2022年 編集サービス 12.20 #2 労働 連合大阪2023春季生活闘争方針 くらしをまもり、未来をつくる。 連合大阪 労働政策・ジェンダー平等推進グループ 副事務局長 松井千穂  連合大阪は12月16日、第14回執行委員会で「2023春季生活闘争方針」を確認した。2022春季生活闘争の流れを引き継ぎ、「未来づくり春闘・みんなの春闘」を掲げ、「人への投資」をより一層積極的に行う。今般の物価上昇により働く仲間の生活は厳しくなっており、賃上げへの期待は大きい。連合の緊急アクションの取り組みとも連動し、大阪の社会・経済情勢を踏まえた運動を推進する。  「連合大阪2023春季生活闘争方針」の概要は以下の通り。 2023春季 生活闘争のポイント 1.賃金要求 【月例賃金】  各産業の「底上げ」「格差是正」「底支え」の取り組み強化を促す観点とすべての働く人の生活を持続的に維持・向上させる転換点とするマクロの観点から、賃上げ分を3%程度、定昇相当分(賃金カーブ維持相当分)を含む賃上げを5%程度とする。  また、企業内で働くすべての労働者の生活の安心・安定をめざし、企業内最低賃金の協定化に取り組む。 【中小組合の取り組み(企業規模間格差是正)】 @賃金カーブ維持相当分(1年・1歳間差)を確保した上で、自組合の賃金と社会横断的水準を確保するための指標を比較し、その水準の到達に必要な額を加えた総額で賃金引き上げを求める。また、賃金改善原資の各賃金項目への配分などにも積極的に関与する。 A賃金実態が把握できない場合は、賃金カーブ維持分4500円の確保を大前提に、連合加盟組合平均水準の3%相当額との差額を上乗せした金額9000円を賃上げ目標とし、総額1万3500円以上を目安に賃金の引き上げを求める。 【雇用形態間格差是正にむけた取り組み】 @有期・短時間・契約等で働く者の労働諸条件の向上と均等・均衡待遇確保の観点から、企業内のすべての労働者を対象とした企業内最低賃金協定の締結をめざす。  締結水準は、時給1150円以上をめざす。 A有期・短時間・契約等で働く者の賃金を「働きの価値に見合った水準」に引き上げるため、昇給ルールの導入に取り組む。昇給ルールは、勤続年数で賃金カーブを描くこととし、「勤続17年相当で時給1750円・月給28万8500円以上」をめざす。 【男女間賃金格差および生活関連手当支給基準の是正】  女性活躍推進法の省令が改正され、301人以上の企業に対して「男女の賃金の差異」の把握と公表が義務づけられた。これを踏まえ、企業規模にかかわらず男女別の賃金実態の把握と分析を行うとともに、問題点の改善と格差是正に向けた取り組みを進める。 【一時金】  月例賃金の引き上げにこだわりつつ、年収確保の観点も含め水準の向上・確保をはかる。  有期・短時間・契約等で働く労働者についても、均等・均衡待遇の観点で対応する。 【初任給】  すべての賃金の基礎である初任給について社会水準を確保する。また、年齢別最低到達水準についても協定締結をめざす。 2.「すべての労働者の立場にたった働き方」の改善 (1)長時間労働の是正 (2)すべての労働者の雇用安定に向けた取り組み (3)職場における均等・均衡待遇実現に向けた取り組み (4)人材育成と教育訓練の充実 (5)60歳以降の高齢期における雇用と処遇に関する取り組み (6)テレワーク導入にあたっての労働組合の取り組み (7)障がい者雇用に関する取り組み (8)中小企業、有期・短時間・派遣等で働く労働者の退職給付制度の整備 (9)短時間労働者に対する社会保険の適用拡大に関する取り組み (10)治療と仕事の両立の推進に関する取り組み 3.ジェンダー平等・多様性の推進 (1)改正女性活躍推進法および男女雇用機会均等法の周知徹底と点検活動 (2)あらゆるハラスメント対策と差別禁止の取り組み (3)育児や介護と仕事の両立に向けた環境整備 (4)次世代育成支援対策推進法にもとづく取り組みの推進 4.運動の両輪としての「政策・制度実現の取り組み」  政策課題については、行政・政党・各議員への働きかけ、審議会対応、世論喚起など、構成組織・地域協議会が一体となって幅広い運動を展開する。  2023春季生活闘争では、賃上げや生活困窮者支援に連合全体で取り組む社会的キャンペーンとして「賃上げ実現・くらし支援 あしたを変える連合緊急アクション」を展開することとしている。  連合大阪は、この緊急アクションとも連動して取り組み、2023春季生活闘争を推進していく。 (11字×180行) ミニ情報 地元が生んだおいしい味・郷土料理 <三重県・てこね寿司>  三重県を代表する郷土料理の一つ。カツオやマグロなどの切り身をしょう油ダレに漬け込んだあと酢飯と合わせた寿司だ。昔、漁師が船上でとれたての魚をさばき、その場で酢飯と手で混ぜ合わせて食べたことから「てこね」の名がついた。最初は大漁の時の祝いとして船主が船員に振る舞う料理だったが、カツオ漁の形態の変化とともに船上での食事となったという。現在では手軽な家庭料理として、また宴会の席にも出される料理となった。いずれにしても新鮮な魚が手に入るからこその料理だろう。最近ではカツオやマグロに代わり、アジやブリ、鯛などを使ったてこね寿司も登場しているとか。 #3 情報 ボランティアインフォメーション  各種の団体やイベントでは、広くボランティアを募集している。単発のボランティア(1回だけの活動)や初心者、親子参加を歓迎するものも多い。興味のある活動、分野に参加し、新しい世界にチャレンジしよう。 *掲載している情報はKVネット(https://www.kvnet.jp)から転載したものです。 ▼内容の詳細、相談、参加希望などは、それぞれの活動の「問い合わせ先」に直接連絡を。 ●生きづらさを感じる若者に居場所を  コミュニケーションが苦手などで生きづらさを感じる人、またそうでない人にも「活動日が参加する人にとっての空間」と思える居場所をつくっています。月2回程度のこの活動を支えるボランティアを募集しています。もちろん、生きづらさを感じる人の参加も募集しています。 ▼日時/月2回程度。土曜日15時〜19時▼場所/(@またはAのどちらかで開催)@市民活動スクエアCANVAS谷町(京阪「天満橋」駅から徒歩約5分、大阪メトロ「谷町四丁目」駅から徒歩約3分)、A大阪市ボランティア・市民活動センター(近鉄「大阪上本町」駅から徒歩約3分、大阪メトロ「谷町九丁目」駅から徒歩約5分)▼費用/500円(参加協力金)▼募集対象/高校生・学生、20〜30代の人。居場所づくりに興味のある人。おしゃべり好きな人▼通年募集中▼申込方法/「くつろぎステーションつばさ」ホームページの問い合わせフォームから連絡を。URL:https://form1ssl.fc2.com/form/?id=5a3092ba36876d7f▼問い合わせ/くつろぎステーションつばさ、メール:tsubasa_piyopiyo@hotmail.com ●冬服、アクセサリー、鞄(かばん)の寄付でみんな笑顔に  自宅や部屋などの片付け、断捨離をしながら、まだ活用できる洋服や鞄、アクセサリー、本・CDなどを寄付するボランティア活動です。それらの寄付品はチャリティショップKANAUで販売し、収益金を国際協力活動や被災地復興支援、子どもや障がい者の地域社会福祉などに充てます。いつでもできるボランティア。今すぐ始めてみませんか。 【受付できる寄付品】 @洋服/洗濯、またはクリーニング済みの婦人服、紳士服、子ども服。現在、通年・冬衣料品を受付中。夏衣料品は2月〜8月に受付。(受付不可=スーツ(婦人スーツ除く)、フォーマル服、着物、ユニフォーム、名前入りの服)、また下着、靴下、タオル、ハンカチ、カッターシャツは新品に限る。