2024年 編集サービス 12.20 #2 労働 連合大阪2025春季生活闘争方針 みんなでつくる社会 賃上げをあたりまえに 連合大阪 総合政策・ジェンダー平等推進・中小支援グループ 副事務局長 澤谷誓之  連合大阪は12月20日、第14回執行委員会で「2025春季生活闘争方針」を確認した。2022年の春季生活闘争からスタートした「未来づくり春闘」は、2023闘争でW転換点Wをつくり、2024闘争ではWステージ転換Wに向けて大きな一歩を踏み出した。2025春季生活闘争は、四半世紀に及ぶ慢性デフレに終止符を打ち、動き始めた賃金、経済、物価を安定した巡航軌道に乗せる年としなければならない。  すべての働く人の持続的な生活向上をはかり、新たなステージを定着させることをめざす。「連合大阪2025春季生活闘争方針」の概要は以下の通り。 2025春季生活闘争のポイント 1.賃金要求 【月例賃金】  経済社会の新たなステージを定着させるべく、全力で賃上げに取り組み、社会全体への波及をめざす。すべての働く人の生活を持続的に向上させるマクロの観点と、各産業の「底上げ」「底支え」「格差是正」の取り組み強化を促す観点から、全体の賃上げの目安は、賃上げ分3%以上、定昇相当分(賃金カーブ維持相当分)を含め5%以上とし、その実現をめざす。  また、企業内で働くすべての労働者の生活の安心・安定をめざし企業内最低賃金の協定化に取り組み、締結水準は生活を賄う観点と初職に就く際の観点を重視し、「時給1250円以上」をめざす。 【中小組合の取り組み(企業規模間格差是正)】 @賃上げと価格転嫁・適正取引における格差の解消をめざし、格差是正分を積極的に要求する。 A定期昇給制度がない組合は、人事・賃金制度の確立をめざす。労使での検討委員会などを設置して協議を進め、定期昇給制度の確立に取り組む。 B賃金カーブ維持相当分(1年・1歳間差)を確保した上で、自組合の賃金と社会横断的水準を確保するための指標を比較し、その水準の到達に必要な額を加えた総額で賃金引き上げを求める。  また、獲得した賃金改善原資の各賃金項目への配分等にも積極的に関与する。 C賃金実態が把握できないなどの事情がある場合は、賃金指標パッケージの目標値に格差是正分1%以上を加えた6%以上・1万8000円以上を目安とする 【雇用形態間格差是正にむけた取り組み】 @有期・短時間・契約等で働く者の労働諸条件の向上と均等待遇・均衡待遇確保の観点から、企業内のすべての労働者を対象とした企業内最低賃金協定の締結をめざす。締結水準については、時給1250円以上をめざす A有期・短時間・契約等で働く者の賃金を「働きの価値に見合った水準」に引き上げていくため、フルタイム労働者と同等に能力の高まりに応じた処遇の実現に取り組む。賃上げ・昇給等により、経験5年相当で時給1400円以上をめざす。 【男女間賃金格差および生活関連手当支給基準の是正】  女性活躍推進法の省令改正(2022年)により、現在、常時労働者数301人以上の企業に対して「男女の賃金の差異」の把握と公表が義務づけられている。指針では「男女の賃金の差異」の把握の重要性が明記されていることを踏まえ、企業規模にかかわらず男女別の賃金実態の把握と分析を行うとともに、問題点の改善と格差是正に向けた取り組みを進める。 【初任給】  すべての賃金の基礎である初任給について社会水準を確保する。また、年齢別最低到達水準についても協定締結をめざす。 【一時金】  月例賃金の引き上げにこだわりつつ、年収確保の観点も含め水準の向上・確保をはかるとともに、有期・短時間・契約等で働く労働者についても、均等・均衡待遇の観点で対応する。 2.「すべての労働者の立ち場にたった働き方」の改善 (1)「豊かな生活時間の確保」と「あるべき労働時間の実現」の取り組み。 (2)すべての労働者の雇用安定に向けた取り組み。 (3)職場における均等・均衡待遇実現に向けた取り組み。 (4)人材育成と教育訓練の充実。 (5)60歳以降の高齢期における雇用と処遇に関する取り組み。 (6)テレワーク導入にあたっての労働組合の取り組み。 (7)障がい者雇用に関する取り組み。 (8)中小企業、有期・短時間・派遣等で働く労働者の退職給付制度の整備。 (9)短時間労働者に対する社会保険の適用拡大に関する取り組み。 (10)治療と仕事の両立の推進に関する取り組み。 3.ジェンダー平等・多様性の推進 (1)女性活躍推進法および男女雇用機会均等法の周知徹底と点検活動。 (2)あらゆるハラスメント対策と差別禁止の取り組み。 (3)育児や介護と仕事の両立に向けた環境整備。 (4)次世代育成支援対策推進法にもとづく取り組みの推進。 4.春季生活闘争を通じた、集団的労使関係の強化・構築と組織拡大の取り組み  組織拡大は通年の取り組みであるが、春季生活闘争の機会を捉まえ、職場討議や労使交渉を活用し、組合員の減少に歯止めをかける。さらに組織拡大に転じる取り組みを強化する。  「労働協約」(「労働協約」に代わる覚書や組合規約など)の組合員の範囲の見直しに取り組み、さらなる組織拡大と健全な労使関係・労使交渉を進める。  加えて、組織内外へ労働組合の存在意義を高めるとともに、労働組合がない未組織企業の組織化につなげるなど、2025春季生活闘争を起点に取り組みを進める。 5.「ビジネスと人権」の取り組み  労働組合は企業活動における特別なステークホルダーであり、ビジネスと人権について、積極的に取り組む責任がある。企業規模・業種・海外取引の有無にかかわらず、連合大阪加盟のすべての労働組合が、それぞれの現場で取り組みを進める。 6.運動の両輪としての「政策・制度実現の取り組み」  政策課題については、行政・政党・各議員への働きかけ、審議会対応、「連合アクション」と連動した取り組みによる世論喚起など、構成組織、地域・地区協議会が一体となって幅広い運動を展開する。  連合は、2025春季生活闘争において、「持続的な賃上げ」「格差是正」「適切な価格転嫁・適正取引」に向け社会的な機運醸成をはかるため、構成組織・地方連合会・連合本部が一体となって「連合アクション」を展開する。  とりわけ中小組合への支援を強化するとともに、初めて掲げたサブスローガン「みんなでつくろう!働く仲間の労働組合」を広く社会にアピールし、組合づくり・仲間づくりにつなげていく。  連合大阪は、この連合アクションとも連動して切れ目のない取り組みを展開し、2025春季生活闘争を推進していく。 (11字×251行) ミニ情報 地元が生んだおいしい味・郷土料理 <徳島県・祖谷そば>  険しい四国山地に囲まれた秘境。その祖谷地方で作られている手打ちそばが祖谷そばだ。そば粉100%でつなぎを使っていないため、麺は太く切れやすく、短いのが特徴だ。この地でそば栽培を始めたのは源平合戦に敗れた平家の残党だと伝えられている。昼夜の寒暖差が大きく、そば栽培に適した痩せた土地だったため、風味豊かで味わい深いそばが取れたことから、そば作りが広がった。いまではそばの名産地として名を馳せるほど。この祖谷そば、地元では祝い事に必ず振る舞われている。ただ、麺が切れやすいことが“縁が切れる”につながるとして、婚礼行事にだけは出されないという。 #3 ボランティアインフォメーション  各種の団体やイベントでは、広くボランティアを募集している。単発のボランティア(1回だけの活動)や初心者、親子参加を歓迎するものも多い。興味のある活動、分野に参加し、新しい世界にチャレンジしよう。 *掲載している情報はKVネット(https://www.kvnet.jp)から転載したものです。 ▼内容の詳細、相談、参加希望などは、それぞれの活動の「問い合わせ先」に直接連絡を。 ●生きづらさを感じる若者の居場所で一緒に  コミュニケーションが苦手、生きづらさを感じている人、反対にそうでない人。そのどちらもが「活動日が参加する人にとっての空間」と思えるようなスタンスで居場所づくりをしています。この居場所を支えるボランティアを募集中。活動内容などは、つばさのSNS情報発信やYouTubeで見ることができます。〈Facebook〉https://www.facebook.com/kutsurogi.tsubasa/〈Twitter〉https://twitter.com/tsubasapiiko〈YouTube(くつろぎステーションつばさ動画チャンネル)〉https://www.youtube.com/user/kutsurogistation ▼日時/月2回程度の土曜日15時〜19時▼場所/(@またはAのどちらかで開催)@市民活動スクエアCANVAS谷町(大阪メトロ「天満橋」駅・「谷町四丁目」駅から徒歩3分)、A大阪市ボランティア・市民活動センター(近鉄「大阪上本町」駅から徒歩3分、大阪市立社会福祉センター内)▼費用/500円(参加協力金として)▼募集対象/高校生・学生、20〜30代の人。居場所づくりに興味のある人。おしゃべり好きな人。ゆったりとした時間を過ごすことが好きな人▼通年募集▼申込み方法/くつろぎステーションつばさのホームページ内の問い合わせフォームから(https://form1ssl.fc2.com/form/?id=5a3092ba36876d7f)▼問い合わせ/くつろぎステーション つばさ、担当・江頭雅史、メール:tsubasa_piyopiyo@hotmail.com URL:http://kutsurogitsubasa.web.fc2.com/ <情報提供/大阪ボランティア協会TEL06(6809)4901> (11字×67行) #4 労働ニュース 新社会人の生活 漢字一文字で「学」  潟}イナビは12月11日、マイナビ2024年卒、入社半年後調査を発表した。  今年の新社会人に、入社してから現在までの社会人生活を表した漢字一文字を聞くと「学」が1位となった(前年2位)。選んだ理由については「さまざまなことを学んで成長していると感じるから」「1年目はさまざまなことを吸収して学び続けなければならないと考えるから」などが出された。2位以下は「楽」「忙」「苦」「変」など、前年も上位だった漢字がランクインした。  彼らが就職活動をしていた時に、自分の就職活動を漢字一文字で表すと何かと聞いた際は「楽」が1位で、「学」の文字は上位10位にも入っていなかった。社会人になって環境の変化から考え方にも変化があったことが伺える。  今後の転職意向を聞くと、転職意向がある割合は54・2%で、昨年より3ポイント減少した。「仕事に疲れた、つらい」と感じることがあるかを聞くと、全体で70・2%が「感じる」と答えた。仕事に疲れを感じる理由を聞くと「仕事量が多い(41・1%)」が最も多く、「仕事内容が難しい(38・7%)」、「プレッシャーがかかる(30・0%)」と続いた。 (11字×45行) 労働経済の分析 厚生労働省が動画で  厚生労働省は12月2日、動画版「令和6年版 労働経済の分析」を公開した。今年9月に公表した「令和6年版労働経済の分析」(労働経済白書)について、多くの人に見てもらうことを目的に解説動画を作成した。  動画では「3分で読み解く!令和6年版労働経済白書」をはじめ、「日本はどれくらい人手不足なの?」、「どうする?日本の人手不足(介護分野編)」、「どうする?日本の人手不足(小売・サービス分野編)」、「人手不足で給料は上がるの?」の各テーマを取り上げ、解説している。  動画は厚生労働省のウェブサイトなどで視聴できる。https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/roudou/24/24-3.html (11字×27行) リスキリング積極的 26・1%の企業  樺骰巣fータバンクは11月20日、リスキリングに関する企業の意識調査(2024年)の結果を公表した。  リスキリングに関する取り組み状況を聞いたところ「取り組んでいる」とした企業は8・9%にとどまった。また、今後、意欲的に「取り組みたいと思う」は17・2%で、「リスキリングに積極的」な割合は合計すると26・1%だった。反対に「取り組んでいない」は46・1%だった。  リスキリングに「取り組んでいる」企業を業種別でみると、デジタル人材として高度なITスキルが求められる「情報サービス」が20・5%で唯一の2割台だった。  リスキリングの取り組み状況を企業規模別でみると、大企業では「取り組んでいる」企業が15・1%で最も高く、中小企業では7・7%、小規模企業では6・0%にとどまった。  リスキリングに取り組む上での課題を聞いたところ「対応する時間が確保できない(42・1%)」、「対応できる人材がいない(38・9%)」が特に高かった。 (11字×39行) 労組の組織率16・1%パート組合員過去最高  厚生労働省は12月18日、令和6年労働組合基礎調査の結果を公表した。調査は令和6年6月30日現在の労働組合数・労働組合員数を調べたもので、全労働者のうち労働組合に加入している人の比率である推定組織率は16・1%(前年比0・2ポイント減)となり、調査が始まった昭和22年以降で最低となった。  