を切り、防衛費を1・5倍に引き上げ、憲法第九条を変えようと画策する。まるでこれまでの闘いをあざ笑うかのように、「戦後の精神」を踏みにじるかのように。  昨日から千葉の幕張メッセで、国際的な武器の見本市が始まり、活況を呈しているという。国が国民の声を無視して描く「戦争ができる国」へとまた一歩近づいてしまったと感じる。  大江さんの代わりとなる人はいないかもしれない。だが、その精神を引き継ぐ人々は確実にいる。反戦反核の声を広げ続け、この国の未来を守らなければ。(ぴ) (11字×46行) #14 映画 幻滅 2022年/フランス/2時間29分/監督・脚本:グザヴィエ・ジャノリ/出演:バンジャマン・ヴォワザン(リュシアン)、セシル・ド・フランス(ルイーズ)、ヴァンサン・ラコスト(エティエンヌ)/配給:ハーク 華やかなパリの ジャーナリズムの現実  19世紀前半のフランス。革命のあと、ナポレオン帝政を経て、王政が復活し、王党派と共和派が抗争していた時代。  地方の印刷工場で働いていた文学志望の20歳の青年がパリに出てきて、ジャーナリズムの世界に入るが、そこは金勘定と裏切りが渦巻くところ。青年は大金を得る経験をするものの、自らの魂を失っていく。  写実主義文学の祖と言われるバルザックの小説を原作に、当時のフランスの情景を映像で美しく表現してみせた。  主人公は、バルザック自身をモデルにしたとも言える田舎育ちの純朴な詩人。貴族の夫人に才能を見出され愛人になるが、夫人の夫に見つかり故郷から追い出される。青年は夫人と共にパリに出て、ド・リュパンブレという貴族らしい母方の姓を名乗って上流階級のサロンに加わろうとする。しかし、そこは、髪型やハンカチの持ち方などですぐに育ちが見破られる恐ろしい世界だった。  主人公は、母方の姓を名乗るたびに父方の姓に訂正させられる。青年が味わう屈辱には、オノレ・ド・バルザックと貴族風な名前にこだわったバルザック自身の経験も反映されているのだろう。  文無しになった青年はあるジャーナリストと知り合い、その手伝いをすることになる。  青年はジャーナリストの仕事を尊敬している。「新しい本や演劇、思想を世に伝え、芸術や世界について、人々を啓蒙(けいもう)するんだ」しかし先輩のジャーナリストは言う。「俺の仕事は株主を豊かにすること、金を巻き上げながらね」  パリの出版・新聞業界は金を貰(もら)って記事を書き、あることないこと書き散らす無節操な連中が支配していた。  彼らは劇評を書くのだが、それも金次第で、多く貰えれば褒め、対立する興行主からの金が多ければ逆のことを書く。また観客の拍手やブーイングを受け持つグループもいて、これも金によって行動する、いわばサクラ集団だ。  結局、青年はもっともらしいことはみな真実という編集方針の先輩の新聞社で働き、力を発揮する。  座興として、青年に対して行われるジャーナリストの洗礼儀式が面白い。 「恐れと信条を持たぬ勇敢な騎士よ」。ここで青年が叫ぶ「一切の信条なし!」  洗礼の執行者は続ける。「悪意の名の下、虚偽のうわさと広告の名の下、汝(なんじ)にジャーナリストの名を授ける。(字幕では記者)  若い詩人が売文業者になり、身を持ち崩していく様子は哀れだが、当時のパリのジャーナリズムと、保身や忖度(そんたく)がはびこる現代のジャーナリズムとどれだけ違うのか、考えてしまった。 小山帥人(ジャーナリスト) ▼公開日/4月14日(金)〜▼上映館/<大阪>シネ・リーブル梅田TEL06(6440)5930、他、<京都>アップリンク京都TEL075(600)7890、<兵庫>シネ・リーブル神戸TEL078(334)2126、他 (11字×111行) *尊敬していたジャーナリストの仕事につく青年。だがそこは、金をもらってあることないことを書き散らす世界だった *(C)2021 CURIOSA FILMS-GAUMONT-FRANCE 3 CINEMA-GABRIEL INC.-UMEDIA #15 映画 屋根の上のバイオリン弾き物語 2022年/アメリカ/1時間28分/ドキュメンタリー/製作・監督・編集:ダニエル・レイム/出演:ノーマン・ジュイソン、ロバート・ボイル、ジョン・ウィリアムズ、トポル/配給:パンドラ インタビューが明かす 大ヒット映画の舞台裏  「ホロコーストを生き延びた祖父母に勧められて子どもの時に見たミュージカルが失われた故郷への扉を開いてくれた」と語る、ダニエル・レイム監督。  1964年、ブロードウェイで初演され、3242回のロングランを記録した『屋根の上のバイオリン弾き』をノーマン・ジュイソン監督が1971年に映画化した。