Aアクセサリー・服飾品/指輪、ネックレス、イヤリング、マフラー、ショール、帽子など、B鞄/ショルダーバッグ、ハンドバッグ、トートバッグ、旅行鞄(キャリーケース等)、B本・CD・DVD/文庫、新書、単行本、絵本、クラシック、ジャズ、ポピュラー等(受付不可漫画、雑誌、辞書、文学全集、百科事典、レコード)、Cその他/食器、調理器具、タオル、シーツなど(新品、未使用品に限る)、※いずれも状態の悪い(汚れ・破損)ものは受付不可 ▼日時/<宅配>いつでも、<持ち込み>ショップ営業時間内(10時〜17時半、火曜定休)▼場所/チャリティショップKANAU(JR環状線「寺田町」駅北口より徒歩約10分。生野本通中央商店街、たこ焼き屋「歌ぶ伎」の隣)▼費用/寄付品の送料は自己負担▼参加条件/他者に使ってもらえる良い状態の物を選び、大切に届けることができる方▼申込締切/なし▼申込み方法/寄付品を宅急便で送るか持ち込みを。3箱以上、大量に送る場合は事前に連絡▼問い合わせ・送付先/チャリティショップKANAU、住所:〒544―0025 大阪市生野区生野東2―2―15、TEL090(4161)0236(青木)、Eメール:kanaune1505@gmail.com URL:https://kanau2015.wixsite.com/kanau <情報提供/大阪ボランティア協会TEL06(6809)4901> (11字×133行) #4 労働安全衛生 数える労働安全衛生(173) 84.8%が65歳以上 農作業事故死亡者  802人。厚生労働省が確定値として公表した2020年の労働災害死亡者数だ。どういう業種で多いのか内訳をみると、建設業が258人と3割超を占めていて、高所作業の墜落・転落対策など、安全対策の強化が大きな課題となっている。  一方で別の調べ方をした労働災害に関する統計数字が、農林水産省から毎年発表されている。農作業事故による死亡者が2020年に270人という数字だ。なんと建設業全体より農作業死亡のほうが多いのだ。  厚労省の数字の業種内訳を詳しく調べると、農業は17人となっている。どうなっているのだろう。  厚労省の数字は労働安全衛生法で定義された労働災害死亡者数なので、賃金を受けて働いていた「労働者」の死亡者に限っている。農林省の数字は、人口動態調査の死亡小表のデータで原因が農作業だったものを集計したもの。つまり労働者ではなく農作業で死んだ人は253人だったということになる。  さらに農作業死亡者数の年齢別構成をみると、65歳以上が84・8%、80歳以上に限っても35・2%だ。高齢者が労災でバタバタ亡くなっている。  雇用労働者として定年まで勤務し、その後に本格的に農業に時間を割く、職業生活の一つのパターンが透けて見える産業。こんな業種は他にはあり得ない。  ところが農作業災害は、死亡以外の統計数字がない。労働安全衛生法の適用がないからだ。労働者以外の労働災害も対策は急務だ。 連合大阪労働安全衛生センター 参与 西野方庸 (10字×64行) 情報 奈良国立博物館「春日大社 若宮国宝展」 平安王朝美の輝き  世界遺産・春日大社の摂社である若宮神社の社殿を20年に一度造り替える大事業、式年造替が10月に完了した。それを記念した特別展「春日大社 若宮国宝展―祈りの王朝文化―」が奈良国立博物館で開かれている。  展覧会は第1章「春日若宮神の誕生」、第2章「若宮御料古神宝の世界―王朝文化の粋―」、第3章「御造替の伝統」、第4章「若宮信仰の発展とおん祭」の四つの章で構成されている。中でも一番の見どころは第2章だ。  第2章で展示される「若宮御料古神宝類」は、若宮創建当時、藤原摂関家など貴族から奉納された品々だ。蒔絵(まきえ)や螺鈿(らでん)、ガラス細工など平安時代の最高の技術を駆使したきらびやかな逸品で王朝文化を今に伝える。  また国宝の「金鶴及銀樹枝・銀樹枝」や「銀鶴及磯形」は、材質や制作技法を調査研究し復元新調された作品が同時に公開され、そして「毛抜形太刀」「金地螺鈿毛抜太刀」なども当初の姿を忠実に再現した模造作品が公開されている。まさに平安時代に作られた逸品と、現在によみがえった王朝の美を同時に鑑賞できるまたとない機会だ。  ほかにも若宮信仰の広がりを紹介する絵画作品や、御造替の1000年を超える歴史を紹介する品々も公開。日本文化の奥深さを再認識する特別展となっている。 ▼会期/1月22日(日)まで▼会場/奈良国立博物館(「近鉄奈良」駅から登大路を東へ徒歩約15分)▼開館時間/9時半〜17時(入館は閉館の30分前まで)▼休館日/月曜日(ただし1月2日、9日は開館)、12月28日〜1月1日、10日▼観覧料/一般1600円、高・大学生1400円、小・中学生700円▼TEL050(5542)8600 (11字×65行) *匠の技が平安時代の宝物をよみがえらせた《銀鶴及磯形 復元新調》 #5 コラム ニュースな暮らし(43) 坂口安吾が「予言」した 干支の迷信  2023年に私は6度目の卯(う)年の干支(えと)を迎える。と書いたがこれは間違い。干支とは十干と十二支を合わせたもの。卯は十二支の一つ。十干は甲(きのえ)、乙(きのと)から癸(みずのと)までの10種類からなる。これを子(ね)、丑(うし)から亥(い)までの十二支の前に付けて干支に。暦の年表示などに用いられた。  ということで2023年の干支は癸(みずのと)卯(う)が正解。今では暮らしの中で干支はほとんど使われないが、10と12の最小公倍数の60年で一巡することから、60歳の還暦祝いは今でもよく見かける。しかし十二支と迷信が重なると、罪深いことが起きる。  人口ピラミッドを見ると、1966年生まれの人数が極端に少ない。この年の干支は丙午(ひのえうま)だった。私は前の年が高校1年生。親の世代以上が「江戸の町に放火した八百屋お七は丙午生まれだったから、来年の丙午には子どもを産まない方がいい」との迷信をまことしやかに話していた。人類が月に行こういう時代に、前年より25%も減る産み控えが起きた。  「堕落論」で有名な坂口安吾。本名は炳五(へいご)。ヘイゴという読みと、炳の字から分かるように1906年の丙午生まれ。祖父母から丙午の迷信をよく聞かされたそうだ。1954年1月の随筆で、戦後に民主化や文明が進歩したと言われているが「ヒノエウマの迷信がバカバカしいことは確かであるが、これとても早晩の消滅を期待することは不可能だ」と書いている。  1966年は安吾の「予言」通りになった。2026年に丙午が巡ってくる。IT時代にまさかと思うが、SNSで陰謀論やフェイクニュースが大手を振っているだけに一抹の不安がある。今度こそ杞憂(きゆう)に終わればいいが。 浜床たかし (11字×61行) *※文中の安吾の「ヒノエウマの話」は青空文庫https://www.aozora.gr.jp/cards/001095/files/42961_31184.htmlで読めます。 労働コラム 労基法でよもやま話(21) 10人以上は就業規則の届け出を 《質問》どのような場合に就業規則を労働基準監督署に届出る必要がありますか。 《回答》労働基準法第89条は、常時10人以上の労働者を使用する使用者について、一定の事項を記載した就業規則を所轄の労働基準監督署長に届出ることを義務付けています。(労働基準法Q&A 厚生労働省HP)。  実はうちの職場には就業規則がありません…。アルバイトを含めても常時働いている人が10人以上いたことがないので、なくても問題はないのですが。なお、就業規則は会社ごとではなく、事業所ごとに作成が必要です。  就業規則には次の項目を必ず入れなければなりません。 @始業および終業の時刻、休憩時間、休日、休暇ならびに交替制の場合には就業時転換に関する事項 A賃金の決定、計算および支払の方法、賃金の締切りおよび支払の時期ならびに昇給に関する事項 B退職に関する事項(解雇の事由を含む)。  就業規則は法令や労働協約に反していけないことになっています(労基法92条)。法律以下の条件や、労使の取り決めと異なる規則を勝手に使用者が定めてはいけないわけですね。  また、就業規則を不利益変更するにあたっては従業員の過半数代表か、過半数で構成されている労働組合に意見聴取を行う必要があります。  最近ですと同一労働同一賃金への対応として、いわゆる正社員の手当の見直しを検討する会社が多いようです。しかし、各種の手当を廃止するような場合は不利益変更になりますから、従業員から意見を聞いた上で就業規則を変更する必要があります。  小さい職場で就業規則がないところでは、トラブルが起こったときにもめる可能性があるので、たとえ義務でなくても作成したほうがいいというアドバイスを先日目にしました。就業規則がなくても労基法に則(のっと)る必要はあるのですが、お互いこのルールでやりましょうねという同意を持っておくほうが確かにいいと思います。 大阪産業労働資料館 エル・ライブラリー 千本 沢子 (11字×79行) #6 平和 へいわじんけん(10) 声集め大阪から発信を  冬本番となり、朝晩の冷え込みがきつくなってきた。そして、物価高による家計の冷え込みは加速し、ロシアのウクライナ侵攻も、いまだ終息のめどは立っていない。極寒の中で電気の供給もままならないウクライナ国民の現状を一刻も早く改善しなければ。そのためにも今一度、戦争のもたらす悲劇を認識し、日本の地においても反戦平和の声を高めていかなくてはならない。  一方、4年の一度のスポーツの祭典であるサッカーワールドカップがカタールで開かれた。日本代表の頑張りは国民に勇気を与えた「光」の部分であるが、あまり語らず見過ごされている「影」の部分があることも認識しておかなくてはならない。代表的なのは、インド・パキスタン労働者がサッカー場建設の過酷な労働を強いられ、6750人以上が死亡したことであり、性の多様性を認めようとしないことであろう。  スポーツの世界に政治を持ち込まないという姿勢は理解できるが、事実は解明されなければならないと切に思う。  さて、今年も残りわずかとなったが、思い起こせば、「平和と人権」をテーマに寄稿して、9カ月。当時はコロナ感染症拡大の中で、人が集まらなくてもできることを模索し、大阪平和人権センターとしても独自のユーチューブ配信やリモート会議を積極的に取り入れ、反戦平和課題、人権課題を中心に運動を展開してきた。今は行動規制など大幅に緩和されているが、新たに取り入れた運動手法は継続していく必要があると考えている。  取り巻く状況は依然厳しく、政府与党の動きはますます右傾化している。そして2023年は大阪にとっても大きな節目となる知事・政令市長・統一自治体選挙が執行される。  若者の政治離れが言われだして、もう数十年。しかし、果たして本当にそうであろうか。自分の持つ1票が世の中を変える一つのきっかけになるという思いは今逆に強まっていると感じる。ロシアのウクライナ侵攻から物価高による国民生活の困窮は切実である。こうした声を集めて、大阪から発信していく政治が今、求められている。来年はその第1歩としたいものである。みんなで力合わせて頑張ろう。 大阪平和人権センター事務局長 西川徹二 (11字×85行) 情報 映像から考える 人類の未来  国立民族学博物館では、研究者による解説付き映画上映会として「みんぱくワールドシネマ」を開いている。今年度のテーマは「映像から考える〈人類の未来〉」で、第53回となる1月14日は「ハニーランド 永遠の谷」(2019年/北マケドニア/ドキュメンタリー/86分)の上映だ。  これは、北マケドニアの山岳地帯で自然養蜂を営む女性に光を当てたドキュメンタリー。ハチの存続を考え収穫は半分に控え、上質の蜂蜜を作るハティツェ。だが隣に移ってきた遊牧民一家は目先の利益を優先させた働きで、つましく暮らすハティツェの日々に暗雲を招く。  ハティツェの生き方を通してハチと人との関わりや近隣や町の住民との関わりが描かれる。持続可能な資源利用の維持を考えさせられる作品だ。 ▼日時/1月14日(土)13時半〜▼会場/国立民族学博物館みんぱくインテリジェントホール(大阪モノレール「万博記念公園」駅下車徒歩15分、自然文化園を通り抜ける)▼参加費/無料、ただし展示観覧券(一般580円、大学生250円)が必要▼定員/200人▼申し込み方法/みんぱくホームページのイベント予約サイト、または電話で申し込む▼締め切り/1月6日。ただし定員になり次第受付終了▼申込先・問い合わせ/国立民族学博物館事業係イベント予約受付TEL06(6878)8210、URL:https://www.minpaku.ac.jp/ (11字×53行) #7 健康 こころとからだと健康づくり(273) 働き盛りの健康づくり 適度な運動で体力維持 いつまでも若くない  30歳を過ぎれば日増しに体力が落ちていきます。人間の自然な成長も20歳後半には停止します。若い頃スポーツで鍛えた人は大丈夫だと思っているでしょうが、スポーツで鍛えた体の蓄積効果も、数年も経てば跡形もなくなってしまいます。中高年に運動が必要なのは、中年以降に見られる急激な体力低下を防ぐためです。  日本人の平均寿命は84・62歳(2020年)。男性81・47歳、女性87・57歳です。また健康寿命(健康上の問題で日常生活が制限されることがなく、生活できる期間)は男性72・68歳、女性75・38歳。平均寿命と健康寿命の差は男性8・73年、女性12・06年となっています。寿命が延びた反面、病気や病院にかかる人が急増しているのです。  人生、健康でおもしろおかしく生きて行くには、十分な体力が必要です。 <筋力テスト> @腹部と背部の筋力:重い上半身を支えるために非常に重要です。  仰向(あおむ)けに寝て両足首を支えてもらい、上体を真っ直ぐ伸ばしたまま30度くらい上半身を持ち上げます。腹筋と背筋を緊張させ、60秒間保持できるでしょうか。 *腰痛のある方はしないで下さい。 A脚の筋力:脚の筋力の衰えは早いです。  40〜50センチの台に片足をのせ、台の上に立ち上がります。同じ脚でゆっくり20回繰り返します。楽々できるでしょうか。 スタミナが命!  体力が落ちてくると何事にも積極的に取り組む気力が落ちてきます。そしてスタミナ切れが目立つようになります。  例えば電車に間に合わないから走ると、すぐに息切れやめまいがして、いつまでも心臓が強く鳴りやまない。こんな人は毎日、座れる電車や、エレベーターやエスカレーターを探して利用するようになります。 <スタミナテスト> @速足で15分間歩きます。途中でペースダウンをしたり、心臓がどきどきと鳴るのを感じなければまだまだスタミナに不安はない状態といっていいでしょう。これが最低限の運動です。 柔軟性  筋力やスタミナが落ちてくると、体も硬くなっていきます。体の硬さは筋肉の硬さを意味し、関節が硬いのと勘違いしがちです。本来の筋肉は柔らかく弾力性があり、適度に使えば強くなり、使わないでいたり、使いすぎると硬く、弱く、細くなっていきます。 @床に座って両足の裏を合わせて、かかとを手前に引き寄せます。背筋を伸ばして上体を前に倒します。この姿勢で床に手がつけば脚も腰も軽くなります。  自分の体力をチェックしてみましょう!  健康運動指導士 竹田 薫 (11字×98行) 情報 ピースおおさか 大阪の平和資料館  ピースおおさかでは、特別展「大阪の平和資料館」を2月5日まで開いている。  