労働組合は全国で2万2513組合、労働組合員数991万2千人となり、労働組合数は276組合の減、労働組合員数は2万5千人の増となった。女性の労働組合員数は350万6千人で、前年よりも3万2千人増となった。また、パートタイム労働者の労働組合員数は146万3千人で、前年より5万3千人増加し、推定組織率は8・8%(前年比0・4ポイント増)となった。パートタイム労働者の労働組合員数や推定組織率は過去最高となった。  上部団体別では、連合が681万3千人(前年比5千人減)、全労連が45万1千人(前年比1万3千人減)、全労協が7万3千人(前年比3千人減)となった。 (11字×39行) #5 労働安全衛生 数える労働安全衛生(196) 238人と62人 農作業死亡とトラクター転倒  2022年の労働災害による死亡者数は774人だった。同じ年の農作業死亡者数は238人だ。ということは全労災死亡の3割は農業?、というとそうではない。農業に従事する人は労働者ではない人が大半だからだ。  農水省のデータによると、この年の農業従事者は189万人。雇用労働者数は約6千万人だから、いかに農作業事故が多いかということがわかる。  内訳を見ると、238人のうち乗用トラクターによる死亡事故は62人で26%、さらに事故の型別では「機械の転倒・転落」によるものが41人、つまり3分の2を占めている。  農地をトラクターで耕しているときや一般道を移動中に転倒し、その下敷きになって死亡というのが最も多い。農地は段差があったり不整地だったりするから、転倒の可能性は乗用車よりはるかに多い。  しかし対策はいろいろある。今のトラクターは、運転席に強固なフレームを装備して転倒しても空間が確保される構造になっている。操作中はシートベルトを着用していれば、振り落とされて下敷きになることはない。  ところが事故調査結果によれば、たいていの場合、ベルト着用自体をしていないのだ。一般道を自動車で走るときシートベルトは義務だが、農地でトラクターを運転するときに規制はない。同様の危険がある建設機械では、労働者にベルトを着用させる努力義務が定められているのに。  農作業の災害が減らないわけだ。対策強化が急がれる。 連合大阪労働安全衛生センター 参与 西野方庸 (10字×65行) 情報 京都・嵯峨嵐山文華館「HaikuとHaiga」 芭蕉と蕪村の魅力あふれる  わずか17音で季節を表す言葉をいれ、その場の情景、心情を表現するのが俳句だ。さらに俳句と絵が一体となったものを俳画という。その俳句と俳画に焦点をあてた展覧会「HaikuとHaiga ―芭蕉と蕪村、2人のカリスマ―」が京都の嵯峨嵐山文華館で開かれている。  まず注目したいのは第1章、松尾芭蕉直筆の《野ざらし紀行図巻》だ。これは、芭蕉の俳風を変えるきっかけとなった旅の様子を絵にし、文章を添えた紀行図巻で、2022年に再発見されたもの。この展覧会で初公開となった。また、芭蕉に絵を教えたとされる森川許六筆の《百花譜》も初公開されており、描かれた花々の鮮やかさに思わず見入ってしまう。  第2章は与謝野蕪村の作品が中心だ。蕪村は絵画と俳諧の二つの分野で活躍し、数多くの俳画を残した。それだけに展示数も多く見応えがある。そんな中、ひときわ目を引くのが《松尾芭蕉像》だ。芭蕉の俳句とともに描かれた、穏やかな表情を浮かべたその姿。芭蕉に憧れを抱いていたという蕪村の心情が見て取れる。  第3章は画家・池田遙邨の山頭火シリーズだ。漂白の俳人・種田山頭火の句の世界を絵画化している。現在28点の作品が確認されているが、その中の4点と下絵が展示されている。  TV番組の影響で一躍ブームとなった俳句。その原点に出会える。 ▼会期/1月19日(日)まで▼会場/嵯峨嵐山文華館(京福電鉄「嵐山駅」から徒歩約5分)▼開館時間/10時〜17時(入館は閉館の30分前まで)▼休館日/12月30日〜1月1日▼入館料/一般・大学生1000円、高校生600円、小・中学生400円、障がい者と介添人1人まで各600円▼TEL075(882)1111 (11字×65行) *《野ざらし紀行図巻》は丁寧な解説とともに展示されている。芭蕉の旅の様子が手に取るようにわかる仕掛だ #6 コラム ニュースな暮らし(67) 奄美とメキシコに よく似た舞がある  メキシコに住む二女が、地域の祭典をSNSにアップした。「サンマルコス祭」といって3週間開かれる大規模なもの。メキシコ最大級の祭とも言われ、地元や同国の人々だけでなく、外国からも観光客が遊びにくる。人口90万人ほどの穏やかな街に、期間中の来場者は800万人を超える。  祭りの期間、パレード、音楽コンサート、ダンス、芸術展、バルーンフェスティバル、サーカス、闘牛、打ち上げ花火などのアトラクションから、家畜の展覧会、地元の食品や工芸品の展示などのイベントで賑(にぎ)わう。日本パビリオンも設置され、和太鼓などの伝統音楽の演奏も披露されており、「小さな万博」のような賑わいぶりという。  娘が映した動画は、無料のお祭り広場の舞台の模様だ。ソンブレロを被った男性らが、ギターとバイオリンを奏でるマリアッチ。カラフルな衣装で男女が躍るハラベ・タパティオ。そんな中、素朴な面を付けた踊りがあった。円錐(えんすい)型の帽子の縁にはカラフルな色の飾り、衣装は薄い生地の白いシャツとズボン。棒か杖(つえ)のようなものを手に、ステップを踏む仕草があった。  その姿や所作が、県の民俗芸能祭りで見た奄美の加計呂麻島の「諸鈍シバヤ」を演じる男衆にそっくりなのに驚いた。違いは男衆の絹の上着の色が黒いことくらいだ。  遠く離れた地域によく似た文化が見られるのには「なんらかの条件さえ満たされれば、必然的に生まれる」という普遍人類学的考えがある。しかし、太平洋を挟んだ両地域での酷似した舞いは、遠い昔に漂流でたどり着いた人によって伝えられもの、との途方もない考えに私は軍配を上げる。 浜床たかし (11字×61行) 労働コラム 労基法でよもやま話(45) パート・アルバイトでも労災あり 《質問》パート、アルバイトなどの非正規雇用でも、労災保険給付を受け取ることができるのでしょうか。正規雇用の場合と何か違いはあるのでしょうか。 《回答》パート、アルバイトの方も、労災保険給付を受けることができます。また、給付内容は正規雇用者と同様です。  労災保険は労働基準法上の労働者を対象としているため、パート、アルバイト等の就業形態にかかわらず事業主との間に雇用関係があり、賃金を得ていれば、業務又は通勤により負傷した場合などは、一般の労働者と同様に労災保険給付を受けることができます。 (厚生労働省サイト「労災保険に関するQ&A」)  指を切った、脚立を踏み外した、荷物を足の上に落としたなどでケガをした。それが仕事をしているときに起きたことならば労働災害になり、労災保険の給付を受け取ることができます。通勤時も通常の経路(日常生活に必要な寄り道はOK)での負傷ならば、やはり労災保険の対象となります。  個人営業のすし屋の店主が「うちは小さい店だから労災保険なんか関係ない」と言っていたと聞いたことがありますが、規模が小さくても人を雇っていて、その方が仕事中にケガをしたら労災になりますし、事業主が労災保険を収めていなくても労働者は労災を申請することができます。  労災は正規雇用、非正規雇用の別を問わず、雇用関係があれば給付を受けることができます。逆に言えば雇用関係がない業務委託などは労災の対象外となります。  最近「スキマバイト」アプリの広告をよく見かけますが、運営企業のサイトを見ると「労災が適用されるかの判断は、事業者の責任者様へご相談ください。適用される場合には、雇用主である事業者様とワーカー様の間で手続きを進めてください」〈タイミー(ワーカー様向け)ヘルプセンター〉と書かれていました。  同じ仕事にみえても雇用関係にあるのか、業務委託であるのかで労災対象になるかどうかが分かれますので、注意してください。 大阪産業労働資料館エル・ライブラリー 千本沢子 (11字×79行) #7 社会 スキマバイト小咄(9) スキマバイトワーカーが穴埋め  「年収103万円の壁」をめぐるニュースで持ちきりです。この原稿を書いているのは師走のさなかです。「1日だけ」「3時間だけ」といった求人が、私のスマホの通知に入り続けています。そして「今日働いたら全員に5000ポイントプレゼント」など、求人サイトのインセンティブも連日乱発されています。  これには、公務員や会社員の夫に扶養される妻の就労に伴って生じた「103万円の壁」をはじめとする複数の壁の存在が背景にあるようです。扶養内で働きたい、働くよう抑えている妻、あるいは扶養されている子どもが、11月から12月にかけて「壁」を超えないように就労時間を制限しているため、その穴埋めにスキマバイトワーカーをかき集めなければならないのです。  12月5日16時半時点でタイミーに出ている求人を検索してみると、17時からの飲食店ホールスタッフがまだ決まっていません。シェアフルの求人を検索してみると、こちらは年末の物流増加に対応したピッキングや仕分けの求人であふれていますが、明日の枠もまだ埋まっていません。飲食店は1〜2人しか必要なく拘束時間も短めですが、ピッキングは大量のワーカーによる長時間労働が原則です。ビジネスパーソンに人気のピッキングといえども、師走はみなさん本業に忙しく、繁忙期のピッキングの求人が埋まらないのです。  育児や介護などの事情で「壁」を超えたくない、超えられない方々もいます。一方で「壁」など気にすることもできず、ダブルワークやトリプルワークで家計の補填(ほてん)や子どもの学費を捻出している主婦やシングルマザーも多くいます。そして、学生も学費や生活費のためにバイトに励んでいます。  派遣労働者やパート労働者は「雇用の調整弁」として、会社側が簡単に解雇できるものとされてきました。しかし、人手不足のまま迎える2025年の日本では、正社員のスキマバイトワーカーが、派遣やパートの穴を埋める「雇用の調整弁」として、より働く場所を増やしていくのではないでしょうか。労働時間が長くなり「働き方改革」からは逆行しますが…。 エル・ライブラリー 特別研究員 黒川伊織 (11字×81行) 情報 京都文化博物館「世界遺産 大シルクロード展」 シルクロード文化を展観  「シルクロード:長安ー天山回廊の交易路網」が世界文化遺産に認定されて10年、日中平和友好条約45周年記念をうたっての特別展「世界遺産 大シルクロード展」が京都文化博物館で開かれている。昨春から日本各地を巡回して京都が最終開催地となった。  展覧会には、中国全土9省・2自治区27箇所の博物館、研究所からシルクロードの文物や関連資料など200点近くの優品が出品されている。そのうち40点以上が一級文物(日本での国宝に相当)だというから、その眺めは壮観だ。  乾燥気候から出土したせいか、織物類はじめ多くの遺宝たちはほとんど褪色(たいしょく)することなく、当時の色彩を鮮やかに残している。見るものはその美しさに驚嘆させられるはずだ。  写真の《マニ教ソグド語の手紙》は、マニ教の高位の僧から最高位僧へ送られた年賀あいさつの手紙だ。1981年に新疆ウイグル自治区のトルファン・ベゼクリク石窟で出土した。絵の中央には金箔(きんぱく)で「慕闍(マニ教の最高位僧侶)の燃えさかる栄光へ」と書かれているのだという。また、同じトルファンのアスターナ古墓から出土した樹下美人図は、正倉院宝物の鳥毛立女屏風と実に似通っていて驚く。  像、器物、衣服と展示品は多彩。そのすべてが写真撮影可なのもうれしい。会場に掲示された大きな現地光景のパネル写真も見ていて飽きない。▼会期/2月2日(日)まで▼会場/京都文化博物館(地下鉄「烏丸御池」駅5番出口から東へ徒歩約3分)▼開室時間/10時〜18時、金曜日は19時半閉室(入室はそれぞれ閉室の30分前まで)▼休館日/月曜日(祝日の場合は開館、翌日休館)、12月28日〜1月3日▼入場料/一般1600円、高・大学生1000円、小・中学生500円、障がい者手帳などを提示の方(付添者1人含む)は無料▼TEL075(222)0888 (11字×70行) *一級文物《マニ教ソグド語の手紙》11世紀初め 1981年 新疆ウイグル自治区トルファン・ベゼクリク石窟第65窟出土 トルファン博物館蔵 #8 健康 こころとからだの健康づくり(296) 筋肉を刺激する 低強度の筋トレを  加齢とともに筋肉は減少します。一般的に、普通に生活をしていると1年で0・5%ほど少なくなるといわれます。そして50歳を過ぎるとそのスピードはさらに速くなり、1年で1%ほどにもなります。  下肢の筋肉に限っていえば、20歳をピークに減少の一途をたどるという研究結果があります。また重力に抗って立位を支える抗重力筋も、筋肉量が落ちていきます。抗重力筋には大腿(だいたい)四頭筋(腿(もも)の前)、大臀(だいでん)筋(お尻)、腹直筋(お腹の真ん中)、脊柱起立筋(背骨の周り)などがあります。  筋肉量が落ちていく原因には、まず、たんぱく質の合成速度が落ちて、筋肉が作れなくなっていくことが考えられます。