2025年 編集サービス 7.20 #2 労働 2025 最低賃金引き上げの取り組み 暮らし守る、最低賃金底上げ 連合大阪総合政策・ジェンダー平等推進・中小支援グループ 副事務局長 澤谷誓之  2025春季生活闘争では、「賃上げがあたりまえの社会」をめざす運動を展開し、大阪版政労使会議では、賃金引上げと労務費の適正な価格転嫁の重要性を再確認した。そして、物価高騰が続く中、世論も賃上げを強く支持し、労使交渉の結果は前年を大きく上回る結果となった。  この賃上げの流れをすべての働く者に広げ、社会全体の底上げを図るためには、地域別最低賃金の引き上げが極めて重要である。  連合と地方連合会は、最低賃金審議会に委員を選出し「生活できる水準」の最低賃金実現に向けて、すべての働く者のセーフティネットの改善に向けた運動を強化している。 最低賃金の動向  2024年は、依然続く物価上昇の中、中央最低賃金審議会はA〜Cランクすべてで50円と、過去最大の引き上げ目安額を示した。  大阪地方最低賃金審議会でも、生活実態や物価上昇の影響を踏まえた議論のもと50円の引き上げとなり、大阪府の地域別最低賃金は1114円(2024年10月1日から適用)と2023年以上の大幅な引き上げとなった。  一方で、地域間格差の是正は、2024年においても、最高額と最低額の差が212円と依然として大きく、格差是正には引き続きの取り組みが必要である。  政府が6月に閣議決定した「骨太の方針2025」には「2020年代半ばまでに全国加重平均1500円をめざす」と明記され、最低賃金の引き上げは、生活支援と経済成長の両面で重要な政策と位置づけられている。 特定(産業別) 最低賃金の課題  特定(産業別)最低賃金(以下、特定最賃)は、労働条件の向上や公正な競争環境の確保に資する制度だ。産業間の人材獲得競争が激化する中、その意義は一層高まっている。特定最賃の実効性を高めるためには、企業内最低賃金協定の締結に向けた取り組みの強化が不可欠である。2025年春季生活闘争でも、企業内最低賃金協定の新規締結や金額引き上げを積極的に取り組んできた。  企業内最低賃金協定をより高い水準で締結することは、特定最賃額の引き上げにつながるだけでなく、地域産業で働く未組織労働者の労働条件改善にも波及する。それを強く意識し、主体的に運動を展開していくことが重要である。 最賃引上げに向けた 連合大阪の取り組み  連合大阪は、労働者を代表する団体として、大阪地方最低賃金審議会に労働者側委員6人を選出し、毎年の最低賃金額の審議に参画している。最低賃金はすべての働く人々の生活を支える基盤であり、労働者の声を反映させることは社会的公正の確保に不可欠だ。  この制度の意義を広く社会に浸透させるため、連合大阪は「最低賃金引き上げアピール決起集会とデモ行進」を実施する。また、地域・地区協議会では、最低賃金審議が行われる7月下旬から8月上旬にかけて、地域の主要ターミナルでの街頭行動などを通じて最低賃金引き上げの必要性を訴え、世論喚起に努める。これらの活動は、最低賃金の引き上げを単なる数字の改定にとどめず、社会的理解と支持を得ながら進めるための重要な取り組みである。  連合大阪は今後も、労働者の生活と権利を守る責任ある立場から、最低賃金制度のさらなる充実と、すべての働く者が安心して暮らせる社会の実現に向けて、社会全体で取り組みを進めていくことが必要だと考えている。 2025年の 審議に向けて  日本経済は物価高騰や国際情勢の影響で厳しい状況が続いている。毎月勤労統計調査の5月速報値でも、実質賃金は前年同月比マイナス2・9%だ。こうした中、最低賃金の引き上げは、生活の安定を支えるセーフティネットとしての役割に加え、消費の活性化を通じて経済の好循環を促す重要な政策である。  最低賃金法第1条には、「賃金の低廉な労働者について、賃金の最低額を保証することにより、労働条件の改善を図り、もって、労働者の生活の安定、労働者の質的向上及び事業の公正な競争の確保に資するとともに、国民経済の健全な発展に寄与することを目的とする」と明記されており、最低賃金は、労働の対価としてふさわしいナショナルミニマム水準でなければならない。  大阪府の最低賃金は昨年10月に1114円へと引き上げられ、全国平均を上回る水準となった。だが、年間2000時間働いても約223万円にしかならず、生活費や教育費、住宅費を考慮すれば、依然として十分とは言えない。現行水準では安定した生活は困難であり、働く者の尊厳と暮らしを守ることはできない。  2025年の最低賃金審議では、生活実態を正面から捉え、最低賃金のさらなる引き上げを確実に実現することが求められる。すべての働く者、事業者、そして社会を構成する一人ひとりがこの課題に向き合い、最低賃金の引き上げを通じて、誰もが安心して暮らせる社会の実現に向けて、力を合わせて取り組んでいこう。 (11字×179行) ミニ情報 地元が生んだおいしい味・郷土料理 <高知県・田舎ずし>  “田舎ずし”とは高知の山間地帯に伝わる料理で、ネタに魚を使わないにぎり寿司のこと。使うネタは、山菜やタケノコ、ミョウガやこんにゃくといった地元の山の幸だ。そのネタは、赤や緑、黒に白と色とりどりで見た目にも楽しい。また高知県の郷土料理らしく酢飯には柚酢が使われている。冠婚葬祭や祭り、そして行楽弁当として食べられてきた。かつて新鮮な魚が手に入りにくかった山間地方で産み出された寿司だが、1986年の「全国ふるさとおにぎり百選」で入選。これがきっかけで話題となり知名度が上がった。今では、趣向を凝らしたオリジナル田舎ずしを手作りする家庭も増えているとか。 #3 ボランティアインフォメーション  各種の団体やイベントでは、広くボランティアを募集している。単発のボランティア(1回だけの活動)や初心者、親子参加を歓迎するものも多い。興味のある活動、分野に参加し、新しい世界にチャレンジしよう。 *掲載している情報はKVネット(https://www.kvnet.jp)から転載したものです。 ▼内容の詳細、相談、参加希望などは、それぞれの活動の「問い合わせ先」に直接連絡を。 ●箕面まつりのボランティアスタッフ募集  「箕面まつり」は40回を数える市民まつりです。ステージイベントや出店が行われる会場のごみステーションで、来場者にごみの分別案内をしてください。個人、家族、グループ、会社での参加をお待ちしています。 ▼日時/10月4日(土)・5日(日)、時間はいずれも13時〜20時、※時間応相談、少雨決行、荒天中止▼場所/箕面まつり・芦原公園ときめき広場(阪急箕面線「箕面」駅から徒歩10分)▼費用/無料▼募集対象・人数/高校生以上で箕面まつりやボランティア活動に興味のある方、モラルを守れる方▼参加条件/屋外で作業ができる人、高校生以上▼申込締切/8月23日▼申込方法/次のURLから申し込む。https://www.minohmatsuri.net/join/#join1▼問い合わせ/箕面まつり推進協議会、担当・浜松TEL072(724)9201、FAX072(724)9203、Eメール:info@minohmatsuri.net X:https://x.com/minohmatsuri ●毎月第1日曜にまち美化活動をしませんか?  寂れてきた商店街の活気をもう一度復活させたいと、地域住民型参加イベントとして「堀川地域の美化活動(ごみ拾い)」を立ち上げました。今では地域内外から参加がありますが、まだまだ少ないのが現状です。ぜひ一緒に活動しましょう。 ▼日時/毎月第1日曜日、9時〜▼場所/大阪市北区堀川地域(大阪メトロ「南森町」駅・JR東西線「大阪天満宮」駅3号出口すぐ)▼費用/100円(活動維持費・保険加入料)▼募集対象・人数/誰でも、何人でもOK▼申込締切/各活動日の前日まで▼申込方法/次の問い合わせ先に連絡▼問い合わせ/特定非営利活動法人日本ボランティア研究会Entie、担当・堀井、澤江TEL・FAX06(7172)2005、メール: entie@outlook.jp LINE: @jpi9431x URL:http://entie.org/ ●和歌山の子どもたちへクリスマスの思い出を  NPO法人チャリティーサンタでは、クリスマスイブの夜にサンタクロースに扮したボランティアが家庭を訪問し、子どもたちにプレゼントと夢を届ける活動をしています。今回は通年で活動する運営ボランティアを募集。また10月末から、クリスマスイブ当日ボランティアを募集する予定です。子どもたちの笑顔と未来のために活動してみませんか。 ▼運営スタッフの活動内容/クリスマスイブに向けての広報宣伝、イブ当日ボランティア向け研修などの企画・運営、その他の事前準備や事後処理など。また全国の支部や運営ボランティアとの交流も。