アメリカ・ボストン近郊にあるウスター美術館は1898年の開館当初から印象派の作品を収集してきました。大阪のあべのハルカス美術館で開催中の「印象派 モネからアメリカへ ウスター美術館所蔵」では、同館が所蔵するモネやルノワールなどのフランスの作品をはじめ、ドイツや北欧、さらにアメリカなど海外へと広まっていった印象派の作品が並んでいます。 今回来日したウスター美術館所蔵の作品はほとんどが日本初公開で、特にハッサムなど、これまで日本で紹介される機会が少なかったアメリカの印象派作家の作品が多数展示されています。 欧州に渡って印象派を学んだ画家たちがこの新しい様式をアメリカで広めていきましたが、画家それぞれのアレンジや地域や時代による相違などアメリカにおける印象派の多様な展開を作品から見て取ることができます。 また、国内の美術館が所蔵する明治・大正期の日本人画家の作品も展示されており、日本における印象派の受容についても考察されています。フランスで始まった印象派が、海を越えて広がり、影響を与えていった様相が見えてくる構成となっています。
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