加齢による食欲の低下で、筋肉を作る材料が減っているからです。何より大きな原因は運動不足です。筋肉は使われないと小さくなります。これに加齢が加わると拍車がかかってしまいます。  歳をとってもしっかり自分の足で歩きたいなら、運動を行うべきです。特に抗重力筋を重点的に行うことです。  筋肉をつけるためには、低強度の筋トレを10回〜20回できる重さの物を持って、スクワットや腿上げ、かかと上げなどを行ってください。効率良く筋肉がついてきます。筋トレによって刺激を与えると、筋タンパク質は分解されてアミノ酸が放出されます。その時栄誉補給を行うと、筋肉では分解量以上のタンパク質の合成が始まります。タンパク質の合成は筋トレ後およそ3時間でピークを迎え、48時間までは高い状態を維持します。そして72時間後には通常レベルまで戻ります。  筋肉は筋トレ後、筋肉を休ませているときに作られます。ですので、筋トレ後はプロテインや豆乳、納豆や鶏むね肉など、タンパク質が豊富な食品を摂ることが理想です。また筋肉の元となるタンパク質は糖がないと合成しにくいので糖も必要となります。  体内に入ったタンパク質は胃や腸でアミノ酸レベルまで分解され、小腸で吸収されます。このアミノ酸が体からの指令を受け必要に応じて、筋肉、皮膚、髪などに組み替えられます。その作業にはエネルギー、すなわち糖が必要となります。  運動後はタンパク質だけでなく糖も摂取しましょう。筋トレのエネルギー源になり、タンパク質を消化吸収し、筋肉へと変える燃料となる糖は筋肉をつけるのに必須です。そして、週に2回〜3回筋トレを行うのが理想です。  筋肉は熱を発生します。体温を高め冷え性の予防にもつながります。これから寒さもますます厳しくなっていくので、筋トレをして寒い冬を乗りきりましょう! 健康運動指導士 竹田 薫 (11字×100行) 情報 大阪くらしの今昔館 企画展「布のすがた」  大阪くらしの今昔館では、企画展「布のすがた―いまむかし」を2月2日まで開いている。  昔の人々が暮らしの中で使用してきた布と、現在、私たちが手にしている布にはどのような関係があるのだろうか。色、形、材質、用途など各分野で共通するところもあれば、差異もある。そして古い時代のものでも今に通じるヒントやアイデアを見いだすことができる。   企画展では布、特に「染色」にスポットを当てている。現代の染織家たちの作品と大阪くらしの今昔の収蔵品を共演させるように展示することで、新しい布のすがたが発見できる。また染色文化の奥深さや動向を広く発信している。 ▼会期/2月2日(日)まで▼会場/大阪くらしの今昔館企画展示室(大阪メトロ谷町線・堺筋線「天神橋筋六丁目」駅下車、3番出口直結)▼開館時間/10時〜17時(入館は16時半まで)▼休館日/火曜日、12月29日〜1月3日▼入館料/〈企画展〉500円、〈企画展+常設展〉一般1000円、高・大学生700円(要学生証)、中学生以下・障がい者手帳など提示の方(介助者一人含む)・大阪市内在住の65歳以上の方は無料(要証明書)▼問い合わせ/大阪くらしの今昔館TEL06(6242)1170 (11字×47行) #9 自然 生命の海の生きもの(59) ヘビも魚もどちらも「ウミヘビ」  2025年は巳(み)年、ヘビの年だ。ヘビにまつわる海の生き物と言えば、とりあえずウミヘビだろう。だがこのウミヘビ、本当にヘビの仲間のウミヘビと、ヘビではなく魚類であるウミヘビが居るのはご存じだろうか。今回はヘビと魚、双方のウミヘビについて紹介する。  正しくヘビの仲間、すなわちは虫類であるウミヘビは、世界で約70種知られている。元々陸に生息していたヘビが海に適応する形で進化したものなのでエラは持たず、水中では呼吸できない。ときどき息継ぎのために水面に顔を出さなければならないのだ。  ヘビなので当然ながらヒレも持たず、代わりに尾がオール状になっている。これを使いながら体を横にくねらせて泳ぐ。全身にうろこが目立つのもいかにもヘビ、という感じだ。暖かい亜熱帯から熱帯の海にかけて生息しており、日本では沖縄近海で見ることができる。エラブウミヘビといえば聞いたことがある人も多いのではないだろうか。沖縄ではこれを食料にすることでも有名だ。  ちなみにウミヘビはヘビの中でもコブラの仲間であり、トップクラスの強い毒を持つ種類が多い。性質はヘビの中ではおとなしく、また咬(か)まれても毒の注入にまで至ることは少ない。とはいえ、やはり警戒は必要だ。  一方魚のウミヘビは、当然ながらヘビの仲間ではなく、ウナギ目に属するウナギやウツボの仲間だ。こちらは本家本元のは虫類のウミヘビよりも種類が多く、世界で300種以上、日本周辺だけでも70種以上が知られている。大きさもさまざまで、10aに満たない小さい種から、2bを超える大型の種まで存在する。基本的には温帯から熱帯の海に生息するが、一部淡水にすむ種もいるのだとか。  名前の由来はご想像の通り、ヘビに似た細長い身体をしているから。その理由で魚類ですらない名をつけられたのだから、なんとも迷惑な話だ。魚類なので、もちろんエラで呼吸するし、種によっては一部が退化しているものの基本的にはヒレがある。魚だがウナギの仲間なのでうろこは退化してほとんど見えない。毒も持たないが、歯が鋭い種もいるので警戒が必要なところは同じだ。  ダイナンウミヘビやホタテウミヘビなどは水族館でよく見られる。へび年の新春にはきっと、特別展示として目立つところに置いてもらえることだろう。(和) (11字×87行) *魚類のダイナンウミヘビ。砂に潜って顔だけを出している 情報 ユニセフ写真展 SDGsとユニセフ  ピースおおさかでは、特別展として、ユニセフ写真展「SDGsとユニセフ〜子どもたちの命と健康と未来を守る〜」を1月18日から開く。  世界各地で起こっている「紛争」「異常気象」そして「感染症」。これらは子どもたちの命と健康、未来を脅かすもの。そして同時にSDGs「持続可能な開発目標」達成にも大きな影響を与えている。  この写真展では、ユニセフの主要課題である「栄養」「保健」「教育」「水と衛生」に焦点を当て、関連するSDGs課題の達成状況や、世界の子どもたちの置かれた状況、そしてユニセフの支援について紹介する。 ▼会期/1月18日(土)〜2月16日(日)▼会場/ピースおおさか特別展示室(大阪メトロ「森ノ宮」駅1号出口から西へ200b、JR環状線「森ノ宮」駅北出口から西へ400b)▼開館時間/9時半〜17時(入館は16時半まで)▼休館日/月曜日、1月28日、2月12日▼入館料/一般250円、高校生150円、中学生以下・65歳以上・障がい者の方は無料(要証明書)▼問い合わせ/ピースおおさか(大阪国際平和センター)TEL06(6947)7208、FAX06(6943)6080 (11字×45行) #9 デジタル 個人的DXのススメ(19) 9 AIに段階的思考を促す CoTプロンプトでより正確に  Chain―of―Thought(CoT)プロンプトは、AIに複雑な課題を解かせる際に有効な手法だ。このプロンプトでは、AIに「段階的に考えて」と指示することで、思考をひとつずつ進めさせ、応答の正確性と信頼性を高めることができる。  CoTプロンプトは、特に数学や論理的推論を必要とする課題に適している。この手法の特徴は、AIが問題を分解しながら考えることで、途中経過を明示し、最終的な結論だけでなくその根拠も示す点にある。  たとえば、「リンゴが12個あります。3個ずつ袋に詰めると、袋はいくつ必要になりますか」という問題を解く場合、通常の指示ではAIは単に「4袋です」と答えを出力するだけで終わることが多い。しかし、CoTプロンプトで「段階的に考えて」と指示すると、「リンゴの総数は12個です。1袋に3個入るので、12割る3は4。必要な袋は4袋です」と、思考過程を詳しく示しながら解答する。このように、途中の検証を含めた応答を行うため、計算ミスや論理の抜け漏れが減少する。  CoTプロンプトを使用することで、AIの応答は一度に全体を処理する場合に比べて、精度が大幅に向上する。このプロンプトはシンプルでありながら強力であり、AI活用を効果的に進める鍵と言える。 (11字×50行) 情報 大阪自然史博物館 新春ミニ展示「巳年」  大阪自然博物館では、干支にちなんだ恒例行事として新春ミニ展示「巳年展〜蛇にちなんだいろいろな標本〜」を1月5日から開く。  主な展示は、翅(はね)に蛇の目のような模様を持つ〈ジャノメチョウ(蛇の目蝶)〉の標本や、日本周辺やインド―西太平洋の沿岸域に生息している、魚のウミヘビ、〈ホタテウミヘビ〉の全身標本など。または虫類のウミヘビ標本も展示される予定なので、魚のウミヘビとの違いを見比べることができる。  新春のひととき、さまざまな「へび」に出会いに出かけたい。 ▼会期/1月5日(日)〜26日(日)▼会場/大阪市立自然史博物館(大阪メトロ御堂筋線「長居」駅下車3号出口より東へ約800b、長居公園内)▼開館時間/9時半〜16時半(入館は16時まで)▼休館日/月曜日、ただし祝休日の場合は翌日▼観覧料/一般300円、高・大学生200円、中学生以下・障がい者手帳をお持ちの方(介護者1人を含む)・大阪市在住の65歳以上の方(要証明)は無料▼問い合わせ/TEL06(6697)6221 (11字×41行) 情報 市民セミナーで学ぶ ベトナムのこと  大阪市立難波市民学習センターで開いているネットワーク型市民セミナー。1月のテーマは「楽しく学ぼう!ベトナムのこと」だ。  大阪市内の外国人居住者の中で、3番目に多い国籍がベトナムだ。しかし、われわれは意外とベトナムのことを知らない。  そこで、セミナーではベトナム・ホーチミン出身のシチゴック・トゥエットさんを講師に迎え、ベトナムの食文化や手芸、お正月の様子などを紹介してもらう。楽しく学びながら、ベトナムのことを理解するセミナーとなる。 ▼日時/1月24日(金)14時〜15時半▼会場/難波市民学習センター講堂(JR「難波」駅上、大阪メトロ「なんば」・近鉄「難波」駅西側改札より徒歩3分、OCATビル4階)▼定員/80人(先着順)▼参加費/無料▼対象/大阪市内在住・在勤・在学中の方▼申込方法/インターネット(https://osakademanabu.com/namba)、電話、来館で。詳細は問い合わせを▼締め切り/定員に達するまで受け付け▼申込先・問い合わせ/大阪市立難波市民学習センターTEL06(6643)7010 (11字×43行) #11 文化 現代的「文楽」あんない(69) 家に縛られていた女性がキツネとともに氷を渡る 本朝廿四孝(ほんちょうにじゅうしこう)  キツネは、かつて人々の身近にいる動物だった。そのため物語にはよく登場する。イソップ物語では負け惜しみを言う「狐とぶどう」、ツルにやりこめられる「狐と鶴のご馳走(ちそう)」などがあるが、その性格は良くないメージがつきまとう。  またキツネは、中国では昔から霊力がある動物とされ、豊作祈願の対象となっていた。日本の稲荷(いなり)神社は農作物の神様から商売全体の神様となり、そのお使いはキツネである。  文楽でもキツネはよく出てきて変幻の力を持つ。親孝行な源九郎狐(義経千本桜)、絶世の美女に化けて権力者を惑わす九尾の妖狐(ようこ)(玉藻前(たまものまえ)曦袂(あさひのたもと))、子どもとの別れを悲しむ葛(くず)の葉(は)(「芦屋道満(あしやどうまん)大内鏡(おおうちかがみ))などがある。   今回上演される「本朝廿四孝」もキツネが活躍する。後半の「奥庭狐火(おくにわきつねび)の段」の主役は恋人を思う八重垣姫で、父親が大切にしている霊力を持つ兜(かぶと)を盗み出し、恋人に届けようとする。しかし父は恋人を殺すつもりだ。そのことを伝えて助けたいが、そのすべがない。  「アァつばさが欲しい、羽が欲しい、飛んで行きたい、知らせたい、会いたい、見たい」  とたたみかけるように心情を紡ぎ出す。  ここで諏訪明神の使いのキツネが登場する。霊力を持つ諏訪法性(すわほっしょう)の兜は明神の神体に等しいので、八重垣姫が兜を持つと、たくさんのキツネが守ってくれるのだ。八重垣姫自身も姿が変わっていき、人かキツネかわからなくなる。おしとやかだったお姫様が恋人を思うあまり、キツネになって「乱れる」ところが人形遣いの見せ場である。  厳冬の諏訪湖では、氷が盛り上がり、御神渡(おみわた)りという不思議な現象が現れることがある。これは狐渡りともいい、諏訪明神の使いのキツネが渡るとの伝説がある。  兜を持った八重垣姫は、多くのキツネたちに守られ、この氷の道を走って男に会いに行く。家のために縛られていた女性が自由に飛翔(ひしょう)しようする姿は美しい。 <初春文楽公演> ▼公演期間/1月3日(金)〜26日(日)▼休演日/1月15日▼会場/国立文楽劇劇場(地下鉄「日本橋」駅下車、7号出口より徒歩1分)▼開演時間/<第1部>11時、<第2部>2時15分、<第3部>17時半▼演目/<第1部>「新版歌祭文(しんぱんうたざいもん)」、<第2部>「仮名手本忠臣蔵(かなでほんちゅうしんぐら)」、<第3部>「本朝廿四孝(ほんちょうにじゅうしこう)」▼TEL06(6212)2531 小山帥人(ジャーナリスト) (11字×90行) *八重垣姫が諏訪法性の兜を手に取ると、諏訪明神の使いである白狐が現れる 情報 ピースおおさか ウイークエンド・シネマ  ピースおおさかでは、所蔵する映像資料を広く鑑賞してもらう機会としてウイークエンド・シネマを開いている。1月の上映作品は『世界のはしっこ、小さな教室』(2021年/フランス/1時間22分)だ。  ブルキナファソの僻地。雪原にある仮設の学校で困難に直面しながらも教壇に立つ3人の先生と、子どもたちの姿を捉えた感動の教室ドキュメンタリーだ。 ▼上映日/1月の4日を除く各土曜日、14時から▼会場/ピースおおさか講堂(大阪メトロ「森ノ宮」駅1号出口から西へ200b)▼参加費/無料、ただし入館料が必要▼申込み不要(当日先着順)▼問い合わせ/ピースおおさか(大阪国際平和センター)TEL06(6947)7208 (11字×28行) #12 本 最近読んだ本 つい昨日のできごと 父の昭和スケッチブック 小手鞠るい 著 文もさることながら 絵の説得力が抜群!  本のサブタイトルには『父の昭和スケッチブック』とあるが、原画のスケッチブックは『マンガ自分史』のタイトル。著者の父親が描いたものでつぎの4冊からなる。  @伊予の宇和島よいところ(1931〜1943)A岡工時代(1943〜1949)B東京てんやわんや(1950〜1952)C楽しきかな子育て三昧(1953〜1963)。  「父は今、九十二歳。二〇二四年の十一月には九十三歳になる。私の郷里の岡山で、ひとつ年下の母の介護をしながら、元気で暮らしている」という。      *  著者はこのスケッチブックに『昭和絵日記』と名付け、原画のすべてを再録しながら、そこに自分の思いを書きつらねていく。  父親の絵と添えられた言葉が当時の状況を伝えてくれる。付け加えられた著者の文章がさらに絵解きとなって状況が明確になる。      *  こんな一節が。「1955年11月3日、ふたりはめでたく結婚した。このとき、父は二十三歳、母は二十二歳。若いなあ。あれ?計算が合わないんじゃないの、と、私は初めてこの絵日記を読んだときに気づいて失笑したものだった。私が生まれたのは、一九五六年三月十七日。ということは、私はふたりが結婚式を挙げた日にはすでに、母のお腹の中にいたことになる」。      *  『昭和絵日記』には、「パチンコ屋から軍艦マーチが流れ出す」「歌声喫茶に集う」の絵や、三種の神器≠ニいわれた「洗濯機・冷蔵庫・テレビ」の絵もある。  とにかく、昭和≠ニいう時代のさまざまなことがらが(著者はそれらを「つい昨日のできごと」という)、マンガ・絵・スケッチとして描かれている。添えられた言葉とともに説得力バツグン!      *  著者小手鞠るいは1992年にアメリカに移住。現在はニューヨーク州ウッドストック在住。児童書・文芸作品、ともに著書多数。 《窪田聡》 (11字×76行) *平凡社 本体1800円+税 本 おすすめBOOK ひとり温泉 おいしいごはん 山崎まゆみ 著  空前の一人旅ブーム到来!出かけたくなる温泉の魅力・情報が満載だ。  気の向くままに、誰にも気兼ねせず温泉でほっこり癒され、土地のおいしいもの堪能し地元の人々と交流する「ひとり旅」。想像するだけで、わくわくが止まらない。  旅の準備、宿選びのこつ、タイプ別「マイ温泉」の見つけ方など、女性の一人旅への不安を解消するアドバイスが豊富にあるのが嬉しい。さらに泉質10種類の説明があるので、自分と相性のよさそうな源泉も探せる。  山形県で藤沢修平の本棚をみつけて読みふける、黒川温泉で赤牛を堪能する、鹿児島で桜島を眺めながら温泉に入っておいしい料理を食べる…  各地の温泉旅館が紹介されている。温泉好きのあなた、さあどこに行こうか。楽しみが増える1冊だ。 (知) (11字×31行) *河出文庫 本体810円+税 #13 食べもの 暮らしの中の魚(172) イワシ  イワシの煮干しは、主にカタクチイワシを煮て乾燥させたもので、だしに使われています。自然食や健康食がブームの昨今、不足しがちなカルシウムなどミネラル分の補給源としても評価が高まっています。ラーメン屋が盛んに使っていることでも関心を集めています。  良品は、水揚げして鮮度が良いうちに加工したもので、「へ」の字をしています。魚は鮮度が落ちると内臓から傷むため、腹が切れているものは鮮度が落ちたものです。また脂がのっている魚は一般的にはおいしいのですが、だしの材料では脂の少ないものが上物、保存がきくためです。銀色に光ってるものは脂が少なくコクのあるだしが取れ、腹や頭が茶色くなっているものは脂が酸化してえぐ味が出てきます。  だしの取り方には煮出し法と水出し法があります。煮出し法はコクのある味わいで、水出し法はすっきりとした上品な味が特徴です。両方とも1gの水に30cのイワシの煮干しを用意し、だしをとってみましょう。  煮出し法は30分くらい水に浸け、中火に掛けて沸騰したら弱火にし、20分ほど煮出します。途中で浮いてくるアクを取り、キッチンペーパーでだしをこすとできあがりです。水出し法は水に煮干しを浸して一晩おくとできあがりです。煮干しの苦味などが気になるという方は、水に浸す前に頭と内臓を取り除いてください。  それでは煮干しだしで体の芯から温まるみそ汁を作りましょう。具材は油揚げや豆腐、キノコ類、大根やニンジンなどの根菜、小松菜などの葉物のうち複数を用意します。だし汁に根菜を加えて火が通ったら他の具材を入れてみそを溶き入れ、沸騰直前で火を止めてできあがりです。熱々を食べると幸せな気分になりますよ。  子どものいる家庭では、煮干しのみそ汁を小さいうちから食べさせ続けると、だしのうま味を知り、みそも野菜も好きになるのでお勧めです。だしがらは佃(つくだ)煮などにして食べきりましょう。イワシの煮干しでだしを取り、和食の良さを再発見。来年も健康な1年になることを願っています。 (11字×76行) *イワシの煮干しを低温の油で素揚げにして塩を振りかけると酒の肴(さかな)に最適です エッセイ いつもランラン(336) 壁、壁、壁  「年収の壁」というのがある。今話題になっているのが103万円、所得税がかかるようになる年収だ。他にも社会保険料がかかるようになる106万円、扶養家族から外れる130万円などがある。  国民民主党はそれらの壁のうち、103万円を178万円に引き上げるよう求めているが、与党の回答は今のところ123万円とかなり低い。