活動は、メンバーのライフスタイルに合わせて日時や形式(対面・オンライン)の調整可能▼日時/毎月1〜2回のミーティングとクリスマスイブの活動▼場所/和歌山県NPOサポートセンター、*対面での活動場所(JR阪和線「和歌山」駅から徒歩15分、県民交流プラザ和歌山ビッグ愛9階)▼費用/交通費と諸費用は自己負担、ボランティア活動保険への加入は各自で▼募集人数/10人程度▼参加条件/18歳以上(高校生は原則対象外)▼申込締切/8月31日▼申込方法/問い合わせ先のメールに連絡を▼問い合わせ/認定NPO法人チャリティーサンタ和歌山支部、担当・清水康正、Eメール:wakayama@vol.charity-santa.com URL:https://www.charity-santa.com/ <情報提供/大阪ボランティア協会TEL06(6809)4901> (11字×135行) #4 労働ニュース 労使関係安定の認識 労使の間で差が拡大  厚生労働省は6月24日、令和6年労使コミュニケーション調査の結果を公表した。調査は、労使間の意思の疎通を図るためにとられている方法やその運用状況、事業所側・労働者の意識などについて調べており、5年ごとに行われている。  事業所調査では「労使関係の認識」について「安定的」と認識している事業所は86・2%(前回調査81・9%)だった。「労使コミュニケーションを重視する内容」では「日常業務改善」が76・1%(同75・3%)で最も多く、「作業環境改善」が71・7%(同72・9%)、「職場の人間関係」が68・6%(同69・5%)と続いた。  労働者調査では、労使関係に認識について、労使コミュニケーションが「良い」と認識している労働者は55・8%(同60・5%)。「労使コミュニケーションを重視する内容」では「職場の人間関係」が66・0%(同66・2%)で最も多く、「日常業務改善」が59・0%(同57・7%)、「作業環境改善」が52・5%(同52・0%)と続いた。  「労使協議機関及び職場懇談会の有無並びに成果の有無」では、労使協議機関が「ある」事業所は36・4%(同37・1%)で、このうち前年1年間に「成果があった」事業所は59・3%(同60・7%)だった。また、職場懇談会が「ある」事業所は49・9%(同52・7%)で、このうち前年1年間に職場懇談会が「開催された」事業所は86・6%(同91・7%)だった。職場懇談会が「開催された」事業所のうち「成果があった」事業所は78・0%(同79・0%)だった。 (11字×58行) 障害者雇用の相談数 前年比78・8%増加  厚生労働省は6月25日、「雇用の分野における障害者の差別禁止・合理的配慮の提供義務に係る相談等実績(令和6年度)」を公表した。  令和6年度にハローワークに寄せられた障害者差別および合理的配慮の提供に関する相談は438件で、前年度に比べて78・8%増加した。相談のうち障害者差別に関する相談は98件、合理的配慮の提供に関する相談は340件だった。  障害者差別に関する相談内容として「募集・採用時(28・2%)」が最も多く、「配置(14・6%)」「解雇(14・6%)」と続いた。また、合理的配慮の提供に関する相談内容として、「上司・同僚の障害理解に関するもの(27.4%)」が最も多く、「相談体制の整備、コミュニケーションに関するもの(15・7%)」「業務内容・業務量に関するもの(13・2%)」が続いた。  相談後の状況は「ハローワークにおいて確認後、助言等を実施(法違反は確認されず)(47・9%)」「相談のみで終了(43・4%)」が多く、「ハローワークにおいて確認後、助言等を実施(法違反を確認」は3・2%だった。 (11字×41行) 障害者の就職件数が 過去最高に  厚生労働省は6月25日、「令和6年度ハローワークを通じた障害者の職業紹介状況」を公表した。新規求職申込件数は26万8107件(対前年度比7・5%増)、就職件数は11万5609件(対前年度比4・4%増)となり、ともに過去最高だった令和5年度実績を上回った。  障害種別の就職件数では、身体障害者が2万2704件(対前年度比208件減/0・9%減)、知的障害者が2万2449件(同248件増/1・1%増)、精神障害者が6万5518件(4920件増/8・1%増)、その他の障害者(障害者手帳を持たない発達障害者や難病患者・高次脳機能障害者など)が4938件(107件減/2・1%減)だった。  ハローワークに届け出のあった障害者の解雇者数は9312人(前年度比2407人増)となり、解雇者数が過去最高だった平成13年度実績(4017人)を上回った。 (11字×34行) 7割の企業で初任給 5%超の引上げ  産労総合研究所は7月7日、2025年度決定初任給調査の結果を公表した。会員企業を対象に調査を行い336社からの回答を集計した。  2025年4月入社者の初任給を「引き上げた」企業は72・0%で、調査開始以来2番目に高い割合となった(前年75・6%)。「据え置いた」は23・8%、「引き下げた」は、前回に引き続き0だった。引き上げた理由(複数回答)は、「人材を確保するため」が71・1%で最も多く、「在籍者のベースアップがあったため(48・3%)」が続いた。  学歴別では大学卒が23万9280円(前年比5%増)、高校卒が19万8173円(同5・37%増)だった。  新入社員に「何らかの夏季賞与を支給する」企業は81・8%(前年77・5%)で、前年より上昇。支給方法は「一定額(寸志等)を支給」が最多の67・6%だった。 (11字×66行) #5 労働安全衛生 数える労働安全衛生(203) 94%が濃度測定未実施 酸欠事故の原因  空気中で酸素の占める割合は5分の1というのはよく知られている。正確にいえば酸素の割合は21%で他の78%は窒素が占め、残る1%が二酸化炭素などだ。  人間など生物の生命は、この酸素によって支えられている。欠乏した状態に置かれると活動は停止して死に至る。登山家が特別なトレーニングで低酸素状態に耐える場合があるといっても、限界は16%と言われている。労働現場の規制としては18%未満を酸素欠乏とし、その状態での作業を禁止している。  酸素濃度が低い空気を1回吸い込んだだけで死亡する災害事例もあり、酸素欠乏が予想される作業場所での対策は極めて重要だ。  タンクや倉庫内というような閉鎖的空間や屋外であっても空気が滞留する場所などで、扱う物質が酸素と結びつき消費するような場所は酸素欠乏の危険が予想される。  例えば長期間閉鎖されていてさびによる酸化が進んでいたり、青果などの呼吸作用で酸素消費が進む倉庫内、発酵や有機物の腐敗や微生物の呼吸も酸素を消費する。  酸素欠乏症の発生原因について厚生労働省の調べでは、最も多いのは「酸素濃度測定未実施」で94%だという。酸素欠乏が生じる作業場所を予想できず、そのために濃度測定という必須の手順を怠り人の命が奪われてしまう。  いつもは意識せず、あるのが当然の空気中の酸素、ひとたび失われたら即座に生命に関わることになる。酸素欠乏症防止対策が重要な所以(ゆえん)だ。 連合大阪労働安全衛生センター 参与 西野方庸 (10字×65行) 情報 大阪歴史博物館「正倉院THESHOW」 正倉院の新たな魅力  展示室の壁面を覆う巨大なスクリーン。そこに映し出されるのは、正倉院をめぐる物語たちだ。見るものを圧倒する美しい映像に包み込まれて、つい自分がどこにいるのかわからなくなる。  大阪歴史博物館で開かれている「正倉院 THE SHOW―感じる。いま、ここにある奇跡―」は、最新のデジタル技術を駆使した映像を中心に、新しいアプローチで正倉院を紹介するものだ。  見どころはなんと言っても高精細な3Dデジタルデータによって映し出された宝物の細部。肉眼では捉えられない緻密な技巧の数々が目の前に現れ、また音楽や照明とも相まって観客を魅了する。  同じ空間に展示されている再現模造も見事だ。当時の素材や技法を研究し、宝物本来の姿を再現したこれらを、映像とともに鑑賞する体験は新鮮というほかない。  香りを体験するコーナーもある。足利義満や織田信長といった時の天下人が所望したという香木「蘭奢待(らんじゃたい)」。この香木の脱落片の成分を科学的に分析し、香りを忠実に再現、展示している。  他にも、ファッションや陶芸など、現代アーティストが正倉院からインスピレーションを受け、作り出した新作も並ぶ。  「愛」「美」「紡ぐ」の三つの視点で展開する正倉院1300年の奇跡。ぜひ体験したい。 ▼会期/8月24日(日)まで▼会場/大阪歴史博物館(大阪メトロ谷町線・中央線「谷町四丁目」駅下車、2・9番出口)▼開館時間/9時半〜17時(入館は16時半まで)▼休館日/火曜日、ただし8月12日は開館▼観覧料/一般2000円、高・大学生1500円、小・中学生1000円、障がい者手帳などをお持ちの方(介護者1人含む)は無料(要証明証)▼問い合わせ/なにわコールTEL06(4301)7285 (11字×66行) *宝物美の世界を描きだす映像が巨大スクリーンに次々と現れ、観客を魅了する #6 コラム ニュースな暮らし(74) 備蓄米放出は 米穀通帳なき配給か  随意契約による備蓄米の放出を見ていると、国がコメの配給制を再開したのかと思ってしまう。  主食のコメなどの価格や供給を政府が管理する食糧管理法が、米穀不足になった戦時中の1942年から始まった。