ドキュメンタリー『屋根の上のヴァイオリン弾き物語』は、この映画化され大ヒットした作品の舞台裏をメイキング映像とインタビューで追いかけたもの。  2009年に、主演テヴィエを演じたトポルのインタビューで始まった撮影。2016年に監督のノーマン・ジュイソン、2017年に作詞のシュルドン・ハーニックを、そして2021年には音楽家のジョン・ウィリアムズやテヴィエの娘を演じたロザリンド・ハリスなど、関係者一同にインタビューした。  登場した誰もが半世紀も前のことなのに、当時のことを楽しそうに生き生きと語り、時には涙ぐむ、彼らの深い思い入れが映像から伝わってくる。  『屋根の上のバイオリン弾き』は19世紀末、ウクライナの小さな村アナテフカで酪農を営むユダヤ人一家の物語だ。主人公のテヴィエは妻ゴーデルと5人の娘に囲まれ、ユダヤ教の戒律を守りつましく日々を送っている。だが、娘たちの最大の関心は結婚だった。  テヴィエは娘たちの幸せを願い結婚相手を探すのだったが、その意に反し、長女ツァイテルは貧しい仕立て屋モーテルと結婚。次女ホーデルは革命を夢見る学生闘士を追ってシベリアへ、三女ホーデルはロシア青年とロシア正教会で結婚し駆け落ちしてしまった。  一方、ユダヤ人に対する迫害は激しくなるばかりで、ついに村全体に退去命令が下りた。そして、テヴィエたちは着のみ着のまま住み慣れた地を追われることになり…。  主人公を演じたトポルは、かつて父が住んでたポーランドの村を訪ねる。そして逃げ出した父一人だけが生き残った、父、祖父、曾祖父を追悼すると語る。ノーマン・ジュイソン監督はジュイソン(ユダヤ人の息子)という名前を持ちユダヤ人になりたかったという。バスの座席での黒人差別を見た経験があり、あらゆる人のための映画にしたかったと語る。そして、「ロケ地に選んだユーゴスラビアは今はもうない。政治もアートもタイミングそのもの、そして人生も」と。深い言葉だ。  『屋根の上のバイオリン弾き物語』が今、このときに上映されるのはグッドタイミングだろう。だが、不安定な屋根の上でバイオリンを弾かなくてよくなるタイミングはいつなのか。迫害の歴史はあまりにも長く重い。  平和を希求するジュイソン監督たちの願いを丁寧にたどったレイム監督。その思いをしっかり受け止めたい。  岡野万里子 ▼公開日程/<大阪>4月22日(土)〜、シネ・ヌーヴォTEL06(6582)1416、<京都>近日公開、京都みなみ会館TEL075(661)3993、<兵庫>近日公開、元町映画館TEL078(366)2636 (11字×115行) *1971年に制作され大ヒットした映画『屋根の上のバイオリン弾き』。関係者は制作当時のことを、まるで昨日のことのように生き生きと語った *(C)2022 Adama Films,LLC #16 映画 <前ページに掲載した映画紹介記事のショートバージョン> 幻滅 ▼2022年/フランス/2時間29分/監督・脚本:グザヴィエ・ジャノリ/出演:バンジャマン・ヴォワザン(リュシアン)、セシル・ド・フランス(ルイーズ)、ヴァンサン・ラコスト(エティエンヌ)/配給:ハーク▼公開日/4月14日(金)〜 華やかなパリの ジャーナリズムの現実  19世紀前半のフランス。地方の印刷工場で働いていた20歳の青年がパリに出てきて、ジャーナリズムの世界に入るが、そこは金勘定と裏切りが渦巻くところだった。  バルザックの小説を原作に、当時のフランスの情景を映像で美しく表現してみせた。  主人公は田舎育ちの純朴な詩人。貴族の夫人の愛人になったが、夫に見つかり故郷から追い出される。青年は夫人と共にパリに出て、上流階級のサロンに加わろうとするが失敗。文無しになった青年はあるジャーナリストと知り合い、その手伝いをすることになる。  青年はジャーナリストの仕事を尊敬していた。だが先輩は言う。「俺の仕事は株主を豊かにすること、金を巻き上げながらね」。パリの出版・新聞業界は金を貰(もら)って記事を書き、あることないこと書き散らす無節操な連中が支配していた。  結局、青年はもっともらしいことはみな真実という編集方針の新聞社で働くこととなり、力を発揮するのだが、同時に身を持ち崩す。  当時のパリのジャーナリズムと、保身や忖度(そんたく)がはびこる現代のジャーナリズムとどれだけ違うのか、考えてしまった。 小山帥人(ジャーナリスト) (11字×45行) *尊敬していたジャーナリストの仕事につく青年。