大阪城公園内にあるピースおおさかは、大阪空襲を語り継ぐ平和ミュージアムとして広く知られている。だがこれ以外にも大阪府には三つの平和資料館がある。  この特別展は、ピースおおさかと堺市立平和と人権資料館、豊中市立人権平和センター豊中・平和展示室、吹田市立平和祈念資料館が連携し、それぞれの平和資料館の内容や取り組みを紹介するものだ。  また大阪だけでなく、関西圏にある平和資料館も紹介。平和資料館を知ることで、それぞれの地域の歴史に触れることができるだろう。 ▼会期/2月5日(日)まで▼会場/ピースおおさか特別展示室(大阪メトロ「森ノ宮」駅1号出口から西へ200b、JR環状線「森ノ宮」駅北出口から西へ400b)▼開館時間/9時半〜17時(入館は16時半まで)▼休館日/月曜日、12月28日〜1月4日、10日、31日▼入館料/一般250円、高校生150円、中学生以下・65歳以上・障がい者の方は無料(要証明)▼問い合わせ/ピースおおさか(大阪国際平和センター)TEL06(6947)7208、FAX06(6943)6080 URL http://www.peace-osaka.or.jp/ (11字×49行) #8 自然 生命の海の生きもの(35) 「卯」にまつわる 魚たち  2023年は卯年。ウサギは陸の生き物だが、生命の海にもウサギ年にスポットライトを浴びる生き物がいる。昨年に引き続き、オムニバス的にウサギにまつわる海の生き物を紹介する。  ウサギに最も直接的に関連している魚は、Rabbit Fishの英名を持つアイゴだろう。全長30aほどの小型の魚で、温帯から熱帯の沿岸域に生息する。日本近海にも数多く生息し、釣り針にもよくかかる魚だ。アイゴの仲間はヒレのトゲに毒を持つのが特徴で、釣り針から外す際には注意が必要だ。英名の由来は、おちょぼ口や突き出した前歯など、顔がウサギに似ているから、だそうだが…。筆者には正直よくわからない。アイゴそのものの適当な写真がなかったため、その仲間のヒフキアイゴの写真でご判断いただきたい。  続いては和名にウサギを冠するウサギアイナメ。北海道からオホーツク海にかけての寒い海に生息する80aほどの魚で、その名の由来は「ウサギがものを食べているような顔に見えるから」だそうな。こちらも筆者には理解不能だ。アイナメと言えば美味(おい)しい魚としても有名だが、ウサギアイナメは鮮度が落ちるのが非常に早く、食材としての価値は低いそうだ。ただ鮮度さえよければ本家アイナメにも負けない上質の白身というから、機会があれば一度ご賞味を。  英名、和名ときて次は中国で「海兎」と書く魚。干潟に生息する水が苦手な魚、トビハゼのことだ。最大でも体長10aほどの小さな身体で、干潟の泥の上をぴょんぴょんと飛び跳ねて這(は)い回ることで有名だ。おそらくこの飛び跳ねるさまから「兎(うさぎ)」の漢字が使われたのだろう。魚なので当然えら呼吸をするのだが、トビハゼは同時に皮膚呼吸も行っているため、普通の魚のように水中で泳ぎ続けると溺れて死ぬこともあるユニークな魚でもある。かといって乾燥しても死ぬ。ある意味、難しい魚である。  他にも魚へんに「兎」と書くとイシモチという魚になるし、北海道でウサギザメというと、横に長く縦に短い独特の形をしたエイ、ツバクロエイのことを指す。ウミウサギという名前の純白の巻貝もいる。新年になると多くの水族館でこういった干支にまつわる生き物を展示するので、12年に一度の晴れ舞台を見に、訪れてみるのもいいだろう。(和) (11字×87行) *アイゴの仲間のヒフキアイゴ。ウサギに見えますか? 情報 大阪市立自然史博物館 大阪の大地のひみつ  大阪市立自然史博物館では特別展として「大阪アンダーグラウンドRETURNS(リターンズ)―掘ってわかった大地のひみつ―」を2月26日まで開いている。  私たちの生活を足元で支えている地面。人が使う建物の基礎を支え、地下では動物や昆虫が暮らし、また過去の暮らしの痕跡である遺跡や化石などが発見される。だが私たちは、地面の下のことについてあまり知らない。  この特別展はそんな地面の下を紹介するもの。地層の様子が見られる地質資料の「ボーリングコア」や、クジラや植物の化石、そして鉱物などさまざまな標本を展示するほか、地面の下の調べかたなども紹介している。 ▼会期/2月26日(日)まで▼会場/大阪市立自然史博物館ネイチャーホール(大阪メトロ御堂筋線「長居」駅下車3号出口より東へ約800b、長居公園内)▼開館時間/9時半〜16時半(入館は16時まで)▼休館日/月曜日(ただし祝休日の場合は翌日)、12月28日〜1月4日▼観覧料/一般500円、高・大学生300円、中学生以下・障がい者手帳をお持ちの方(介護者1人を含む)・大阪市在住の65歳以上の方(要証明)は無料、*常設展および長居植物園への入場は別途料金が必要▼問い合わせ/大阪市立自然史博物館TEL06(6697)6221 (11字×49行) #9 PC情報 パソコンらくらく術(21) デスクトップを画像で保存 スクリーンショットの撮り方@  パソコンを使っていると表示している画面をそのまま保存してメールに添付したり、作成中の文書に貼り付けたりしたい時がある。そんな時にはパソコンの画面を画像として保存できるスクリーンショットが便利だ。  まず、直接画像ファイルとして保存したい場合に便利なのが、[ウインドウズ]キー+[PrintScreen(PrtSc)]キーだ。保存したい画面でこのショートカットキーを押すとデスクトップ全体のスクリーンショットが画像として保存される。  保存場所へアクセスするには、まず、エクスプローラーを開き、左側に表示されているナビゲーションウインドウにある@「PC」、A「ピクチャ」の順にクリックして、B「スクリーンショット」を開く。  ナビゲーションウインドウが見当たらない場合は、@「表示」タブ、A「ナビゲーションウインドウ」ボタンの順にクリックし、「ナビゲーションウインドウ」にチェックを入れよう。  また、ノートパソコンなどキーボードによっては、[PrtSc]キーがファンクションキーなど別のキーとまとめられていることがある。その場合、[ウインドウズ]+[Fn]+[PrtSc]を押さないとスクリーンショットが撮れないということがあるので注意しよう。 (11字×49行) 情報 あべのハルカス美術館「アリス」展 アリスの魅力と影響力と  数学者チャールズ・ドジソンが知人の娘アリス・リドゥルとその姉妹たちに即興で語ったお話は後に『不思議の国のアリス』として出版され、世界中の人々に読まれることになりました。そして児童文学の世界に留まらず、映画や演劇なども多数制作され、さらにアートやファッションなど芸術に影響を与えました。  これらを展望する大規模な展覧会『アリスーへんてこりん、へんてこりんな世界―』が大阪のあべのハルカス美術館で開かれています。  第1章ではヴィクトリア朝の時代背景を通してアリスの誕生とその魅力が紹介されます。ドジソン(ルイス・キャロル)の撮影した写真やジョン・テニエルの挿絵が多数展示されています。  アリスの映画と言えば、まず思い浮かぶのはディズニーのアニメ作品ですが、実は各国の各時代に多くの作品が制作されおり、第2章ではそれらが動画とともに紹介されています。第3章ではアリスにインスパイアされた新たな作品を展示し、第4章では舞台作品を紹介しています。  第5章は「アリスになる」と題され、科学、音楽、ファッションなどさまざまな分野に影響を与えたアリスの今日的な解釈と表現の創作が並びます。 ▼会期/3月5日(日)まで▼会場/あべのハルカス美術館(近鉄「大阪阿部野橋」駅、地下鉄・JR「天王寺」駅下車すぐ、あべのハルカス16階)▼開館時間/10時〜20時、月・土・日・祝日は18時閉館(入館は閉館の30分前まで)▼休館日/12月31日、1月1日▼観覧料/一般1800円、高・大学生1400円、小・中学生500円、障がい者手帳をお持ちの方は美術館チケットカウンターで購入された本人と付き添いの方1人まで当日料金の半額▼TEL06(4399)9050 (11字×65行) *「アリス」の原点から今日までの歩みを約300点の作品や映像演出で紹介する展覧会だ #10 文化 現代的「文楽」あんない(63) いかなる暴力にも 屈しない女性、阿古屋(あこや) 壇浦兜軍記(だんのうらかぶとぐんき)  源平の戦いを題材にした文楽作品は数多いが、中でも、熱烈な恋をベースに、いかなる暴力にも屈しない女性の力強さを描いたこの作品は、繰り返し上演されてきた。  主人公は、絢爛豪華(けんらんごうか)な衣装をつけた京都の五条の遊女、阿古屋(あこや)。その阿古屋が恋する相手は、平家の猛将、景清(かげきよ)である。景清は、源平の戦に負けたあとも、源氏の頭領、源頼朝(みなもとのよりとも)の暗殺を試みたと伝えられ、源氏側はその居場所を突き止めようとしている。  時の権力を握った源氏側は、景清の隠れ場所を白状させるために、その愛人である阿古屋を尋問する。近松門左衛門(ちかまつもんざえもん)が書いた「出世景清(しゅっせかげきよ)」では、嫉妬に駆られた阿古屋が、景清のありかの密告に同意したことになっているが、のちに改作された「壇浦兜軍記(だんのうらかぶとぐんき)」では、阿古屋は、あくまでも景清の行方は知らないと言い張る。近松の作品の方が、人間の心理の機微に触れているが、恋人を裏切らない真っ直ぐな阿古屋を描く改作の方が、観客の好みにあったのだろう。「阿古屋の琴責め」と言われるこの改作の方がよく上演される。  この作品では、尋問する側に二人の人物がいる。一人は尋問の責任者で重忠(しげただ)という。重忠は対話することで、阿古屋の本心を引き出そうとする。もう一方の松永(まつなが)は暴力的な男で、水責めにしようと水を用意させたり、塩煎(い)り責めといって、熱い塩を身体に擦(こす)りつけると脅かす。  阿古屋はひるまない。  「オホホホホ、そんなこと怖がって苦界(くがい)が片時(へんし)なろうかいな」  遊女の苦しい生活に耐えている自分は、肉体的拷問など平気だ、というのである。  こうした拷問は昔から世界中で行われていたが、人権を尊重する機運が高まり、1984年にやっと拷問等禁止条約が国連総会で決議された。日本で発効したのは1999年のことである。  しかし、それ以後も、アメリカではCIA(米中央情報局)による水責めなどの拷問が上院で報告されており、ウクライナ戦争でも実際に行われているようだ。  阿古屋は、脅しに屈せず、重忠の要望に応えて、琴、三味線、胡弓(こきゅう)の三種の楽器を静かに演奏し、景清の行方は本当に知らないと言う。  暴力によって人の心を捻(ね)じ曲げようとする試みに対して、心と心のつながりを重く見たこの作品は、今後も人々から愛され続けることだろう。 小山師人(ジャーナリスト) <初春文楽公演> ▼公演期間/1月3日(火)〜25日(水)▼休演日/1月13日▼会場/国立文楽劇劇場(地下鉄「日本橋」駅下車、7号出口より徒歩1分)▼開演時間/<第1部>11時、<第2部>2時、<第3部>17時半▼演目/<第1部>「良弁杉由来(ろうべんすぎのゆらい)」、<第2部>「義経千本桜(よしつねせんぼんざくら)」、<第3部>「傾城恋飛脚(けいせいこいびきゃく)」「壇浦兜軍記(だんのうらかぶとぐんき)」▼TEL06(6212)2531 (11字×104行) *阿古屋は重忠の前で心静かに琴を演奏する #11 本 最近読んだ本 タイムトラベル 世界あちこち旅日記 益田ミリ 著 手軽・気軽な本に 手が伸びるようになった  近ごろ本を読む気力が薄らいできた。歳のせいか(9月に87歳になった)。内容にもよるが一週間たっても読み終わらない本があったりする。で、どうしても重いものより軽いものに手がのびる。  その1冊がこの本。二日で読み終わった。      *  著者は1969年大阪府生まれのイラストレーター。  1987〜2019年の「世界の旅」を振り返ったエッセイ集。「旅」といってもさまざまな形がある。彼女の場合はこうだ。  美術学校の研修旅行、まだ会社員をしていた頃有給休暇をもらい女友達と、同行の編集者とカメラマンと取材で、知り合いの会社の社員旅行で、仲良し3人組と、パックツアーで、とさまざま。  目次には1イタリア〜23エストニアまでさまざまな国が並んでいる。  だが大抵は<さまざまな名所を観光バスで巡ったはずなのに薄ぼんやりとしか記憶にない場所も多く……>といった塩梅(あんばい)。  たとえばピサの斜塔については<ホンマに斜めなんやな>、サンフランシスコについては<路面電車で坂道をあがり……夜、霧が出て2メートル先すら見えなかったこと。このふたつくらい>。      *  だが、食べ物については確実な記憶が。  「はじめに」の7行のうち、〈ポーランドで飲んだおいしいおいしい発酵スープ。台湾で食べた花の香りの温かいお団子。ベルギーではワッフルとバケツいっぱいのムール貝〉と3行を費やしているように……。  食べ物のほかに土産品についても詳しい記述が。      *  こんなエピソードも。  ポーランドへの旅。<ツアーにはショパンのミニコンサートもついていた。旅の予約をするまでショパンがポーランド生まれであることを知らなかったわたしではあるが、演奏されたいくつかの曲は耳にしたことがあった>。  ワルシャワで「chopin」と書かれた銅像の脇で「チョピン?」と首をかしげる著者、「ショパンでした」――こんなイラストも。 《窪田聡》 (11字×75行) *毎日文庫 本体7000円+税 おすすめBOOK なぜ、あなたの仕事は 終わらないのか スピードは最強の武器である 中島 聡 著  本書は米マイクロソフト社でWindows95・98の基本設計を作った日本人技術者・中島聡の時間術の話である。  サブタイトルだけを見ると徹底的な効率化を追求するような内容に思えるがそうではない。時間を制し、そこで生み出される「スラック(たわみ、ゆるみなど)」な時間を使い、やりたいことをやるためにはどうしたら良いかを、自身の体験やエピソードとともに紹介しているのだ。また社長であるビル・ゲイツの仕事術やエピソードの紹介も読んでいて痛快だ。  タイトルにもあるようになぜ仕事が終わらないのか?筆者はその多くの原因は@安請け合いする、Aギリギリまでやらない、B計画の見積もりをしない、とする。  この書評も校了ギリギリになっている。せっかく時間術の書評を書くのに本末転倒だ。(ぷ) (11字×31行) *文響社 本体1380円+税 #12 食べもの 暮らしの中の魚(148) ヒラメ  ヒラメが大きな口で小魚などの餌を食べて肉厚となり、脂がのっていよいよ旬をむかえました。  天然物の水揚げが多いのは北海道や青森、宮城などの北日本で、関西には九州天草地方や淡路島周辺などから良いものが入ってきます。養殖が始まったのは1980年からで、大分、鹿児島、愛媛などの暖かい地方で盛んに行われています。  ヒラメという名は全国で通用しますが、19世紀以前はカレイと明確に区別されていませんでした。大きいものをヒラメ、小さいものをカレイと呼んでいたのです。  ヒラメは砂の中に身をうずめて餌がやってくるのを待っており、体の左側にかたよった両目は常に上を向いています。このことから自分の出世のためにいつも上司の機嫌をとり、媚(こ)びている人のことを「ヒラメ人間」と呼びます。  