政府が農家からコメを買い上げ配給制になった。  子どもの頃住んでいた社宅から、歩いて5分ほどの場所に米穀店があった。小学生の時にお使いで何度も通った。布の米袋を持って出かける時に、母か祖母から必ず「米穀通帳は持っちょるね」と声を掛けられた。戦後も米穀不足は続き配給制のままで、米穀通帳が無いとコメが買えなかった。通帳は1世帯1冊で、家族の年齢に応じてひと月当たりの配給量などが書かれていた。  米屋に着くと店主のおじさんに「3升(4・5`)ください」と言って通帳と米袋を渡した。木の升で玄米を測り精米機に入れると、うるさい音がして袋に白米が詰められた。米粒が残らないように機械の胴体部をトントンと叩(たた)いてくれた。帰りには「コメは落としても通帳はなくさんごとね」といつも言われた。通帳は再発行されない決め事だった。通帳は82年に廃止となったが、69年に自主流通米がスタートしたため暮らしの中から徐々に消えていた。  米穀通帳はコメを公平に流通させる制度でもあった。供給不足が原因の令和の米騒動。政府の「米びつ」にあった備蓄米の放出は、購入をチェックする米穀通帳がないので「配給」が不公平になる。「スピード感」を強調する小泉コメ大臣は、安いコメの販売映像が全国に公平に流れれば、参院選対策として俵が票になるとの思惑だろう。 浜床たかし (11字×61行) 労働コラム 労基法でよもやま話(52) 熱中症対策が6月から義務に 《質問》衛生管理者について教えて下さい。 《回答》職場において労働者の健康障害を防止するため、常時50人以上の労働者を使用する事業者は、その事業場専属の衛生管理者を選任しなければなりません。ただし、2人以上の衛生管理者を選任する場合で、衛生管理者の中に労働衛生コンサルタントがいるときは、労働衛生コンサルタントのうち一人については専属でなくても差し支えありません。(後略)(厚生労働省サイト「安全衛生に関するQ&A」)  暑さで赤い顔をしながら出勤してきた館長が「なんか気分悪い」と。しばらく休んだら回復しましたが初期の熱中症だと思われます。今年は7月に入って連日猛暑日が続き各地で熱中症アラートが発出されています。欧州でも猛烈な熱波のために死亡者もでているようです。  近年続く気温の上昇に伴う熱中症の多発を受けて、職場における熱中症対策の強化について労働安全衛生規則が改正されました(令和7年6月1日施行)。これにより、事業者に熱中症対策が義務付けられました。  ところで、常時50人以上の労働者を使用する事業場では、事業場の職種に応じた専属の衛生管理者を選任することが義務付けられています。衛生管理者は作業環境の改善や安全衛生器具の点検、健康に異常にある人の発見・措置など、労働者の安全衛生に関して多岐にわたって管理します。  しかし、50人未満の事業所では衛生管理者の選任は必要ありません。10〜50人未満は安全衛生推進者か衛生推進者の選任が義務となり、さらに10人未満だといずれも置かれません。  熱中症対策が義務になっても小さい事業所だと安全衛生の専門の知識を持った人やそれに責任を持つ人がいないので、より意識して対応していかなくてはいけないのではないかと思います。  なお、熱中症対策が義務付けられているのは「WBGT(暑さ指数)28度以上または気温31度以上の環境」で「連続1時間以上または1日4時間以上の実施が見込まれる」作業となります。 大阪産業労働資料館エル・ライブラリー 千本沢子 (11字×79行) #7 社会 介護保険歩みとこれから(4) 訪問介護崩壊の危機  「老い」は緩やかにやってきます。いわゆる健康寿命と寿命との間(男性8・7年、女性12年)を、多くの人は介護保険を活用しながら暮らします。それを支えるのが訪問介護サービスです。  2024年の「国民生活基礎調査」では、65歳以上の高齢者がいる世帯のうち「単独世帯」は、3世帯に1の割合。高齢者の1人暮らしは今後も増え、在宅の介護サービスなどの需要は急速に拡大していくと思われます。  介護保険導入時、訪問介護サービスは「身体介護(4020円)、家事(生活)援助(1530円)、複合型(2700円)」と3本立てでしたが、一本化すべきとの声を受け、2009年に「身体介護(4020円)と生活援助(2200円程度)」の2本立てになりました。しかし金額差は埋まっていません。  生活援助サービスは、炊事・洗濯・掃除が中心で、介護報酬は当初から低く抑えられてきました。時間も、2012年から1回 60分が45分に短縮され、今では20分以上45分以内など細分化されています。生活援助こそが自立した生活を送るための支援であるのに、これでは要介護者の不安感を増幅させ、介護労働者とのコミュニケーション不足をもたらします。  2025年5月の全職種平均の有効求人倍率は1・24倍ですが、介護職員は3・41倍、訪問ヘルパーは14・14倍(2023年度)。訪問介護の現場では、60歳以上のヘルパーが26%を占めます。  2024年4月の介護報酬改定では訪問介護の基本報酬だけが2%強減額されました。そのため訪問介護事業所の廃業・倒産が相次いでいます。今では訪問介護事業所がゼロの自治体が109、1のみが268と全市区町村の5分の1以上です。これらの市町村では、訪問介護の希望に対応できなかったり、近隣市町村の協力のもと回数を減らして対応したりしています。まさに「保険あって介護なし」の状況です。 高齢社会をよくする女性の会・大阪 代表 植本眞砂子 (11字×73行) 情報 大阪中之島美術館「日本美術の鉱脈展」 「未来の国宝」がここに  近年の日本美術ブームを牽引(けんいん)してきた江戸時代の画家、伊藤若冲。だが、彼が一般的に知られW若冲ブームWにまでなったきっかけは、2000年に京都国立博物館で開かれた展覧会だ。それまでは「知られざる鉱脈」の一人だった。  大阪中之島美術館で開かれている「日本美術の鉱脈展 未来の国宝を探せ!」は、そんな「知られざる鉱脈」に焦点をあてた展覧会だ。  観客をまず迎えるのは若冲をはじめ、岩佐又兵衛や長沢芦雪といった「奇想の画家」たちだ。それらの作品に圧倒されるのはもちろん、昨年発見された円山応挙、伊藤若冲合作の「竹鶏図・梅鯉図屏風」に目を見張ることになる。  続く展示はなじみの薄い室町水墨画。グラフィカルなセンスが光る霊彩や式部輝忠の作品が並ぶ。そして同時代に流行した素朴絵や、破天荒と評される白隠慧鶴の作品も。他にも歴史画や風俗を描いた作品、超絶技巧による工芸など、心引かれる作品が目白押しだ。  最後の章「縄文の造形、そして現代美術へ」では、なんともユニークな縄文土器と、その造形美に影響を受けた現代アーティストの作品が並び、アートの未来への可能性を感じさせる。  見た途端ドキッとする、心に突き刺さる、そんな自分にとっての国宝を見つけることになる展覧会でもある。 ▼会期/8月31日(日)まで▼会場/大阪中之島美術館(京阪中之島線「渡辺橋」駅2番出口から南西へ徒歩約5分)▼開場時間/10時〜17時(入場は16時半まで)▼休館日/月曜日と7月22日、ただし7月21日と8月11日は開館▼観覧料/一般1800円、高・大学生1500円、小・中学生500円▼問い合わせ/大阪市総合コールセンターTEL06(4301)7285 (11字×66行) *不染 鉄は富士山を挟み、太平洋と日本海を描いた。《山海図絵(伊豆の追憶)》 1925(大正14)年 紙本着色 公益財団法人 木下美術館 #8 労働運動史 大阪の労働争議アレコレ(4) 大正の米騒動A-米屋襲撃  大阪で米騒動が爆発したのは、1918年8月11日でした。この日は天王寺公会堂(現在の天王寺動物園の南東部にありました)で、野党の立憲国民党が主催する「米価調節市民大会」が19時から開かれることになっていましたが、すでに16時頃から会場周辺は殺気だっていました。  警察もこの大会開催に厳重な警戒態勢を敷いていました。会場周辺の米屋には「売り惜しみ」を厳禁するとともに、店先の米屋の看板を撤去させるなどしたのです。  しかし、この警戒態勢にも関わらず、会場に入れなかった市民や、天王寺公会堂から南西にあたる今宮町釜ヶ崎の住民は、19時から釜ヶ崎の住吉街道(阪堺線のすぐ西に現存)で米屋を襲撃しはじめました。  当時の釜ヶ崎の住民の多くは日雇い仕事で日銭を稼ぐ貧しい暮らしでした。米をまとめて買うことなどできず、その日に必要なだけの米を行商人から買う毎日を送っていました。しかし、米価高騰によって行商人が休業を余儀なくされたため、釜ヶ崎の住民は米を買うことができなくなったのです。そこで町内の米屋に行ったところ、なじみの客ではないからと米を売ってもらえず、住民の怒りは頂点に達していたのです。  市民や住民は町内最大の米屋に押しかけて、1升25銭(1918年はじめの価格)での安売りを要求しました。しかし「米がない」とこれを断られたことで市民や住民は暴徒化。あちこちの米屋で安売りを要求して、応じた店からは米を持ち去り、拒否された店に対しては、店頭を打ち壊したのです。  