20世紀前半、藤田嗣治と国吉康雄の二人の画家はそれぞれパリとニューヨークで成功し、名を馳せました。両者がともにパリに滞在していた1925年から今年で100年目になることを機に、特別展「藤田嗣治×国吉康雄:二人のパラレル・キャリア―百年目の再開」が兵庫県立美術館で開かれています。 1886年生まれの藤田は1913年にフランスに渡り、乳白色の下地が称賛され、エコール・ド・パリの寵児(ちょうじ)となりました。一方、藤田より3歳年下の国吉は16歳で労働移民として渡米。ニューヨークでアートを学んだのを契機に米国で画家への道を歩みます。ともに海外で高い評価を得た二人は、1925年と28年の国吉の渡仏、1930年と49年の藤田の渡米と接点がありながらも平行したキャリアを送りました。 展覧会では二人の巨匠の作品を対比させながら9章に分けて時系列に紹介。手紙や資料も用いて同時代に海外で活躍した二人の芸術家の軌跡を描き出しています。 藤田・国吉の二人に焦点を当てた展覧会は国内外で初めての試みです。巡回はなく、兵庫県立美術館のみでの開催となります。
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