だがそこは、金をもらってあることないことを書き散らす世界だった *(C)2021 CURIOSA FILMS-GAUMONT-FRANCE 3 CINEMA-GABRIEL INC.-UMEDIA 映画 <前ページに掲載した映画紹介記事のショートバージョン> 屋根の上のバイオリン弾き物語 ▼2022年/アメリカ/1時間28分/ドキュメンタリー/製作・監督・編集:ダニエル・レイム/出演:ノーマン・ジュイソン、ロバート・ボイル、ジョン・ウィリアムズ、トポル/配給:パンドラ▼公開日程/<大阪>4月22日(土)〜、<京都・兵庫>近日公開 インタビューが明かす 大ヒット映画の舞台裏  1971年、ノーマン・ジュイソン監督は、ブロードウェイでロングランヒットしたミュージカル『屋根の上のバイオリン弾き』を映画化した。『屋根の上のヴァイオリン弾き物語』は、この映画化された大ヒットした作品の舞台裏追いかけたドキュメンタリーだ。  インタビューに登場するのは、主演テヴィエを演じたトポルをはじめノーマン・ジュイソン監督、音楽家のジョン・ウィリアムズ、そしてテヴィエの娘を演じたロザリンド・ハリスなど、まさに関係者一同だ。そしてその誰もが半世紀も前の当時の情景を、楽しそうに生き生きと語り、時には涙ぐむ。彼らの深い思い入れが映像から伝わってくるシーンだ。  『屋根の上のバイオリン弾き』は、19世紀末、ウクライナで伝統を重んじつましく暮らすユダヤ人一家の日常と苦難、そして迫害を描いたものだ。  ノーマン・ジュイソン監督は語る。「ロケ地に選んだユーゴスラビアは今はもうない。政治もアートもタイミングそのもの。人生も」と。深い言葉だ。  迫害の歴史はあまりにも長く重い。平和を希求するジュイソン監督たちの願いを丁寧にたどったレイム監督。その思いをしっかり受け止めたい。 岡野万里子 (11字×45行) *1971年に制作され大ヒットした映画『屋根の上のバイオリン弾き』。関係者は制作当時のことを、まるで昨日のことのように生き生きと語った *(C)2022 Adama Films,LLC #17 パズル クロスワードパズル <タテのカギ> 1 多くの戦いで鍛え抜かれたこと 2 あくる日 3 ←→ホント 4 土砂・岩石を掘り取ること 5 稲を植える作業 6 女王 7 紙を切り抜いて人や物の形を表したもの 8 内々に隠しておくこと 9 話すこと、おしゃべり 10 ←→和室 11 図画工作 12 万物◯◯◯ <ヨコのカギ> 〉 1 とらえどころのないさま 9 手に持つための突き出た箇所 13 薬に用いられる植物 14 紙片などに番号を書き引かせる決め方 15 パソコンの表示画面などに用いる液状結晶 16 伝統的年中行事を行う季節の節目 17 理髪と美容 18 デスク 19 吸い物 20 新聞などに続き物として載せること 21 冷却器 22 百の百倍 23 家財などを貯蔵するための建物 *■AからGまでの文字をならびかえると… *■答えは「サイクルヒット」 情報 京都文博の特別展 「知の大冒険」  京都文化博物館では特別展として「知の大冒険―東洋文庫 名品の煌(きら)めき―」を4月9日まで開いている。  東洋学分野でアジア最大級の研究図書館である東洋文庫。これは三菱の三代目社長、岩崎久彌がが1924年に設立したものだ。世界五大東洋図書館の一つとされる知識の宝庫でもある。  展覧会では、約100万冊とされる蔵書の中から国宝や重要文化財をはじめとした120件が展示される。『東方見聞録』や『ハンムラビ法典』など教科書に掲載されている書物、そして有名な地図、絵画も多数展示される。またあまり知られていない文字や言語、動植物なども見ることができる。  新たな「知」に出会う東洋文庫。その世界へと冒険に出かける展覧会だ。 ▼会期/4月9日(日)まで▼会場/京都文化博物館(地下鉄「烏丸御池」駅5番出口から東へ徒歩約3分)▼開室時間/10時〜18時、金曜日は19時半閉室(入室はそれぞれ30分前まで)▼休館日/月曜日▼観覧料/一般1400円、高・大学生900円、小・中学生500円▼問い合わせ/京都文化博物館TEL075(222)0888 (11字×44行) #18 報告 第58回年次総会の報告 新事務局長に金子さん 新体制でスタート  機関紙編集者クラブは3月2日、連合大阪会議室で第58回年次総会を開いた。活動経過や決算の報告の後、新年度の活動方針案や予算案、役員体制案などを提案、満場一致で承認された。  議長に助田理事を選出し始まった今年度の総会。あいさつに立った中野理事長は「統一地方選挙が目前だ。