大会に参加した人びとの一部もこの動きに同調して暴徒化し、11日の夜だけで、難波警察署管内の米屋412件中25件が襲撃されています。  12日になると、安売りを約束した米屋に早朝から群衆が押しかけ、今宮町も外米30石を1升20銭で売り出すなど極力対応に努めました。しかし、「1升25銭では商売が成り立たない」と、米屋は安売りに消極的立場をとっていました。そのような米屋への群衆の怒りは大阪全市にひろがっていきます。 エル・ライブラリー特別研究員 黒川伊織 (11字×80行) 情報 大阪市立美術館で特別展「ゴッホ展」 画才を信じ引き継いで  この秋から再来年冬まで2期に分け、神戸、福島、東京で巡回開催する「大ゴッホ展」が予告されている。それに先立ち開かれているのが、大阪市立美術館の特別展「ゴッホ展 家族がつないだ画家の夢」だ。こちらも東京、愛知へ巡回する。  精神的、経済的にゴッホの画業を支えたのは4歳下の弟テオと彼の妻ヨー(ヨハンナ)だ。だがテオとヨーが結婚して15カ月後にゴッホは自殺。その時、彼らの息子、フィンセント・ウィレムはまだ1歳になっていなかった。さらにその半年後にはテオもゴッホの後を追うように病没している。  展覧会は、ゴッホの画才を信じ、彼を世に知らしめたこの「家族」に焦点をあてている。そしてゴッホの甥(おい)、フィンセント・ウィレムの尽力によって開館したファン・ゴッホ美術館の所蔵作品を中心にゴッホ作品30点以上を展示。さらにゴッホの貴重な手紙4通が日本で初めて公開される。  第2章「フィンセントとテオ、ファン・ゴッホ兄弟のコレクション」では、同世代の画家たちの作品や浮世絵、英仏の雑誌挿絵などを展示。その多彩な展示からゴッホがどんな環境下で自らの芸術を育て上げたかが伺えて、興味深い。また、最終部の映像展示「イマーシブ・コーナー」では、没入感が味わえる。 ▼会期/8月31日まで▼会場/大阪市立美術館(JR・大阪メトロ「天王寺」駅下車、天王寺公園内)▼開館時間/9時半〜17時、土曜日は19時閉場(入館は閉館の30分前まで)▼休館日/月曜日と7月22日、ただし7月21日、8月11日、8月12日は開館▼観覧料/一般2200円、高・大学生1300円、小・中学生500円、*土・日・祝は日時予約優先制▼TEL06(4301)7285(大阪市総合コールセンターなにわコール) (11字×65行) *フィンセント・ファン・ゴッホ 《羊毛を刈る人(ミレーによる)》1889年9月 ファン・ゴッホ美術館、アムステルダム(フィンセント・ファン・ゴッホ財団)Van Gogh Museum,Amsterdam (Vincent van Gogh Foundation) #9 健康 こころとからだの健康づくり(303) 速歩を続けると さまざまな効果が  速歩の基準となるのは、ややきついと感じる自覚的運動強度と目標心拍数(60%)で、これは辛うじて話ができるペースです。この速歩を3分とゆっくり歩くを3分をセットにして5回、トータル30分行います。効果を出すには速歩を1日計で15分にしなければなりません。一時に行うのが難しければ、朝と夜に2セットずつ、お昼に1セットと分けても大丈夫です。頻度は週に3〜4回をめざしましょう。  速歩も3分であれば続けやすく、次に3分休むことで体力が回復し、自然と速歩が楽にできるようになります。 速歩の効果 『効果@ ミトコンドリアの機能が上がり、体の酸化が避けられる』  速歩を行うことで、ミトコンドリアの性能が良くなります。ミトコンドリアとは細胞内で酸素を介してエネルギーを作る器官のことです。吸った酸素の約95%はミトコンドリアが消費しますが、そのうち1〜3%は有害な活性酸素に変わります。  ミトコンドリアの機能が下がると、エネルギーを作る電子伝達系の過程で活性酸素が増えます。活性酸素による酸化は老化、ガン、動脈硬化の引き金になります。速歩を行うと、その刺激でミトコンドリアを増やし機能を上げてくれます。 『効果A 骨を作る細胞を活性化し、カルシウムの吸収も良くなる』  加齢により骨密度が落ちます。すると骨がスカスカになって骨折しやすくなる骨粗鬆症の危険が高まります。  骨密度とは骨を作るカルシウムなどのミネラル成分の詰まり具合です。速歩をすると骨密度は上がり、強くなります。これは着地時の力学的ストレスによるものです。力学的ストレスで骨に刺激が生じると(ミクロなひび割れ)、それを回復されるために骨を作る骨芽細胞が活性化して、骨が強くなります。筋肉と同じく骨にも適度な刺激が必要です。 『効果B 脳の血流がアップ、認知機能の向上も望める』  認知機能を良くするには、脳の血流を増やすことが有益です。速歩には血流を増やす働きがあり、脳の血流もアップして認知機能が良くなります。 『効果C 慢性的な炎症を遺伝子レベルで抑制し、生活習慣病を予防』  生活習慣病の原因の一つは、ミトコンドリアの機能が落ちて全身で酸化ストレスが増えることです。さらに酸化に反応して起こる慢性的な炎症が生活習慣病を引き起こします。  速歩はこの炎症を遺伝子レベルで抑えます。持って生まれた遺伝子は変わりませんが、遺伝子を働かせるスイッチはオンになったりオフになったりします。速歩を行うと炎症を起こす遺伝子がオフになって炎症を抑えます。 『効果D スタミナがつき、疲れにくい身体になる』  速歩を続けると「ややきつい」と思える速度が上がり、同じペースで歩いても心拍数は上がりにくくなります。これは全身持久力がアップした結果です。その全身持久力を左右するのは心肺機能です。これは、肺から吸った酸素を心臓が血液とともに送り出し、血管を介して筋肉などの細胞に届け利用を促す働きのことです。  速歩によって全身持久力を上げる時、最も貢献するのは心臓が一度に送り出す1回拍出量の増加です。酸素を含んだ血液を効果的に送り出せるようになり、受け手となる筋肉でも酸素の利用率が高まります。全身持久力とはいわゆるスタミナのこと。スタミナがつくと階段を上がる時などの息切れもなくなり、体力に余力が生まれて疲れにくくなります。 『効果E カロリー消費で体脂肪が減少』  太っている人が生活習慣病リスクを下げるために真っ先に行うのが減量。その減量に最も有効なのが速歩です。痩せるために走る人は多いのですが、走ると着地時に体重の2〜3倍の衝撃が加わり、膝などを痛めやすくなります。速歩であれば走る時より着地衝撃が少ないため、続けやすくなります。  普通に歩くよりも速歩で歩くと消費カロリーが1・5倍に増えます。また速歩では脂質より糖質の利用率が高くなるのですが、消費カロリー自体が多いため燃える脂質の量も多くなります。そして運動後しばらくは脂質が燃え続ける運動後過剰酸素消費の力も得られるので、体脂肪が減って痩せやすくなります。  無理なく速歩を行ってみてください。 健康運動指導士 竹田 薫 (11字×164行) #10 自然 生命の海の生きもの(66) 宙を舞う凧のようなイカ 「トビイカ」  海面から飛び出して空中を滑空する生きもの、と言われれば誰もが「トビウオ」と答えるだろう。だが、実はトビウオ以外も海面上を飛ぶ生き物がいる。イカである。今回は凧(たこ)のように空を舞うイカ、トビイカについて紹介する。  トビイカはアカイカ科に属する全長20〜40aほどの比較的小型のイカだ。インド洋・太平洋の暖かい海に広く生息し、卵から成体まで生涯を外洋で過ごす。日本でも相模湾以南で確認されており、沖縄では漁獲対象とされ、トビイカの天日干しは奥武島の名物だ。  漁師などの目撃談から、以前からイカの仲間にトビウオのように海面を飛ぶものがいることは知られていたが、2013年、北海道大学がその飛行行動の連続写真を解析し、その発達した飛行行動が話題となった。  トビイカは飛行の際、まず水を吸い込んで外套膜(がいとうまく)、いわゆる胴体の内側にため込むと、その発達した筋肉をフルに使って漏斗から勢いよく水を噴出。そのジェット推進のエネルギーで水面から飛び出す。このときヒレを外套膜に巻き付け、腕もたたんで水の抵抗を小さくする姿勢をとるのだという。恐らく飛び出す瞬間にできるだけ水中を高速で遊泳するための姿勢だと考えられている。  海面から飛び出した後は引き続き水を噴射し続けて加速。このときヒレと腕を広げ、腕の間にある保護膜も広げて翼のような形を形成する。  水の噴射を終えると、翼のように広げた腕とヒレを維持して滑空する。この時、進行報告に向かってやや持ち上げる姿勢を取りバランスを取りつつ、胴体を固く保って身体の前後にかかる揚力に耐え、空中姿勢を安定させている。  徐々に落ちてきて最後には着水するが、その時にはヒレを外套膜に巻き付け、腕はたたみ、進行方向に向かってやや下がった姿勢をとって着水時の衝撃を小さくしているのだという。  これらの動作から、トビイカは単に「水面から飛び出している」のではなく、明確に「飛行している」と言える。トビイカの飛行は最長で50b、その速さは人間の100b走世界記録と同程度の秒速10b強に達する。さすがアスリート、という速さだが、外敵から逃げるために空を飛んでも、今度は水鳥に捕食されることも多いのだとか。