日本刀の1000年の歴史と現在の刀匠の活躍を見る特別展、「全日本刀匠会50周年記念 日本刀1000年の軌跡」が大阪歴史博物館で開かれている。 刀そのものの歴史は相当古い。この特別展のプロローグでも古墳時代の直刀が展示されている。それが完成された日本刀となったのが平安時代、鎬造(しのぎづく)りで反(そ)りのある姿となった。展示された草創期を代表する刀工、安綱の作品の美しい姿に、それ以前の刀との違いがはっきりと見て取れる。 それから1000年、戦後の一時期を除き、日本刀は製作され続けてきた。平安、鎌倉から室町、江戸へと時代に沿うように形を変え、そして現在へ。その流れを追うように展示は進む。 目を引くのは戦後、連合国占領軍によって刀剣の製作が禁止された時期だ。刀匠たちは困難を極め、廃業するものも多かったという。そんな中、後に人間国宝になった月山貞光は技術維持のため包丁製作を手がけた。その信念を体現した包丁も展示されている。 美術品として高い価値を持つようになった刀剣、中には重要文化財も。そして現在の刀匠たちが生み出した数々の新作刀も並び、日本刀の魅力を伝えている。 日本刀の軌跡と今、そして未来を見つめる展覧会だ。
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