各県同様、大阪でも推薦候補者の勝利に向け、各組合や団体の取り組みが進んでいる。まずは、私たちがめざす政治や政策を知ってもらうことが肝要だ。そのためにも正確な現状と課題を伝え、未来へのビジョンを示す広報活動が重要となる。それを踏まえて機関紙編集者クラブもさらなる活動に邁進(まいしん)する」とした。  確立された新年度活動方針は次の通り。「編集サービス」は定期発行と会員のニーズに応じた紙面作りに努める。セミナーは参加型を基本とし、WEBなどを活用した情報宣伝のあり方も内容に盛り込む。また、新しいセミナーの企画・運営も引き続き検討する。なお宮武ウ事務局長の退任に伴い、金子俊雄さんが新事務局長に選出された。  井尻副理事長は閉会あいさつで「ある人物の認知度調査では、知り得た情報元が動画やSNSよりも紙媒体の割合のほうが数倍高いとわかった。SNSも一つの情報伝達手段だが、それ以前に広報担当者が忘れてならないことがある。それは、読者に対し@情報伝達する、A対話する、Bフィードバックするというサイクルだ」としながら、編集者クラブへの協力と活動の強化を求めて総会を締めくくった。 <2023年度役員>  理事長/中野勝利(自治労大阪府本部)、副理事長/田原聡(情報労連大阪地協)、井尻雅之(連合大阪)、理事/楢野裕之(NTT労組関西総支部)、長谷川洋子(JP労組近畿地本)、川口将太郎(解放新聞社)、吉村憲昭(解放新聞社大阪支局)、下村泰正(大阪市職)、門川尚史(大阪市従)、許斐久子(大阪教組)、助田武洋(大阪水労)、増永浩子(自治労京都府本部)、岡本直人(潟Xタジオくとうてん)、会計監査/田中光一(大阪交通労組)、松村匡訓(解放共闘大阪)、事務局長/金子俊雄(自治労大阪府本部)、事務局次長/筒井清隆(自治労大阪府職)、乾浩治(大阪水労)、山田朋広(自治労大阪府本部)、事務局員/北村智子 (11字×85行) *宮武ウ事務局長の退任を受け、新事務局長に就任した金子俊雄さん。新体制のもと2023年度の活動がスタートした 情報 大阪歴史博物館 新収品お披露目展  大阪歴史博物館では、令和元年度から令和3年度にあらたな館蔵品になった寄贈品の中から、未公開を中心に約35点を紹介する特集展示「新収品お披露目展―令和元年度から3年度まで―」を3月23日から開く。  主な展示資料は、住宅設計とあわせてデザインされた八角形フレームが特徴の天井照明「渡邊家住宅照明器具」(1937年頃)、江戸時代末期から明治時代前期にかけて活躍した画家、長谷川玉峰の作品「芙蓉小禽図(ふようしょうきんず)」、江戸時代後期の飛騨を代表する根付師、松田亮長が作成した木彫根付「蝦蟇仙人(がませんにん)」など。  大阪の歴史と文化の一端に触れる機会となる。 ▼会期/3月23日(木)〜5月15日(月)▼会場/大阪歴史博物館・特集展示室(大阪メトロ谷町線・中央線「谷町四丁目」駅下車、9番出口前)▼開館時間/9時半〜17時(入館は閉館の30分前まで)▼休館日/火曜日、ただし5月2日は開館▼観覧料/一般600円、高・大学生400円、中学生以下・大阪市内在住の65歳以上・障がい者手帳などをお持ちの方(介護者1人含む)は無料(要証明)▼問い合わせ/大阪歴史博物館TEL06(6946)5728 URL:http://www.mus-his.city.osaka.jp/ (11字×45行) #19 情報 シネマはやっぱりおもしろい −4月公開の映画− パリタクシー  時に、偶然の出会いや出来事が、人の人生を左右することがある。この作品もそう。パリの無愛想なタクシー運転手が経験した出会いを描く。  パリのベテランタクシー運転手シャルルは今日も不機嫌だ。免停まであと2点だし、借金の相談をした兄には嫌みを言われるし、このままでは休みなく働いても家族を養えなくなる。そんな不安が彼の気持ちを逆なでる。  無線から客を迎えに行くよう連絡が入った。そこはパリから遠く気が乗らないシャルル。だが、迎えの道もメーターを回していいと言われ引き受ける。指定の場所で待っていたのは92歳の上品なマダム、マドレーヌだ。彼女の行き先はパリの反対側にある介護施設だった。  走り出してすぐ、生まれ育った街へと寄り道してほしいと頼むマドレーヌ。遠回りになるので気乗りしないシャルルだったが彼女の願い通りにした。車の中から懐かしい街を見上げ、何もかも変わったと嘆くマドレーヌ。そして街角で車を止め、降り立ったマドレーヌはある碑の前で涙を流す。そこに刻まれていたのはナチスによる虐殺の地と犠牲者である父親の名前だった。マドレーヌは語る。