水中では一流のアスリートでも、空のプロには勝てないのだろう。(和) (11字×87行) *海面上を滑空したトビイカの着水直前の姿。進行方向に向け体を下げて着水に備えている。 情報 印象派と浮世絵が シンクロする映像体験  堂島リバーフォーラムで開かれている「Immersive Museum OSAKA 2025 印象派と浮世絵〜ゴッホと北斎、モネと広重〜」。これは、2023年の「印象派」、2024年の「ポスト印象派」に続く第3弾で、今回も没入映像と特別な音響で新感覚のアート体験を提供している。  海を渡った葛飾北斎や歌川広重など日本の浮世絵。それまでの西洋絵画にはなかった題材を描き、しかも大胆なレイアウトとアングル、鮮やかな色彩で人々を魅了した。そして後に印象派、ポスト印象派と呼ばれる画家たちに大きな影響を与えた。  会場の広大な屋内空間では、映し出された北斎や広重、ゴッホやモネなどの名画がシンクロ。観客は、その世界に入り込んだような感覚になる。そんなこれまでとは異なるアート体験、あなたもぜひ。 ▼会期/9月5日(金)まで▼会場/堂島リバーフォーラム(JR東西線「新福島」駅、阪神本線「阪神福島」駅、京阪中之島線「中之島」駅から徒歩約5分)▼営業時間/10時〜20時(入場は19時まで)▼入場料/一般(平日)2700円、(土・日・祝)2900円、中・高校生2000円、小学生1000円、障がい者手帳などをお持ちの方(介護者1人を含む)は2200円(要証明)▼問い合わせ/キョードーインフォメーションTEL0570(200)888 (11字×52行) #11 デジタル 個人的DXのススメ(26) AIに「枝分かれ思考」を促す−ToT構造の導入  「三人寄れば文殊の知恵」は、AIへの指示にも有効だ。異なる角度からの検討をAIに促す手法として「枝分かれ思考(ToT)」がある。これは、複数の視点や仮説を並行して展開させ、比較検討させることで、従来より深い洞察を引き出すプロンプト設計だ。  例えば「地方でテレワークを推進すべきか」と問うと、通常は「交通費の削減」など一般論で終わりがちだ。しかし、ToT構造とあわせてAIに明確な「役割」を与えると、思考の幅と深さは大きく変わる。例として、AIに別々の視点を担わせ、その立場から検討させると、思考はつぎのように分かれる。 【法務・制度】労務・セキュリティ・契約の整備が前提条件。対応できれば、助成制度との連携でコスト削減も可能。 【教育・育児】社員の離職防止・広域採用に資する。地域支援制度や社員ニーズと連動すれば、ブランディングにも貢献。 【医療・健康】働きやすさと健康を両立する働き方として価値があるが、健康リスクへの備えや相談体制整備が不可欠。  このように「ToT+役割」では、AIに多面的な検討をさせ、結論までの思考過程を可視化できる。CoTが段階的に思考を深めるのに対して、ToTは並列的に複数の思考を展開させる。  思考を分岐させ、段階的に深めたAIの応答が交わるとき、「ともに考える過程」が生まれる。AIは意思決定を支えるパートナーとなる。 (11字×53行) 情報 大阪市立自然史博物館「昆虫 MANIAC」 奥が深い昆虫の世界  地球上の最大生物群は昆虫で、名前が付いているものだけで約100万種、そしてその数倍にも及ぶ種が人に知られず存在している。また体の形や能力、行動形態も種ごとに異なり、同じ種でも変化に富むなど実に多様性が高い。  そんな奥深い昆虫の世界に迫る特別展「昆虫 MANIAC」が、大阪市立自然史博物館で9月23日まで開かれている。  特別展は主にトンボ、ハチ、チョウ、クモ、カブトムシといった五つのテーマを「扉」とし構成、それぞれのマニアックな世界に入り込む仕掛けとなっている。  その会場でまず度肝を抜かれるのが体長約2bというギンヤンマのヤゴの巨大模型だ。餌を捉えた姿を再現しており、その迫力に圧倒される。他にもオオナガトゲグモやエゾオナガバチ、オオセンチコガネの巨大模型を各所に設置、出会うたびに盛り上がることに。  また、数々の見応えのある標本はもちろん、素数ゼミの鳴き声の再現や体長が1_に満たない極小の昆虫、羽を退化させたガなど珍しい昆虫の展示があり、さらに投げ縄で餌を捕まえるクモの動画など、知っているようで知らなかった昆虫の生態にふれることになる。  楽しみながら世界が広がる特別展、夏休みの自由研究にオススメだ。 ▼会期/9月23日(火・祝)まで▼会場/大阪市立自然史博物館ネイチャーホール(花と緑と自然の情報センター2階)(大阪メトロ御堂筋線「長居」駅下車3号出口より東へ約800b、長居公園内)▼開館時間/9時半〜17時(入館は16時半まで)▼休館日/7月22日、28日、8月4日、25日、9月1日、8日、16日▼観覧料/大人1800円、高大生(要学生証)1500円、小中生700円)▼問い合わせ/大阪市総合コールセンターTEL06(4301)7285 (11字×65行) *甲虫を紹介する“カブトムシの扉”の展示ブース。最後に現れたオオセンチコガネの巨大模型に見とれてしまう。 #12 本 小さな本箱 斎藤茂吉の十五年戦争 加藤 淑子 著 斎藤茂吉、 総力戦下の短歌  茂吉(もきち)の次男・宗吉(そうきち)(筆名・北杜夫(きたもりお))による「斎藤茂吉伝」4部作(98年大佛次郎賞)の3冊め『茂吉彷徨(ほうこう)』(岩波現代文庫01年、原著96年)に「<くろがねの兜(かぶと)かむりていで立ちぬ大君(おほきみ)のため祖国(おやのくに)のため>などの観念歌はほとんどくだらないものである」とあります。  小倉(おぐら)真理子(まりこ)『斎藤茂吉』(笠間書院・コレクション日本歌人選11年)によると茂吉の戦争詠は1611首はあり、<皇軍(みいくさ)のいきほひたぎり炎(ほのほ)だちけがれたるもの打ちてしやまむ>を引用して、「けがれたるものを叩(たた)きのめせ」という表現を近代的知性に欠けるものと評しています。  加藤淑子(よしこ)『斎藤茂吉の十五年戦争』(みすず書房90年)は戦況と茂吉の歌とを評価ぬきに並列したものですが、43年3月の短歌雑誌『アララギ』に発表された<はるかなる独蘇(どくそ)ふた国(くに)のたたかひを心にもひて吾はねむらず><元帥(げんすい)等三四人(さんよにん)とともに立ちてゐるヒツトラア総統の電送写真>をあげ、独ソ戦の攻守転換とヒトラー暗殺計画失敗などの欧州情勢を紹介しています。  茂吉は留学中の23年にミュンヘンで首相になったヒトラーを見たことをなつかしく思い出したでしょう。総力戦下に戦争讃歌の歌を読んだのはもちろん斎藤茂吉だけではありませんが。  歌人・近藤芳美(よしみ)は『戦争と短歌』(岩波ブックレット91年)で『アララギ』掲載歌を編集した『支那事変(しなじへん)歌集』(40年、斎藤茂吉・土屋文明編)から前線兵士等が残した歌を紹介しています。<慰安所の女等(おんなら)憲兵に会釈して連絡船に乗りこみ来たれり><傷つきし残敵(ざんてき)壕の中より鍋を投げ鉄瓶を投げて抵抗をしつ><頑強なる抵抗をせし敵陣に泥にまみれしリーダーがありぬ>などです。リーダーとは英語の教科書で、敵兵が陣中で勉強していたのでしょう。  この『支那事変歌集』に先に紹介した茂吉の<くろがねの兜…>も掲載されていました。その「くだらない歌」にも、人を戦争に駆り立てる力があるとすると、くだらないと言って無視するわけにはいきません。[平] (11字×75行) *みすず書房 本体2500円+税 本 おすすめBOOK AIと人類 ヘンリー・キッシンジャー/エリック・シュミット/ダニエル・ハッテンロッカー 編著  序文に「本書ではAIの台頭を礼賛する気も嘆くつもりもない。(中略)AIの影響がまだ人間の理解できる範疇(はんちゅう)にとどまっているうちに、それを吟味することだ」とある。  この本は、元米国国務長官と元グーグルCEO、コンピュータサイエンスの研究家、この3人の議論を編集したもの。政治、産業、文化芸術、教育、医療、防衛などの領域でAIがもたらす未来を予測している。  人間が認識できない現実を理解し、人間の評価にも影響を与えるAI。その理解と共存が新たな現実の革新となると本書では語られている。  現在、私たちの生活にAI技術は不可欠だ。そして、新たなAIサービスは今後も増えていく。  しかし、技術が進もうと、人間が選択するものに変わりはない。知識と理解でうまく付き合っていきたい。(ぷ) (11字×31行) *日本経済新聞出版 本体2200円+税 #13 食べもの 暮らしの中の魚(179) ケンサキイカ  大阪で好まれるケンサキイカの季節がやってきました。まとまって水揚げされるのは長崎県、山口県、島根県など日本海の西部で、夜間に集魚灯をたいて行われる釣り漁は、夏の風物詩にもなっています。  ケンサキイカという名前の由来は胴が細長く剣の先のようにとがっていることから。また、このイカは呼び名がいろいろあることでも知られています。山口県に行くとマイカ、九州西部ではシロイカ、これが関東方面ではアカイカと正反対の呼び名になります。  