ヒラメは高級な白身魚として定評があります。これはうま味の中心となるイノシン酸を豊富に含み、淡白でありながらも濃厚な味わいがあるためです。  食通の間で珍重されているのがエンガワです。エンガワとはヒレを動かす筋肉のことで、シコシコした食感があり、噛(か)むほど甘い脂が口に広がります。機会があれば寿司や造りでうま味を体験してください。至福のひと時をむかえますよ。  おすすめしたい料理法は昆布締めです。ヒラメの造り身を昆布ではさみ、ラップで巻いて冷蔵庫で一日おくとできあがります。昆布のうま味がヒラメの身に染み込んでとてもおいしいくなります。昆布は道南の真昆布で平らなものがおすすめです。使った昆布は酒で洗って生臭みをとり、だしを取るほか佃煮(つくだに)にしたり関東煮に入れるなど再利用ができます。  洋風ではフライがおすすめ。5枚におろして皮を引いたヒラメの切身に塩・コショウで下味をつけて小麦粉をまぶします。溶いた卵にくぐらせ、パン粉をつけて170〜180度の油でキツネ色になるまで揚げるとできあがりです。下味をつけるときに昆布の顆粒(かりゅう)を振りかけておくことをおすすめします。こうすることで風味が一段と良くなります。レモンをしぼりタルタルソースをたっぷりとかけて食べましょう。 (11字×81行) *泉州尾崎港で水揚げされた天然活ヒラメ。味わい深いこの白身魚は昆布締めがおすすめ エッセイ いつもランラン(312) 世界の願い  いまだ戦火はやまず。2月にロシアからの軍事侵攻で始まったウクライナ戦争。当初は圧倒的な軍事力を持つ大国ロシアを前に早々に降伏するのではと思われたが、アメリカやNATOからの強力な武器支援もあり、今や互角の戦いといった様相だ。  だが一体、どれほどの犠牲を出せばこの戦いは終わるのだろうか。家も町も破壊され、電力供給もままならないウクライナ。これまでミサイル攻撃や戦闘で数え切れないくらい多くの人が亡くなっている。さらにこの厳しい寒さの下、多くの市民の命が失われるかもしれない。  ロシアとて同様だろう。市街地への爆撃などはないものの各国からの経済制裁は市民生活に影を落としているだろうし、戦場では強制的に駆り出された若者たちが命を失い続けている。  もちろん一方的に軍事侵攻に踏み切ったロシア・プーチンに非があるのは明らかだ。だがきっと彼にも暴挙に出た理由があるはずだ。ウクライナを支援する欧米は、最新兵器を供与し戦闘を続けさせるより、双方の間に立って停戦に向けての妥協点を探るべきではないのか。   一刻も早く戦闘終結を。きっと世界中の人が願っている。(ぴ) (11字×46行) #13 映画 チョコレートな人々 2022年/日本/1時間42分/ドキュメンタリー/監督:鈴木祐司/ナレーション:宮本信子/音楽:本多俊之/製作・配給:東海テレビ パンからチョコレートへ 多様な人が働く職場へ  愛知県豊橋市が発祥の地である「久遠(くおん)チョコレート」は全国展開して50以上の拠点を持ち、障害者雇用の成功例として知られている。  しかし最初からうまく行ったわけではない。代表の夏目浩次(45歳)は、地域最低賃金を上回る賃金を障害者に保証することを目的に2003年にパン屋を立ち上げたが、たちまち一千万円の借金を抱えることになる。  今では久遠チョコレートは障害のあるなしにかかわらず、心のしんどさを抱える多様な人々が生き生きと働く職場であり、こだわりの無添加高級チョコを生み出す年商16億円の店へと成長した。「大事なことはもがくこと。うまくいかなくたっていいんだ」と夏目は明解に述べている。こんなカッコいい社長はなかなかいないよ。  17年前の夏目が画面に映ると、そこには少年の面影を残した若者が自ら起業したパン屋で障害者とともに懸命に働く様子が見える。そうか、17年にわたって東海テレビは夏目を追いかけていたのか。利益の薄いパンに見切りをつけて、チョコレート製造に切り替えてからは久遠チョコはあっというまに大きくなった。チョコレートは失敗したら溶かして作り直せばいい。人生と同じじゃないか。  画面いっぱいに次々と映しだされる美味(おい)しそうでカラフルなチョコレート。2013年にトップショコラティエ(チョコレート職人)に出会って、チョコづくりを指導してもらい、心身に障害のある人々にも作業できるように工程を細かく分けることによって久遠チョコは出発する。障害者の作業所では1日働いても800円しか賃金をもらえないことがあるのに、久遠では地域最低賃金を保証することを目標にしている。始まりは障害者のためだったが、今では家庭をもつ女性やLGBTの人など、誰もが働きやすい職場になっている。  夏目はなぜ障害者雇用にこだわるのか?  その理由を語る彼の目に涙がにじむ。彼自身も臍(ほぞ)を噛(か)むような思いを抱えて生きてきたのだ。そして、久遠チョコは順風満帆だったわけではない。ハラハラドキドキの失敗物語もリアルに映し出される  「全ての人々がかっこよく輝ける社会」を作るという理想に向かってもがく夏目がいる限り、久遠チョコはまだまだ伸びるだろう。しかし、彼がいなくなったらどうなるのか。後継者は育っているのか。傑出した経営者に続く二代目は苦しい。17年後の夏目と久遠チョコを見てみたいものだ。他人事のような態度を批判する夏目の厳しさにもハッとさせられる。久遠チョコの未来のために何かをしたいという気持ちにさせられるドキュメンタリーだ。 エル・ライブラリー(大阪産業資料館) 館長 谷合佳代子 ▼公開日程/<大阪>1月2日(月)〜第七藝術劇場TEL06(6302)2073、<京都>1月6日(金)〜京都シネマTEL075(353)4723、<兵庫>1月28日(土)〜元町映画館TEL078(366)2636 (11字×110行) *「失敗したら溶かして作り直せばいい。人生と同じ」で歩み続け、誰もが働きやすい職場を実現した *(C)東海テレビ放送 #14 映画 <前ページに掲載した映画紹介記事のショートバージョン>   チョコレートな人々 ▼2022年/日本/1時間42分/ドキュメンタリー/監督:鈴木祐司/ナレーション:宮本信子/音楽:本多俊之/製作・配給:東海テレビ▼公開日程/<大阪>1月2日(月)〜、<京都>1月6日(金)〜、<兵庫>1月28日(土)〜   パンからチョコレートへ 多様な人が働く職場へ  愛知県豊橋市が発祥の地である「久遠(くおん)チョコレート」は全国に50以上の拠点を持ち、障害者雇用の成功例として知られている。  しかしこの事業は最初からうまく行ったわけではない。2003年に障害者に地域最賃を保証したいと、二十代の夏目浩次が始めたパン屋だが、一千万円の借金を抱えることになる。2014年からはチョコレート製造に転換し、そこから一気に店が大きくなった。  今では久遠チョコレートは障害のあるなしにかかわらず、多様な人々が生き生きと働く職場であり、こだわりの無添加高級チョコを生み出す年商16億円の店へと成長した。「大事なことはもがくこと。うまくいかなくたっていいんだ」と夏目。  彼はなぜ障害者雇用にこだわるのか?  その理由を語る目に涙がにじむ。彼自身も臍(ほぞ)を噛(か)むような思いを抱えて生きてきたのだ。そして、久遠チョコは順風満帆だったわけではない。ハラハラドキドキの失敗物語もリアルに映し出される  「全ての人々がかっこよく輝ける社会」を作るという理想に向かってもがく夏目と仲間たちに、他人事ではないエールを送りたい。 エル・ライブラリー 館長 谷合佳代子 (11字×45行) *「失敗したら溶かして作り直せばいい。