パリを解放するためにやってきたアメリカ兵との燃えるような恋、そして別れと子どもの出産。最初は聞き流していたシャルルも次第に彼女の話に耳を傾け…  この作品のもう一人の主人公は美しいパリの風景。マダムの人生をたどる旅を彩ってくれる。 ▼2022年/フランス/1時間31分/監督・脚本・プロデューサー:クリスチャン・カリオン/出演:リーヌ・ルノー(マドレーヌ)、ダニー・ブーン(シャルル)、アリス・イザース(若き日のマドレーヌ)/配給:松竹▼公開日/4月7日(金)ロードショー▼上映館/<大阪>大阪ステーションシティシネマTEL050(6861)8100、他、<京都>MOVIX京都TEL050(6865)3125、<兵庫>kino cinema 神戸国際TEL078(230)3580 (11字×73行) *(C)2022 - UNE HIRONDELLE PRODUCTIONS,PATHE FILMS,ARTEMIS PRODUCTIONS,TF1 FILMS PRODUCTION #20 情報(シネマ) ノック 終末の訪問者  ある日、突然見知らぬ訪問者から究極の選択を迫られた家族。そこから逃げられない状況に追い込まれた彼らの恐怖を描く。  同性カップルのアンドリューとエリック、そして8歳の養女ウエンは家族だ。彼らは人里離れた森の中に立つ小屋で休暇を過ごしていた。ウエンが野外でバッタを捕ろうとしているとレナードという大男が「友達になりにきた」と話しかけてきた。そしていとも簡単にバッタを捕まえ、ウエンを感心させる。しかしそのとき、レナードの連れである3人の男女が武器を持って近づいてきた。  ウエンは小屋に走り帰り、この異変をアンドリューとエリックに知らせる。慌てて鍵や窓を閉め警戒するアンドリューたち。やがて小屋の前にやってきたレナードはドアをノックし、中に入れるよう懇願するが受け入れられない。すると4人の訪問者は窓を破り家の中に入ってきた。そして彼らを止めようとしたエリックはもみ合いの末、頭にけがをして気を失ってしまった。  エリックが意識を取り戻すとアンドリューともども椅子に縛り付けられていた。そしてレナードたちは究極の選択を迫まってきた。それは、世界の終わりを防ぐためにはアンドリューたち家族のうち一人が犠牲になる必要があり、その人物を選べという過酷なもので…。  M.ナイト・シャラマン監督が描く愛と恐怖の終末スリラー。ノンストップで展開される異様な状況に翻弄される。。 ▼2023年/アメリカ/1時間41分/監督:M.ナイト・シャラマン/出演:デイブ・バウティスタ(レナード)、ジョナサン・グロフ(アンドリュー)、ベン・オルドリッジ(エリック)/配給:東宝東和▼公開日/4月7日(金)ロードショー▼上映館/<大阪>TOHOシネマズ梅田TEL050(6868)5022、他、<京都>TOHOシネマズ二条TEL050(6868)5035、他、<兵庫>OSシネマズミント神戸TEL078(291)5330、他 (11字×74行) *(C)Universal Studios.All Rights Reserved. 情報(シネマ) Village ヴィレッジ  格差社会に貧困、そして同調圧力。現代の若者が直面し苦悩するこれらの問題を真っ正面から取り上げた作品が誕生した。  かやぶきの屋根が並ぶのどかな霞門(かもん)村。だが村の背景にある山の上には巨大なごみ処理施設があり、周りの風景から浮いている。  そのごみ処理施設で働く優は、仕事場では村長の息子、透にいびられ、わずかな給料は母親がギャンブルで作った借金返済に消えるというきつい現実の中にいた。それもこれも父親がかつて起こした事件のためだ。今もなお村中から疎まれ、うつむいて生きるしかすべがなかった。  そんな村に幼なじみの美咲が7年ぶりに帰ってきた。血縁や慣習に縛られた村を嫌い上京したものの、都会の暮らしに疲れ果て戻ってきたのだ。そしてごみ処理施設に勤めることになった美咲は、なにかと優を気遣う。だが優は美咲にさえ心を開こうとしなかった。  そんなとき、ある事件がきっかけで村を離れ刑事となった光吉が、優と美咲を薪能に誘う。光吉は村に古くから伝わる能の舞手であり、彼らが幼い頃、舞の手ほどきをしたことがあった。光吉が舞う「邯鄲(かんたん)」の演目を見つめる二人。そして互いに傷を抱えた優と美咲は次第に引かれあうようになる。  美咲が提案したごみ処理施設の見学ツアーが始動した。ツアーのガイド務めることとなった優は、この仕事を通して自信を取り戻していく。そして村の顔となっていったのだったが…  閉鎖的なムラ社会で絡み合う地縁と血縁。