マイカの「マ(真)」は「本物の」という意味があり、水揚げの本場である山口県萩市では、ケンサキイカがイカの代表として親しまれているのです。佐賀県呼子に行くと身が透き通った活(いけ)イカの幻想的な美しさに感動します。ここではシロイカと呼ぶのに納得。このシロイカを東京に出荷して翌日到着すると赤い色が出ています。色の変わる理由は、ケンサキイカの皮膚には体色を変化させる色素細胞があり、時間がたって死後硬直がはじまると筋肉が収縮し、隠れていたこの色素が現れてくるからです。これが、アカイカと呼ばれる由来なのです。  さて新鮮なケンサキイカはお造りで食べるのが一番です。しかし、加熱しても硬くならないので塩水でサッと湯がいて冷やし、ワカメを添えて梅肉しょう油や酢みそで食べるのも、蒸し暑いこの時期にはおすすめですね。  もう一つおすすめなのが自家製の一夜干し。ケンサキイカは内臓を取って胴と足をそれぞれ開きます。5%位の塩水に30分くらい浸けて水を切り、ザルなどに並べてラップをせずに冷蔵庫で半日から1日乾かします。サッと炙(あぶ)って一味マヨネーズか柚子胡椒(ゆずこしょう)をつけ、レモンをかけて食べましょう。一夜干しにすることでうま味が凝縮するとともに、焼くことで濃厚で奥行きのある甘みが噛(か)むほどに口に広がります。  イカの水揚げも海水温の上昇など環境の悪化で激減しています。貴重な海の幸に感謝して食べたいものです。 (11字×76行) *軽く湯がいて季節の野菜とあわせてサラダにしてもおいしい エッセイ いつもランラン(343) 参院選の行方  参議院選挙が最終盤だ。予想では自民・公明が議席を減らし、過半数維持が難しくなっているとのこと。では自公が減らした票はどこに行くのか。願わくばリベラルな政党に流れてほしいのだが、どうもそうはいかないようだ。  W日本人ファーストWと声高に叫ぶ参政党を支持する層が増えているという。一見聞こえがいいが、その主張を裏返せば、それは排外主義。実際、彼らは外国人の権利の制限や受け入れ規制を打ち出している。  W外国人は健康保険で得をしているWW生活保護受給者の3分に1は外国人Wなど、在日外国人を優遇しているという声が聞こえるが、それらはすべて誤情報だ。それにもかかわらず自身で事実を調べもせず信じてしまう人がなんと多いことか。  日本はいまや超高齢少子社会。つまり生産年齢人口が減り続けており、もし海外からの労働者がいなくなれば、この社会は維持できなくなる。それを踏まえれば排外どころか、よりよく共に生きる社会をめざす方向に舵を切るべきだろう。  どうもこの選挙、偏った過激な主張ばかりが目立つ。有権者の良心を信じるしかないが、投票日の翌日、どんな結果になっているのか…。いまから心配だ。(ぴ) (11字×46行) #14 映画 大統領暗殺裁判 16日間の真実 2024年/韓国/2時間4分/監督・脚本:チュ・チャンミン/出演:チョ・ジョンソク(弁護士チョン・インフ)、イ・ソンギュン(軍人パク・テジュ)、ユ・ジェミョン(合同捜査団長チョン・サンドゥ)/配給:ショウゲート 韓国現代史が背景の ヒューマンドラマ  1979年のことだから半世紀近く前のことになる。韓国の朴正煕大統領が側近によって暗殺された。韓国の政治史に刻まれる大事件で、この後、全斗煥による粛軍クーデター、光州の市民蜂起、そして民主化へと、韓国は国全体が大きく変貌を遂げていく。  この事件を題材にした映画としては最近、「ソウルの春」がヒットした。手に汗をにぎるアクションがあり、エンターテインメントとして優れた作品だった。今回は、暗殺に加わった兵士の弁護人を主人公にして、人間臭いドラマにしているところに特徴がある。  弁護士といえば、正義の実現を期し、果敢に悪に挑むと言う筋書きが多いが、この映画の主人公は、正義の実現には関心がなく、勝つか負けるか、いかに名前を売って有名になるかを考える男である。実は彼の父親は、学生運動の闘士を匿(かくま)ったことで収監されている。父は牧師で、家族を顧みることなく庶民のために生涯働いてきた。その父を彼は尊敬していない。  そんな弁護士が、有能であることを認められて、暗殺実行者の弁護人になる。ところが裁判は彼の思うように進まない。実は裁判は野心満々の軍人実力者によって、仕組まれたものだった。軍事裁判は一審のみで終結、裁判途中に怪しげなメモがしきりに後ろから裁判官に手渡され、誰かが裁判を操っていることは明白だ。  映画のクライマックスは、主人公の弁護士が、弁護する相手を救おうと、軍の実力者に直訴する場面である。土下座までして命乞いをする弁護士に、軍の実力者は耳を貸そうとしない。  軍の実力者は、配下の軍を動かし、参謀総長を拉致し、自らの権力樹立に向かって進んでいく。韓国の誰もが知っている現代史を背景に、骨太いドラマを作るのは、韓国映画界の実力である。  軍の実力者に弁護士は叫ぶ。 「王になりたければ王になればいい。だがそのために人を殺すな!」  弁護士は実力者の部下に散々殴られるが、その後の、傷を負った顔の表情はイキイキしているように見えた。きっと彼は、父親と同じ地平に立った気がしているのだろう。 小山帥人(ジャーナリスト) ▼公開日/8月22日(金)〜▼上映館/<大阪>テアトル梅田TEL06(6440)5930、他、<京都>アップリンク京都TEL075(600)7890、<兵庫>シネ・リーブル神戸TEL078(334)2126 (11字×90行) *不正に操られた裁判は一審のみで終結。弁護士は弁護する相手を救うために土下座までするが… *(C)2024 NEXT ENTERTAINMENT WORLD & PAPAS FILM & OSCAR10STUDIO. All Rights Reserved. #15 映画 <前ページに掲載した映画紹介記事のショートバージョン> 大統領暗殺裁判 16日間の真実 ▼2024年/韓国/2時間4分/監督・脚本:チュ・チャンミン/出演:チョ・ジョンソク(弁護士チョン・インフ)、イ・ソンギュン(軍人パク・テジュ)、ユ・ジェミョン(合同捜査団長チョン・サンドゥ)/配給:ショウゲート▼公開日/8月22日(金)〜 韓国現代史が背景の ヒューマンドラマ  1979年、韓国の朴正煕大統領が側近に暗殺された。韓国の政治史に刻まれる大事件で、この後、全斗煥による粛軍クーデター、光州の市民蜂起、そして民主化へと韓国は大きく変貌する。  これはこの事件を題材にした映画で、主人公は暗殺に加わった兵士の弁護人だ。だが彼は正義には関心がなく、勝つか負けるか、いかに名前を売って有名になるかを考えている。実は彼の父親は、学生運動の闘士を匿(かくま)ったことで収監されている。  ところが、裁判は彼の思うように進まない。なぜならこの裁判、野心家の軍人実力者によって仕組まれていた。  映画のクライマックスは、主人公が弁護する相手を救おうと、軍の実力者に直訴する場面だ。土下座をし命乞いをするのだが、軍の実力者は耳を貸さない。そして、配下の軍を動かし、参謀総長を拉致し、自らの権力樹立に向かっていく。  弁護士は叫ぶ。「王になりたければ王になればいい。だがそのために人を殺すな!」と。  弁護士は実力者の部下に散々殴られるが、その表情はイキイキしているように見えた。きっと彼は、父親と同じ地平に立った気がしているのだろう。 小山帥人(ジャーナリスト) (11字×45行) *不正に操られた裁判は一審のみで終結。弁護士は弁護する相手を救うために土下座までするが… *(C)2024 NEXT ENTERTAINMENT WORLD & PAPAS FILM & OSCAR10STUDIO. All Rights Reserved. 情報 大阪南港ATCで 巨大恐竜展  この夏の大型イベント、「巨大恐竜展2025」が7月26日から大阪南港ATCホールで開かれる。  約46億年の歴史を持つ地球。その中で最大の陸上生物が恐竜だ。展覧会は5章で構成され、生物の巨大化の秘密や恐竜の進化と繁栄、そして終焉(しゅうえん)までを解き明かす。  会場には、全長37bもある世界最大級の巨大竜脚類、「パタゴティタン・マヨルム」の全身復元骨格標本が展示される他、竜脚類以外の恐竜や恐竜以外の生物の標本も多数展示される。またリアルな恐竜ロボットも登場。夏休み、親子で楽しめる展覧会だ。 ▼会期/7月26日(土)〜8月29日(金)▼会場/大阪南港ATCホール(南港ポートタウン線「トレードセンター前」駅下車直結)▼開場時間/9時〜17時(入場は16時半まで)▼会期中無休▼観覧料/一般2600円、高・大学生2000円、小・中学生1200円、3歳〜未就学児700円▼問い合わせ/TEL06(4300)6583(音声ガイダンス) (11字×38行) 情報 神戸と大阪の大丸で ミッフィー展  今年はミッフィーが誕生して70周年に当たる。これを記念した展覧会「誕生70周年記念 ミッフィー展」が、大丸ミュージアム〈神戸〉(7/23〜8/11)と大丸ミュージアム〈梅田〉(8/14〜9/1)で続けて開かれる。  1955年に絵本作家グラフィックデザイナーのディック・ブルーナーさんの手により誕生したミッフィー。