人生と同じ」で歩み続け、誰もが働きやすい職場を実現した *(C)東海テレビ放送 情報 姫路市立美術館 藩主酒井家の刀剣  姫路市立美術館では、所蔵している刀剣コレクションを紹介する、コレクションギャラリー「鉄(くろがね)の技と美V―姫路藩主酒井家の刀剣」を開いている。  鎌倉時代、後鳥羽天皇は自ら作刀を行っていた。この伝統は武家文化に引き継がれ、姫路藩主の酒井雅楽頭(うたのかみ)家でも初代姫路藩主の酒井忠恭をはじめ大名茶人の酒井忠以など、代々作刀を行ってきた。  展覧会では酒井家ゆかりの人々が焼刃(やきば)した刀剣11口などを展示し、酒井家の作刀の伝統と匠の技を紹介する。 ▼会期/1月15日(日)まで▼会場/姫路市立美術館(JR・山陽電車「姫路」駅から神姫バスで約8分、「姫山公園南・医療センター・美術館前」下車)▼開館時間/10時〜17時(入館は閉館の30分前まで)▼休館日/月曜日(ただし1月9日は開館、翌日休館)、12月28日〜1月3日▼観覧料/無料▼TEL0792(22)2288 (11字×35行) 情報 ピースおおさか ウイークエンド・シネマ  ピースおおさかでは、所蔵する戦争や平和の映像資料を広く鑑賞してもらう機会としてウイークエンド・シネマを開いている。1月の上映作品は『コーリャ 愛のプラハ』(1996年/チェコ・イギリス・フランス合作)だ。  かつて有名な演奏家だったロウカだが、いまは生計を立てるのが精一杯だ。そんな彼が金のため、チェコ国籍が必要だというロシア人女性と偽装結婚した。しかし、彼女は5歳の男の子コーリャを残して西ドイツに亡命してしまった。そしてロウカとコーリャの偽物の父子生活が始まる。  社会主義崩壊直前のプラハを舞台に、初老のチェリストと少年の交流を描いた作品だ。 ▼上映日/1月の各土曜日、いずれも14時から▼会場/ピースおおさか講堂(大阪メトロ「森ノ宮」駅1号出口から西へ200b、JR環状線「森ノ宮」駅北出口から西へ400b)▼参加費/無料、ただし入館料(大人250円、高校生150円、中学生以下・65歳以上・障がい者の方は無料)が必要▼申込み不要(当日先着順)▼問い合わせ/ピースおおさか(大阪国際平和センター)TEL06(6947)7208 (11字×43行) #15 パズル クロスワードパズル <タテのカギ> 1 四弦で馬の尾で作った弓で奏でる楽器 2 ボート用の櫂 かい 3 カギ 4 一日おき 5 ←→師匠 6 ヒットエンド◯◯ 7 ウシ科の哺乳動物。ウィルドビースト 8 催物 9 現状より美しい状態にすること 10 車 11 倒れた木 12 布の小さな切れはし 13 思いどおりにならず残念なこと <ヨコのカギ> 1 ハリーポッターの最大の敵 7 玄米を精白する時に出る粉 9 航路や航空路などの標識 14 ◯◯、ベー、ツェー 15 物事のはじまり 16 ←→ノン 17 海豚 18 ? 19 生計 20 出る◯◯は打たれる 21 となりの人 22 床屋 23 料理用の金属製の盆 *■AからJまでの文字をならびかえると… *■答えは「ボジョレーヌーヴォー」 情報 大阪歴史博物館 大阪近郊の農業  大阪歴史博物館では特集展示「大阪近郊の農業―農具とわざの諸相―」を開いている。  大阪の周辺地域では稲や麦といった穀物をはじめ、野菜や果実、綿花や草花などの換金作物が生産されていた。これらは各地域ごとの土地の特性を踏まえ作られてきたものだ。またそれぞれの作物生産の営みに合わせて農具や農業技術も高められてきた。  特集展示では、農具や写真、地図など関連資料を展示し、近郊で営まれた農業の展開、農具の仕組みと職人の技、そしてさまざまな環境に対応する農の知恵を紹介する。大阪の地で営まれてきた農業の歴史や変遷を考える特集展示だ。 ▼会期/1月23日(月)まで▼会場/大阪歴史博物館(大阪メトロ谷町線・中央線「谷町四丁目」駅下車、9番出口前)▼開館時間/9時半〜17時(入館は閉館の30分前まで)▼休館日/火曜日と12月28日〜1月4日▼観覧料/一般600、高・大学生400円、中学生以下・大阪市内在住の65歳以上・障がい者手帳などをお持ちの方(介護者1人含む)は無料▼問い合わせ/大阪歴史博物館TEL06(6946)5728 URL http://www.mus-his.city.osaka.jp/ (11字×45行) #16 情報 シネマはやっぱりおもしろい −1月公開の映画− SHE SAID/シー・セッド その名を暴け  2017年、セクハラや性的暴行などの被害を受けながら、長年沈黙を強いられてきた女性たちが一斉に声を上げた#MeToo運動。きっかけになったのはニューヨーク・タイムズ紙のスクープだった。この作品はをこのスクープが世に出るまでを描いたものだ。  ニューヨーク・タイムズ紙の記者であるジョディとミーガンは、これまでさまざまな問題を調査報道し実績を残していた。そんな彼女たちが新たに調査に乗り出したのは、ハリウッドの大物映画プロデューサー、ハーヴェイ・ワインスタインが長年行ってきた性的暴行事件だ。これまでも何度も噂(うわさ)になっていたが、確固たる証拠や証言を得られることはなかった。  だが取材を進める中で、これまで何度も記事になりかけながらそのたびにワインスタインにもみ消されたことや、被害女性たちも示談に応じざるを得ず、沈黙していたことがわかった。そしてなにより問題なのは業界の隠蔽構造であり、性加害者を守る法のシステムだった。  調査はいくつもの壁にぶつかる。さまざまな嫌がらせに妨害。被害女性たちも恐怖で証言を拒む。それでも調査を続行するジョディとミーガンは…。  社会を動かしたジャーナリストと勇気ある女性たちの実話。それがつぶさに描かれる。報道の神髄に迫る作品だ。 ▼2022年/アメリカ/2時間9分/原作:『その名を暴け―#MeTooに火をつけたジャーナリストたちの闘い―』ジョディ・カンター、ミーガン・トゥーイー著(新潮文庫)/監督:マリア・シュラーダー/出演:キャリー・マリガン(ミーガン)、ソーイ・カザン(ジョディ)、パトリシア・クラークソン(レベッカ)/配給:東宝東和▼公開日/1月13日(金)全国公開▼上映館/<大阪>大阪ステーションシティシネマTEL050(6861)8100、他、<京都>TOHOシネマズ二条TEL050(6868)5035、他、<兵庫>kino cinema 神戸国際TEL078(230)3580(11字×75行) *(C)Universal Studios.All Rights Reserved. #17 情報 アートが好き 開催中とこれからの展覧会 嵯峨嵐山文華館×福田美術館二館共催 企画展「芭蕉と蕪村と若冲」 ▼会期/1月9日(月・祝)まで▼会場/〈第1会場〉嵯峨嵐山文華館(阪急嵐山線「嵐山駅」から徒歩約13分)、〈第2会場〉福田美術館(阪急嵐山線「嵐山駅」から徒歩約11分)▼開館時間/10時〜17時(入館は16時半まで)▼休館日/12月30日〜1月1日▼入館料/〈2館共通券〉一般・大学生2000円、高校生1000円、小・中学生550円、障がい者と介添人1人まで各1000円▼TEL075(863)0606(福田美術館) (11字×18行) *与謝野蕪村《いかだしの》自画賛 大阪中之島美術館 国立国際美術館 共同企画「すべて未知の世界へ―GUTAI 分化と統合」 ▼会期/1月9日(月・祝)まで▼会場/大阪中之島美術館・国立国際美術館(京阪中之島線「渡辺橋」駅2番出口から南西へ徒歩約5分)▼開館時間/10時〜17時、*国立国際美術館は金・土20時閉館(入場は16時半まで)▼休館日/月曜日と年末年始(会場ごとに異なる)、ただし1月2日(大阪中之島美術館のみ)と1月9日は開館▼観覧料/2館共通券2500円、〈大阪中之島美術館〉一般1400円、高・大学生1100円、〈国立国際美術館〉一般1200円、大学生700円▼問い合わせ/大阪市総合コールセンターTEL06(4301)7285、国立国際美術館TEL06(6447)4680 (11字×25行) *山崎つる子《Work》1960年 国立国際美術館蔵 企画展「郷土作家シリーズ 二つの展示」 ▼会期/1月15日(日)まで▼会場/明石市立文化博物館(JR・山陽電車「明石」駅より北へ徒歩約5分)▼開館時間/9時半〜18時半(入館は閉館の30分前まで)▼休館日/月曜日(ただし1月9日は開館)、12月29日〜1月3日▼観覧料/一般200円、高・大学生150円、中学生以下無料、65歳以上・障害者手帳などをお持ちの方(介護者含む)は当日料金の半額▼TEL078(918)5400 (11字×17行) *村上暁人《天高く》 「ルートヴィヒ美術館展 20世紀美術の軌跡―市民が創った珠玉のコレクション」 ▼会期/1月22日(日)まで▼会場/京都国立近代美術館(京都市バス「岡崎公園 美術館・平安神宮前」下車すぐ)▼開館時間/10時〜18時、金曜日は20時閉館(入館は閉館の30分前まで)▼休館日/月曜日(ただし12月26日と1月9日は開館)、12月29日〜1月3日▼観覧料/一般2000円、大学生1100円、高校生600円、中学生以下・心身に障がいのある方(付添者1人含む)無料(要証明)▼TEL075(761)4111 (11字×18行) 第19回滋賀県施設・学校合同企画展「ing… 〜障害のある人の進行形〜」 ▼会期/〈前期〉12月25日(日)まで、〈後期〉1月7日(土)〜2月5日(日)▼会場/ボーダレス・アートミュージアムNO―MA(JR「近江八幡」駅から近江鉄道バス「長命寺線」乗車、「大杉町八幡山ロープウェイ口」下車、徒歩約8分)▼開館時間/11時〜17時▼休館日/月曜日、ただし祝日の場合は翌平日▼観覧料/一般200円、高・大学生150円、中学生以下無料、障害のある方(付き添い者一人含む)無料▼TEL0748(36)5018 (11字×19行) *西麻美《四季》2022年 「アンディ・ウォーホル・キョウト」 ▼会期/2月12日(日)まで▼会場/京都市京セラ美術館・新館「東山キューブ」(京都市バス「岡崎公園 美術館・平安神宮前」下車すぐ)▼開館時間/10時〜18時(入場は閉館の30分前まで)▼休館日/月曜日(ただし祝日の場合は開館)、12月28日〜1月2日▼観覧料/一般(土日祝)2200円、一般(平日)2000円、高・大学生1400円、小・中学生800円、*予約優先制▼TEL075(771)4334(11字×18行) *アンディ・ウォーホル《キャンベル・スープT:トマト》1968年 アンディ・ウォーホル美術館蔵 (C)The Andy Warhol Foun dation for the Visual Arts,Inc./Artists Rights Society(ARS),New York #18 ミニニュース アザラシ、謎の大量死 カスピ海で2500頭  ロシア南部ダゲスタン共和国のカスピ海沿岸で、アザラシが大量に死んでいるのが見つかり「謎の死」として騒ぎになっている。  地元メディアなどによると、死んだアザラシは12月3日に700頭だったものが、4日には2500頭まで増加した。大量死は近年伝えられているものの、今回は過去10年間で最多という。  11月には対岸に位置するカザフスタン西部マンギスタウ州でも140頭以上が死んでいるのが確認されている。種はいずれもカスピカイアザラシで、ロシアでは絶滅危惧種に指定されている。  長年の乱獲や環境汚染で生息数が減少したと指摘される中、ダゲスタン共和国の自然保護担当者は現地調査を踏まえて「内臓からは重金属や農薬などの中毒をうかがわせるものはなかった」と報告。今回の大量死は「自然の原因」がもたらしたと推定している。 (11字×33行) ISSドッキング中の 宇宙船から物質漏洩  アメリカ航空宇宙局(NASA)によると、国際宇宙ステーション(ISS)にドッキング中のロシアの宇宙船「ソユーズMS―22」から冷却材とみられる物質の漏洩(ろうえい)が確認された。ISSでは2022年12月15日11時20分(日本時間)からロシア区画で船外活動が行われる予定だったが中止された。  NASAによると、ISSの状態は良好で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の若田光一宇宙飛行士をはじめ第68次長期滞在クルー7人も無事だという。  ロスコスモスのセルゲイ・プロコピエフ宇宙飛行士とドミトリー・ペテリン宇宙飛行士、NASAのフランク・ルビオ宇宙飛行士の3人を乗せたソユーズMS―22は、2022年9月21日にバイコヌール宇宙基地から打ち上げられ、9月22日からISSにドッキングしている。 (11字×32行) 脅威の雑草拡大で 対応に苦慮の沖縄  つる性植物で特定外来生物のツルヒヨドリ(キク科)が沖縄県金武町や恩納村、宜野座村、名護市内の5地域などで白い花を咲かせているのが12月15日までに確認された。ツルヒヨドリは「世界の侵略的外来生物ワースト100」にも挙げられ、つるが1日に約10センチ伸びるとされている。  11月21日には名護市我部や饒平名の畑地周辺、山裾の群生地に両区長らが除草剤を散布した。昨年よりも範囲を広げて群生しており、対応に苦慮している。  5年前から開花期に除草剤散布している我部区の眞喜志克也区長は「畑近くでは地主の理解と協力がなければ散布はできない。年々広がっており、どう対策すればいいのか」とお手上げ状態だ。饒平名区も悲鳴を上げている。大城將計区長は「パイン畑やサトウキビ畑の近くでは散布はできない」と頭を悩ませている。  ツルヒヨドリは落花し結実すると、綿毛に付く種が風で広範囲に飛んで広がる。開花して範囲が確認できる今の時季に対策を講じなければ、来シーズンは範囲が今以上に広がる可能性が高い。 (11字×41行) お知らせ ログインにはユーザー名とパスワードを  機関紙編集者クラブの公式ホームページ「機関紙@編集者クラブ」をご活用いただき、ありがとうございます。  毎月本紙「編集サービス」発行から2〜3日後に更新しているこのホームページですが、会員向けのメンバーページへアクセスするためには、ユーザー名とパスワードを入力するログインが必要となっています。またパスワードは毎月1日を基準として1カ月ごとに変更しています。なお、ユーザー名およびパスワードにつきましては別表をご確認下さい。  会員の皆様にはお手数をおかけすることになりますが、セキュリティーの強化のため、ご協力いただきますようにお願いします。  なお、記事や写真のダウンロードなどメンバーページの利用方法は従来通りですので、会員皆様の機関紙作成にご活用ください。 ホームページ URL http://www.club2010.sakura.ne.jp メンバーページ ログイン  <ユーザー名>  club  <パスワード>  36337emx(12月末日まで)  8uf1kxpn(1月1日より) #19 データウォッチング 漢字を書かない、書けない PC、スマホの影響大きく  文化庁が、「国語に関する世論調査」でPCやスマホなど情報機器の普及で受ける影響を聞いたところ、「手で字を書くことが減る」「漢字を正確に書く力が衰える」といった答えが多かった。 反面、文字表現のハードルが下がり、「気楽に文章を作成するようになった」という肯定的な回答も。  ただじっくり文字を読む機会が減っているのは事実。日本語がやせていくという危機感は拭いきれないだろう。 (11字×18行) *2022年10月14日 朝日新聞