そこから抜け出そうとする若者の苦悩が描かれる。 ▼2023年/日本/2時間/監督・脚本:藤井道人/出演:横浜流星(優)、黒木華(美咲)、一ノ瀬ワタル(透)/配給:KADOKAWA・スターサンズ▼公開日/4月21日(金)ロードショー▼上映館/<大阪>TOHOシネマズ梅田TEL050(6868)5022、他、<京都>T・ジョイ京都TEL075(692)2260、他、<兵庫>OSシネマズ神戸ハーバーランドTEL078(360)3788、他 (11字×77行) *(C)2023「ヴィレッジ」製作委員会 #21 情報 アートが好き 開催中とこれからの展覧会 企画展「絵で知る百人一首と伊勢物語」 ▼会期/4月9日(日)まで▼会場/嵯峨嵐山文華館(阪急嵐山線「嵐山駅」から徒歩約13分、京福電鉄「嵐山駅」から徒歩約5分)▼開館時間/10時〜17時(入館は閉館の30分前まで)▼休館日/火曜日、ただし3月21日は開館▼入館料/一般・大学生900円、高校生500円、小・中学生300円、障がい者と介添人1人まで各500円▼TEL075(882)1111 (11字×16行) *俵屋宗達 益田家本伊勢物語図 色紙第二段《西の京》 「リュイユ フィンランドのテキスタイル:トゥオマス・ソパネン・コレクション」 ▼会期/4月16日(日)まで▼会場/京都国立近代美術館(京都市バス「岡崎公園 美術館・平安神宮前」下車すぐ)▼開館時間/10時〜18時、金曜日(4月14日は除く)は20時閉館(入館は閉館の30分前まで)▼休館日/月曜日▼観覧料/一般430円、大学生130円、高校生以下・18歳未満・心身に障がいのある方(付添者1人含む)無料(要証明)▼TEL075(761)4111 (11字×16行) *アクセリ・ガッレン=カッレラ《炎》1899年(デザイン)1983年(再制作)トゥオマス・ソパネン・コレクション Photo:Katja Hagelstam 開館10周年記念「横尾忠則展 満満腹腹満腹」 ▼会期/5月7日(日)まで▼会場/横尾忠則現代美術館(阪急「王子公園」駅西口より西へ徒歩約6分)▼開館時間/10時〜18時(入館は閉館の30分前まで)▼休館日/月曜日▼観覧料/一般700円、大学生550円、70歳以上350円、高校生以下無料、障がいのある方は各観覧料金の75%割引(70歳以上は一般料金)で、その介護者1人は無料(要証明書)▼TEL078(855)5607(総合案内) (11字×17行) *横尾忠則《人肉》1966−2010年 作家蔵(横尾忠則現代美術館寄託) 企画展「没後40年 黒田辰秋展―山本爲三郎コレクションより」 ▼会期/5月7日(日)まで▼会場/アサヒビール大山崎山荘美術館(JR「山崎」駅または阪急「大山崎」駅より徒歩約10分)▼開館時間/10時〜17時(入館は16時半まで)▼休館日/月曜日、ただし3月20日、3月27日、4月3日、5月1日は開館▼観覧料/一般900円、高・大学生500円、中学生以下無料、障害者手帳をお持ちの方300円▼TEL075(957)3123(総合案内) (11字×17行) *《黒朱漆灯火器》1928年頃 アサヒビール大山崎山荘美術館蔵 宝塚市立文化芸術センター開館3周年記念展「オマージュTAKARAZUKA―春 プリマヴェーラ」 ▼会期/4月7日(金)〜5月7日(日)▼会場/宝塚市立文化芸術センター2階メインギャラリー(阪急「宝塚南口」駅より徒歩約6分、JR「宝塚」駅・阪急「宝塚」駅より徒歩約11分)▼開館時間/10時〜18時(入場は17時半まで)▼休館日/水曜日、ただし5月3日は開館▼観覧料/一般(高校生以上)800円、中学生以下無料、障がい者手帳提示の方(付添者1人含む)は無料▼TEL0797(62)6800 (11字×17行) *片山みやび《ここに花ある》2022年 キャンパスにアクリル・油彩・ガラス *(C)2022 Miyabi Katayama 企画展「イサム・ノグチTOOLS」 ▼会期/5月7日(日)まで▼会場/竹中大工道具館(神戸市営地下鉄「新神戸」駅北出口2より徒歩約3分)▼開館時間/9時半〜16時半(入場は16時まで)▼休館日/月曜日、ただし祝日の場合は翌日▼入館料/一般700円、高・大学生・65歳以上の方500円、中学生以下・障がい者手帳をお持ちの方(介護者1人含む)は無料▼TEL078(242)0216 (11字×15行) *作業時に装用したゴーグル|Goggle worn during work 6.7. #22 情報 ボランティアインフォメーション  各種の団体やイベントでは、広くボランティアを募集している。