展覧会では絵本のミッフィーシリーズ全32作品の原画やスケッチを展示する他、ブルーナーさんが原語で「うさこちゃんとうみ」を読んでいる映像を20年ぶりに公開する。  誰もが愛するミッフィーを深く知る機会となる。 ▼会期/〈神戸〉7月23日(水)〜8月11日(月・祝)、〈梅田〉8月14日(水)〜9月1日(月)▼会場/大丸ミュージアム〈神戸〉(JR「元町」駅下車南へ徒歩3分、大丸神戸店9階)、大丸ミュージアム〈梅田〉(JR「大阪」駅下車、大丸梅田店15階)▼開場時間/〈神戸〉10時〜19時(入場は18時まで)、〈梅田〉10時〜20時(入場は19時まで)▼観覧料(全日日時指定制・先着順)/一般・大学生1800円、高校生1300円、小・中学生800円、*ローソンチケットで販売▼問い合わせ/<神戸>TEL050(1781)5000、<梅田>TEL050(1780)0000 (11字×49行) #16 パズル クロスワードパズル <タテのカギ> 1 どうしても逃れられない困難な状態 2 とげのある低木の総称。茨 3 ←→アウト 4 春夏秋冬 5 プロセス 6 戦場で身を守るために着た武具 7 ←→暖 8 雲丹・海胆 9 カギ 10 芸術 11 ピッグ 12 油に加わる圧力 13 コクと〇〇 14 長い間外に出さず心のなかにたまった怒り 15 木を井の字の形に組んだもの <ヨコのカギ> 1 租税を取り立てて得た収入 5 食事から摂取するエネルギーの単位 7 曲線 10 ←→ダウン 16 椿 17 上から押えつける力 18 鱈 19 物事が成立するための条件 20 タイム 21 花の首飾り 22 ←→甥 23 実印 24 田んぼや畑 *■AからHまでの文字をならべかえると… *■答えは「プレゼンテーター」 情報 大阪歴博・特集展示 「新収品お披露目展」  大阪歴史博物館では、特集展示として「新収品お披露目展」を6月25日から開いている。展示されるのは2024年度に寄贈を受け、新たに館蔵品となったものの中から未公開を中心とした約25件だ。  主な展示資料は、1927年以前に製作された裂(きれ)見本で合計98冊ある《染織見本帖》や、江戸時代、戸外での宴席に用いられた重箱の《梅に羊歯文蒔絵提重》、そして、本山派修験の、大坂での活動を知らしめる資料、《聖護院宮御令旨箱と大坂金剛院歓道宛令旨》など。  大阪を中心とする地域の歴史や文化を紹介するための一翼を担う寄贈品たち。今後の研究にも大いに貢献する。 ▼会期/9月1日(月)まで▼会場/大阪歴史博物館(大阪メトロ谷町線・中央線「谷町四丁目」駅下車、2・9番出口)▼開館時間/9時半〜17時(入館は閉館の30分前まで)▼休館日/火曜日、ただし8月12日は開館▼観覧料/一般600円、高・大学生400円、中学生以下・大阪市内在住の65歳以上・障がい者手帳などをお持ちの方(介護者1人含む)は無料(要証明証)▼問い合わせ/大阪歴史博物館TEL06(6946)5728 (11字×43行) #17 情報 シネマはやっぱりおもしろい −8月公開の映画− 入国審査  他国に行った際、待ち受けているのが入国審査だ。パスポートと旅の目的などを確認し、何事もなければ入国が許可されるのだが、そうでなければ…。そんなある種の恐怖を描き出した作品だ。  移住のためスペインからニューヨークの空港に降り立ったディエゴとエレナ。新天地での暮らしに胸を膨らませていたが入国審査で状況が一転、理由もわからす別のフロアに案内された。そして携帯電話は禁止され、最終目的地マイアミへの乗り継ぎまで2時間という事情も考慮されずただ待つだけに。  ようやく案内された狭い部屋では問答無用にスーツケースの中身を調べられ、エレナの糖尿病用のインスリン注射が没収された。さらに容疑者扱いのような身体検査に戸惑う二人。続いてやってきた女性審査官は必要書類を細かく確認し、同じ質問を何度も何度も繰り返す。そしてエレナの不満にスペイン語でこれは尋問だと答えた。  いつまで続くのか終わりの見えない尋問、その中で明らかにされていく経歴。ディエゴの国籍がベネズエラで、二人が事実婚であること、エレナが抽選で移民ビザに当選しアメリカに来たことなどなど。さらに追及が続き、エレナは自分が知らなかったディエゴの過去を聞かされて…。  入国できるのか強制送還か、さらにパートナーの過去にも疑念が…。監督の実体験から生まれたという作品。深層心理サスペンスだ。 ▼2023年/スペイン/1時間17分/監督・脚本:アレハンドロ・ロハス、ファン・セバスチャン・バスケス/出演:アルベルト・アンマン(ディエゴ)、ブルーナ・クッシ(エレナ)、ローラー・ゴメス(バスケス審査官)/配給:松竹▼公開日/8月1日(金)▼上映館/<大阪>大阪ステーションシティシネマTEL050(6861)8100、他、<京都>MOVIX京都TEL050(6865)3125、<兵庫>kino cinema 神戸国際TEL078(230)3580 (11字×73行) *(C)2022 ZABRISKIE FILMS SL, BASQUE FILM SERVICES SL, SYGNATIA SL, UPON ENTRY AIE #18 情報 ジュラシック・ワールド 復活の大地  1993年に公開され大人気を博した「ジュラシック・パーク」。その後シリーズ化され、これまで6作品が公開された。そして前作「ジュラシック・ワールド/新たなる支配者」から5年後の世界を描く最新作が公開される。  5年前、世界中に放たれた恐竜たちだったが、気候や環境に耐えられず数を減らし、今は赤道直下の限られた地域だけで生息していた。  ある日、秘密工作の専門家のゾーラに、ある危険な任務の依頼があった。それは、心臓病の新薬を開発するため、陸・海・空の3大恐竜のDNAを採取するというものだった。さっそくゾーラは最も信頼する傭兵(ようへい)ダンカンや古生物学者のヘンリーたちとチームを組み、恐竜たちが生息する大西洋の孤島に向かって船を出す。  同じ頃、ヨットで旅する家族が得体の知れない巨大生物が襲われた。ヨットはあっという間に転覆させられ、彼らは海に投げ出される。なんとか転覆した船によじ登り救難信号を発信。それに応じたのがゾーラたちのチームだった。  ゾーラたちは家族を助け、再び島へと向かおうとするが、そこにモササウルスが現れた。木の葉のように翻弄(ほんろう)される船、なんとか海の恐竜モササウルスのDNAは採取できたものの、今度はスピノサウルスに襲撃され…。  次々に現れる恐竜と危機的状況。スリル満載の作品となった。 ▼2025年/アメリカ/2時間14分/監督:ギャレス・エドワーズ/出演:スカーレット・ヨハンソン(ゾーラ)、マハーシャラ・アリ(ダンカン)、ジョナサン・ベイリー(ヘンリー)/配給:東宝東和▼公開日/8月8日(金)▼上映館/<大阪>TOHOシネマズ梅田TEL050(6868)5022、他、<京都>TOHOシネマズ二条TEL050(6868)5035、他、<兵庫>OSシネマズミント神戸TEL078(291)5330、他 (11字×72行) *(C)2025 Universal Studios. All Rights Reserved. 情報 大阪からスタート 木梨憲武の巡回展  木梨憲武の3度目となる全国巡回展『「木梨憲武展―TOUCH」SERENDIPITY―意味ある偶然』が、グランフロント大阪からスタートする。  2014年から16年にかけて全国8会場を巡回した最初の展覧会で、アーティストとして高い評価を受けた木梨。2018年からコロナ禍を挟み22年まで開いた2度目の展覧会では全国20会場を巡回した。  3度目となる今回も、木梨らしい自由な表現と鮮やかな色彩で見るものに幸福感を与えることに。さらに新たな手法で描かれた新作も登場。「木梨憲武ワールド」に浸る展覧会となる。 ▼会期/8月31日(日)まで▼会場/グランフロント大阪北館ナレッジキャピタル イベントラボ(JR「大阪」駅2F中央北口から徒歩3分、入場は1Fカフェラボ横の専用エスカレーターでB1へ)▼開館時間/10時〜18時(入館は閉館の30分前まで)▼入館料/一般2100円、高・大学生1800円、小・中学生1000円▼問い合わせ/木梨憲武展大阪イベント事務局TEL0570(066)038 (11字×41行) 情報 ピースおおさか ウイークエンド・シネマ  ピースおおさかでは、所蔵する映像資料を広く鑑賞してもらう機会としてウイークエンド・シネマを開いている。8月は戦後80年特別映画上映として『長岡大花火 打ち上げ、開始でございます』(2024年/日本/ドキュメンタリー/1時間40分)を上映する。  第2次世界大戦末期の長岡大空襲や2004年の中越地震など、さまざまな苦難を経験してきた長岡市の人々。彼らは慰霊と復興への決意、平和への祈りを花火に込めてきた。  映画は花火の裏にある歴史を振り返りながら花火大会を支える花火師や関係者、そして市民スタッフの声を拾い上げる。そして人々の真摯(しんし)な祈りを見つめ、長岡花火の全貌に迫る。 ▼上映日/8月の各土曜日、14時から▼会場/ピースおおさか講堂(大阪メトロ「森ノ宮」駅1号出口から西へ200b)▼参加費/無料、ただし入館料が必要▼申込み不要(当日先着順)▼問い合わせ/ピースおおさか(大阪国際平和センター)TEL06(6947)7208 (11字×39行) #19 情報 アートが好き 開催中とこれからの展覧会 「TANGO!海の京都・山の京都の仏教美術」 ▼会期/8月17日(日)まで▼会場/龍谷大学 龍谷ミュージアム(JR・近鉄・地下鉄烏丸線「京都」駅から徒歩約12分、西本願寺前)▼開館時間/10時〜17時(入館は16時半まで)▼休館日/月曜日と7月22日、8月12日、ただし7月21日、8月11日は開館▼入館料/一般700円、65歳以上600円、大学生500円、高校生400円、中学生以下・障がい者手帳などを提示の方(介護者1人を含む)は無料▼TEL075(351)2500 (11字×19行) *石造 狛犬 室町時代 宮津市・上世屋自治会 「横尾忠則の肉体派宣言展」 ▼会期/8月24日(日)まで▼会場/横尾忠則現代美術館(阪急「王子公園」駅西口より西へ徒歩約6分)▼開館時間/10時〜18時(入館は17時半まで)▼休館日/月曜日と7月22日、8月12日、ただし7月21日、8月11日は開館▼観覧料/一般800円、大学生600円、70歳以上400円、高校生以下無料、障害者手帳などをお持ちの方は各観覧料金(ただし70歳以上は一般料金)の75%割引で、その介助者1人は無料(要証明書)▼TEL078(855)5607(総合案内) (11字×20行) *《和楽》 2004年 横尾忠則現代美術館蔵 夏季特別展「伝説の漆匠 佐野長寛―奇想と風雅の世界」 ▼会期/8月24日(日)まで▼会場/MIHO MUSEUM(JR琵琶湖線「石山」駅より帝産バス「MIHO MUSEUM行」で約50分)▼開館時間/10時〜17時(入館は16時まで)▼休館日/月曜日、ただし祝日の場合は翌平日▼入館料/一般1300円、高・大学生1000円、中学生以下・障がい者手帳などをお持ちの方は提示で無料▼TEL0748(82)3411 (11字×16行) *《菊桐文漆絵蒔絵重箱》 野口安左衛門旧蔵 個人蔵 撮影:山崎兼慈 コレクション展「わたしたちのびじゅつかん〜きて・みて・はなして→たいけんする美術展〜」 ▼会期/8月24日(日)まで▼会場/奈良県立美術館(「近鉄奈良」駅1番出口から東へ徒歩約5分)▼開館時間/9時〜17時(入館は16時半まで)▼休館日/月曜日と7月22日、8月12日、ただし7月21日、8月11日は開館▼観覧料/一般400円、大学生250円、小・中・高校生および18歳未満・障がい者手帳などをお持ちの方(介助者1人を含む)は無料、65歳以上は平日無料▼TEL0742(23)3968 (11字×17行) *絹谷幸二 《チェスキーニ氏の肖像》 1986年 奈良県立美術館蔵 「具体美術協会と芦屋、その後」 ▼会期/8月31日(日)まで▼会場/芦屋市立美術博物館(阪神「芦屋」駅から南東へ徒歩約15分、阪急「芦屋川」駅から阪急バス「新浜町」行きに乗車、「緑町」下車3分)▼開館時間/10時〜17時(入館は16時半まで)▼休館日/月曜日、ただし祝日の場合は翌平日▼観覧料/一般900円、高・大学生500円、中学生以下無料、65歳以上・障がい者手帳などをお持ちの方(介護者を含む)は各当日料金の半額▼TEL0797(38)5432 (11字×19行) *松谷武判 《作品・62》 1962年 樹脂系接着剤、合成樹脂系絵具、布 芦屋市立美術博物館蔵 特別展 土田ヒロミ写真展「ヒロシマ・コレクション」―1945年、夏 ▼会期/9月7日(日)まで▼会場/中之島香雪美術館(大阪メトロ四つ橋線「肥後橋」駅4番出口直結、中之島フェスティバルタワー・ウエスト4F)▼開館時間/10時〜17時(入館は16時半まで)▼夜間特別開館/7月25日、8月6日、15日、29日は19時半閉館(入館は19時まで)▼休館日/月曜日、ただし祝日の場合は翌平日▼入館料/一般1600円、高・大学生800円、小・中学生400円▼TEL06(6210)3766 (11字×18行) *土田ヒロミ<ヒロシマ・コレクション>シリーズ 《懐中時計 寄贈者:二川一夫 広島平和記念資料館所蔵》 1982年(C)Hiromi Tsuchida #20 ミニニュース 氷河崩落で村壊滅 付近で遺体発見  スイス南部バレー州で先月、氷河の大規模崩落で壊滅したブラッテン村付近で遺体が発見されたと、地元警察が6月24日に発表した。  5月29日のビルヒ氷河の崩落により、ブラッテン村は大量の氷と土砂、岩石にのみ込まれた。  危険が差し迫っていたため村民300人は事前に避難していたが、64歳の男性の安否が分からなくなっており、捜索が続けられていた。  バレー州警察は、「氾濫原(洪水時に冠水しやすい平野)として認定されている区域を捜索中に遺体が発見され、収容した」と発表し、身元確認を進めているという。 (11字×23行) 卒業アルバム悪用 性的画像に加工、拡散  卒業アルバムなどに載っている児童生徒の写真を悪用し、性的に加工した画像や動画が2〜6月に、交流サイト(SNS)上に投稿されていたことが7月5日、民間団体の調査で分かった。生成人工知能(AI)技術を使った「性的ディープフェイク」も含まれるとみられ、団体は「氷山の一角」としている。  性的ディープフェイクは実在する人物の顔写真を使い、体部分をAIで作成した偽の性的画像や動画だ。アプリなどで簡単に作成でき、国内外で被害が増えている。  インターネット上で盗撮画像などをパトロールしている団体「ひいらぎネット」が調査を実施。把握できた252人分のうち、内容などから中高生と推測されたのは200人、小学生が20人だった。残りは中高生か小学生かという判別ができなかったが、その後一部は削除された。  画像と一緒に子どもの名前が投稿されているケースもあり、同団体は在籍している可能性がある学校を調べ教育委員会や学校側に通報した。学校や保護者からの連絡で、実在の人物だと確認した事例が複数あったという。 (11字×42行) ツシマヤマネコから PFAS検出  国の天然記念物で絶滅危惧種のツシマヤマネコから、発がん性などが指摘されている有機フッ素化合物(PFAS)が検出されたことが7月10日、愛媛大などの研究チームによる調査で分かった。有害なポリ塩化ビフェニール(PCB)も確認。チームはいずれも高濃度としており、健康への影響が懸念されるという。  ツシマヤマネコは長崎県の離島・対馬に生息している。愛媛大先端研究院の野見山桂准教授は、PFAS汚染は各地に広まっており、他の野生動物にも影響を与えている恐れがあると指摘し、「ツシマヤマネコのみならず、野生動物の保護のために全国的な調査と汚染源の特定が必要だ」と話した。  チームは、2022〜25年に交通事故などで死んだツシマヤマネコ21匹を、環境省の許可を受けて調査。代表物質のPFOAとPFOSを含む37種類のPFASの肝臓と腎臓の濃度を分析した結果、全個体からPFASを検出した。肝臓は中央値で1グラム当たり約110ナノグラム、最大で約360ナノグラムに達した。腎臓は中央値約60ナノグラム、最大約210ナノグラムだった。 (11字×42行) お知らせ ログインにはユーザー名とパスワードを  機関紙編集者クラブの公式ホームページ「機関紙@編集者クラブ」をご活用いただき、ありがとうございます。  毎月本紙「編集サービス」発行から2〜3日後に更新しているこのホームページですが、会員向けのメンバーページへアクセスするためには、ユーザー名とパスワードを入力するログインが必要となっています。またパスワードは毎月1日を基準として1カ月ごとに変更しています。なお、ユーザー名およびパスワードにつきましては別表をご確認下さい。  会員の皆様にはお手数をおかけすることになりますが、セキュリティーの強化のため、ご協力いただきますようにお願いします。  なお、記事や写真のダウンロードなどメンバーページの利用方法は従来通りですので、会員皆様の機関紙作成にご活用ください。 ホームページ URL  http://www.club2010.sakura.ne.jp メンバーページ ログイン  <ユーザー名>  club  <パスワード>  59h8t1r6(7月末日まで)  8xtu94r6(8月1日より) #21 データウォッチング 気候変動で危険な暑さの日倍増 妊婦はリスク軽減対策を  妊娠中の母親と赤ちゃんにとって危険な暑さとなる日が世界90%の国で倍増している。米研究機関「クライメート・セントラル」の分析結果だ。  日本でも年平均で15日増えており、増加数が最多だった沖縄では、年平均36日増の42日となった。  猛暑は胎盤早期剥離や妊娠高血圧、死産・流産などのリスクを高める。気候変動対策が一層急がれるが、まずはエアコンの活用や水分補給といった対策で、リスクを軽減したい。 (11字×18行) *2025年6月17日朝日新聞