単発のボランティア(1回だけの活動)や初心者、親子参加を歓迎するものも多い。興味のある活動、分野に参加し、新しい世界にチャレンジしよう。 *掲載している情報はKVネット(https://www.kvnet.jp)から転載したものです。 ▼内容の詳細、相談、参加希望などは、それぞれの活動の「問い合わせ先」に直接連絡を。 ●ツキイチイベントのボランティアを  障がいのある、小学生や成人の方と一緒に《京都府 和束町》に行きます。今回はご飯作りの体験イベントで、茶そば、葛餅、柿の葉寿司を作ります。  マイクロバスを貸し切って関西各地へおでかけするボランティアです。一対一のペアになって一緒に行動してください。※フォロースタッフが必ずいます。日頃経験ができないような企画を盛り込みながら、障がいのある方たちと一緒に楽しみ、挑戦します。無資格・未経験でも大歓迎です。 ▼日時/4月22日(土)9時〜18時(予定)▼集合場所/サンフェイス事務所(大阪メトロ千日前線「南巽」駅から徒歩2分)▼費用/参加費無料▼募集人数/3人▼参加条件/1日通して参加可能な方▼申込締切/4月7日▼申込方法/メールで(sunface.group@gmail.com)▼問い合わせ/NPO法人サンフェイス、担当・松本TEL&FAX06(6751)7733、Eメール:sunface.group@gmail.com URL:https://www.sunface.or.jp/ ●チャリティショップで古着販売ボランティア  昭和の雰囲気が残された商店街の一角にあるお店でのボランティアです。活動内容は、寄付物品の販売を中心に、整理、仕分け、値付け、陳列などです。なお、当店は次のテーマに取り組んでいます。  @古着を次の人に着てもらうことで、衣類廃棄や資源環境問題の解消をめざしています。A収益金をアジアの子どもたちやウクライナ支援、国内被災地、地域福祉などの支援につなげています。Bモノの寄付や購入などを通じて、高齢住民や外国人、若者をつなげる地域のホットステーションをめざしています。  資源リサイクルや、地域の活性化、国際協力などに関心のある方はご参加を。先ずはお問い合わせください。 ▼日時/月・木・金・日曜日。時間はいずれも10時〜13時、または13時〜17時▼場所/チャリティショップKANAU(JR「寺田町」駅北口から東へ徒歩約10分、生野本通中央商店街)▼費用/交通費自己負担▼募集対象・人数/高校生以上、年齢や性別、国籍、ボランティア経験問わず。各日2人まで▼参加条件/コミュニケーション、連絡がきちんとできる方。人と接すること、古着、雑貨などが好きで販売が好きな方。責任を持って積極的にボランティアできる方▼申込締切/各活動日の前日▼申込み方法/メールまたは団体HPの申し込みページで受付。メール:Kanaune1505@gmail.com 団体HP: https://kanau2015.wixsite.com/kanau/blank-2▼問い合わせ/市民ボランティアかなうTEL090(4161)0236、メール:Kanaune1505@gmail.com ●ホームページ更新作業のボランティアを  福祉ネイリストたちが高齢者施設や福祉施設などを訪問し、無償でネイルケアを行うボランティア団体です。この団体のホームページ(HTMLファイル形式)の更新をご自宅などでしていただきたいのです。更新作業の依頼内容や画像はメールで送りますので、お好きな時間に更新してください。オンラインだから作業場所や作業日、時間はご自身で決められます。(ひと月の更新回数などは応相談) ▼日時/オンライン。作業日、時間は自身で決められる▼場所/オンライン(自宅など)▼費用/無償。プロボノさんなど、条件によっては有償も可(更新作業にかかるパソコンなどを提供することで作業料無料、月◯回更新/円などご連絡を)▼募集対象・人数/シニア、社会人、大学生など。募集人数は1人▼参加条件/HTMLファイル形式でホームページの更新作業ができる方、更新作業内容をメールでやり取りができる方▼申込締切/決まり次第▼申込方法/メールで申し込む▼問い合わせ/ハンド&ネイルケアボランティアチーム・ガンチー、担当・松本 Eメール:ganchii2020@gmail.com URL:http://khpst.com/ganchii2020/ <情報提供/大阪ボランティア協会TEL06(6809)4901> (11字×159行) #23 ミニニュース 米メタ、研究者向け 対話AI公開へ  インターネット交流サイト(SNS)最大手の米メタ(旧フェイスブック)は2月24日、対話や文章の作成、要約ができる人工知能(AI)を一般公開すると発表した。  研究者や各国の政府機関などが利用できる。マイクロソフトやグーグルも対話型AIの公開に踏み切っており、この分野の開発競争が激しくなっている。  メタが公開したAIは、大規模言語モデル「LLaMA」で、ザッカーバーグ最高経営責任者は「数学の定理を解いたり、たんぱく質の構造を予測したりといった複雑なタスクで可能性を示した」と述べた。このAIは20言語に対応する。 (11字×24行) 鳥インフルで 少女死亡、父も陽性  世界保健機関(WHO)は2月24日、カンボジアで11歳の少女がH5N1型の鳥インフルエンザウイルスに感染して死亡。父親も陽性と判明したと明らかにし、懸念を表明した。  カンボジア保健省によると、少女は16日に発熱、せき、喉の痛みなどを発症し、22日に死亡した。当局は、少女と接触した12人から検体を採取したところ、24日に49歳の父親が陽性と判明したが無症状だった。  WHOは、その他の接触者の検査結果を含め、カンボジア当局と密に連絡を取り合っているとした。  鳥インフルは通常、人には感染しないが、感染した鳥に直接触れたりした場合、まれに感染することがある。 (11字×27行) 問題あるネット投稿 削除の手続き検討  インターネット上の誹謗(ひぼう)中傷対策を議論する総務省の有識者会議は2月21日、問題のある投稿の迅速な削除に向けた手続きの創設に向け検討に入った。  被害者が裁判所に削除を申し立てた場合、司法判断が出るまでの間に被害が広がりかねない。このため裁判をしないでトラブルを速やかに解決する「裁判外紛争解決手続き(ADR)」の活用を例示した。会議はADRなどの有効性を検証し、今夏をめどに報告書をまとめる。  ネット上では、交流サイト(SNS)などで名誉を傷つけたり、プライバシーを侵害したりする行為が問題になっているが、投稿の削除を求めて裁判所に仮処分命令を申し立てても、発令まで数カ月かかることが多い。  この日の会議では「迅速な削除に特化した手続きの創設」を検討課題として挙げ、一例としてADRを明記した。 (11字×33行) クフ王のピラミッド 新たな空間確認  エジプトのイーサ観光・考古相は3月2日、首都カイロ近郊ギザにあるクフ王のピラミッド内部で通路のような形の空間が見つかったと発表した。多くの謎が残るピラミッドの構造解明につながると期待されている。  見つかった空間は奥行き約9メートル、幅約2メートルの空間。2015年に名古屋大の研究者やエジプト、フランスなどの専門家が参加する国際チームが調査を始め、今回スコープを用いて空間内を撮影し、存在を実証した。 (11字×19行) お知らせ ログインにはユーザー名とパスワードを  機関紙編集者クラブの公式ホームページ「機関紙@編集者クラブ」をご活用いただき、ありがとうございます。  毎月本紙「編集サービス」発行から2〜3日後に更新しているこのホームページですが、会員向けのメンバーページへアクセスするためには、ユーザー名とパスワードを入力するログインが必要となっています。またパスワードは毎月1日を基準として1カ月ごとに変更しています。なお、ユーザー名およびパスワードにつきましては別表をご確認下さい。  会員の皆様にはお手数をおかけすることになりますが、セキュリティーの強化のため、ご協力いただきますようにお願いします。  なお、記事や写真のダウンロードなどメンバーページの利用方法は従来通りですので、会員皆様の機関紙作成にご活用ください。 ホームページ URL http://www.club2010.sakura.ne.jp メンバーページ ログイン  <ユーザー名>  club  <パスワード>  873t73re(3月末日まで)  19xdk17s(4月1日より) #24 データウォッチング 大阪の街から樹木が消える 住民合意なく募る不信  大阪市が公園樹木や街路樹の撤去を急ピッチで進めている。市は「安全のため」と強調するが、突然の伐採に住民の間では不信が広がっている。  この不信の裏にあるのが市の予算だ。樹木の維持管理にかかる作業料は人件費の上昇で高騰しているが、予算の方は2012年からほぼ横ばい。そのため管理可能な樹木数が減り、撤去せざるを得ないとみられている。  樹木もまた生活の一部。一方的に撤去する前に住民の声を聞くべきだ。  (11字×18行) *2023年2月16日 毎日新聞