もちろん働く人間にとっては引き上げ額が多いほうがうれしいが…。さて国民民主は予算案を前にどれだけ粘れるか。  だがその前に、他の壁との兼ね合いはどうなるのか。また所得税が減収することで国民は不利益を被らないだろうか。全く中身が見えてこない。どうも103万円という金額だけが一人歩きしている気がする。  だいたいこれらの壁が決まったのはいったいいつのことだ。夫が外で働き、妻は専業主婦が当たり前という時代だったのではないか。そんな頃から見れば時間給は上昇し、働く環境も大幅に変化している。  少子高齢社会となり、働き手が不足しているのが今の社会だ。その現状を改善するには、小手先の対策ではなく壁そのものの見直しを。国は将来に向け明確なビジョンを示すべきだ。(ぴ) (11字×46行) #14 映画 港に灯がともる 2025年/日本/1時間59分/監督:安達もじり/脚本:安達もじり、川島天見/出演:冨田望生(金子灯)、麻生祐未(金子栄美子)、甲本雅裕(金子一雄)/配給:太秦 涙とともに前に進む姿が 復興の歩みと共振する  阪神・淡路大震災30年を期して公開される、神戸発の映画。主人公は震災の翌月に生まれた在日韓国人3世の金子灯(あかり)という女性。その18歳からの12年間を描く。  灯は高校を卒業後すぐに造船所に就職して一人暮らしを始める。20歳になり、成人式の日には実家を訪れるが、父母は不仲で別居を始めるところだった。姉は帰化申請すると言っていて、この問題でも父とぶつかっている。  父とうまく折り合えない灯は、「祖父母の苦労を知らないくせに」と父に罵(ののし)られて情緒不安定となり、仕事も辞め、精神科に通うようになってしまう。  そんな日々を過ごすうちにも、姉は着々と父を除く家族全員で帰化申請しようと準備を進めていた。震災時の長田区の火事で家も仕事も失った父は、震災の苦労や在日として噛(か)みしめてきた苦しみが娘に伝わらないことにいら立ちを募らせる。父と話すうちに灯もまた感情を高ぶらせ、泣きじゃくるしかない。この場面での灯の涙が一つの転機になる。  この映画では在日の法的問題も帰化の手続きなどの細かいこともほとんど説明されないので、金子一家が帰化して後、初めての選挙で投票所に母親が浮き浮きと出かける場面など、何を意味するのかわからない観客もいるのではないか。在日コリアンの人々は日本に生まれ育って税金も日本人と同じように納めているのに選挙権がない。ここはそのことを鮮烈に表現した場面であり、とても印象に残る。  やがて再就職した設計事務所での仕事が、灯に前を向いて生きる力を与えてくれるようになる。それは老朽化した市場を建て直し、人々の絆を取り戻す希望に満ちた仕事になるはずだった…。  灯は映画の巻頭から何度も号泣し、何度もわめき、何度もつまずく。けれど、少しずつ前に進んでいこうとするその姿が、神戸の復興の歩みと共振していく。悲嘆の涙が共感の涙へと変わっていく様子を目撃できるのが、この映画の醍醐味(だいごみ)だ。  彼女の在日としての苦しみの淵源(えんげん)はどこにあるのだろう。帰化することによってそれは消えたのか? アイデンティティを巡る苦しさはまだ続くだろう。けれど、灯は神戸の人々とともに必ず前に進む。そんな予感がそこはかとなく漂うラストであった。  ところで、灯が最初に就職する造船所は川崎重工業がモデル。ここはかつて川崎造船所という名であり、隣接する三菱造船とともに1921年に戦前最大の労働争議が起きた場所として名高い。8時間労働制発祥の地でもあり、記念碑が神戸ハーバーランドに建っている。 エル・ライブラリー(大阪産業資料館) 館長 谷合佳代子 ▼公開日/1月17日(金)より全国順次公開▼上映館/<大阪>テアトル梅田TEL06(6440)5930、他、<京都>MOVIX京都TEL050(6865)3125、他、<兵庫>元町映画館TEL078(366)2636、他 (11字×110行) *阪神淡路大震災の翌月に生まれた在日韓国人3世の金子灯。彼女の18歳からの12年間を描いた作品だ *(C)Minato Studio 2025 #15 映画 <新年号に掲載した映画紹介記事のショートバージョン> 雪の花 −ともに在りて− ▼2024年/日本/1時間57分/監督:小泉堯史/原作:吉村昭『雪の花』(新潮文庫刊)/脚本:齋藤雄仁、小泉堯史/出演:松坂桃李(笠原良策)、芳根京子(千穂)、役所広司(日野鼎哉)/配給:松竹▼公開日/1月24日(金)から全国公開 不治の病に立ち向かった 青年医師の実話  江戸時代末期の福井藩で種痘を始めた若き町医者、笠原良策の苦闘を描く。彼は立身出世に頓着せず、人々を救いたいという一心で種痘の普及に心血を注ぐ人物である。しかも実在の、というから歴史好きにはたまらない話だ。  医者も恐れる不治の病である疱瘡(ほうそう)(天然痘)には治療方法などなかった。漢方医である良策は自らの無力を嘆くが、西洋には種痘という予防法があること、さらにその手法が既に日本に伝わっていることを知る。  だがその種痘のための牛痘苗を海外から取り寄せなければならず、幕府の許可も必要だった。決して諦めない良策の苦闘がここから始まる。常に良策を励ます糟糠(そうこう)の妻千穂の貢献も大きい。  本作は私利私欲ではなく衆生を救うために、ただひたすら町医者であることにこだわった青年医師の尊さを描く力作。圧巻は雪の峠越えだ。痘苗を枯らさないために時間との闘いを敢行し、猛吹雪をついて前進する姿に震えた。  四季折々の美しい日本の風景にも癒され、見終わった後に清々(すがすが)しい気分が残る。松坂桃李が爽やかな熱血漢を演じて、はまり役。 エル・ライブラリー館長 谷合佳代子 (11字×45行) *福井藩の町医者、笠原良作は、疱瘡から人々の命を守るため、立ちはだかる困難を前に闘い続けていた *(C)2025 映画「雪の花」製作委員会 映画 <前ページに掲載した映画紹介記事のショートバージョン> 港に灯がともる ▼2025年/日本/1時間59分/監督:安達もじり/脚本:安達もじり、川島天見/出演:冨田望生(金子灯)、麻生祐未(金子栄美子)、甲本雅裕(金子一雄)/配給:太秦▼公開日/1月17日(金)より全国順次公開 涙とともに前に進む姿が 復興の歩みと共振する  阪神・淡路大震災30年を期して公開される、神戸発の映画。主人公は震災の翌月に生まれた在日韓国人3世の金子灯(あかり)という女性。その18歳からの12年間を描く。  彼女には在日としての確たるアイデンティティもなく、姉から「日本に帰化する」と主張されるとなんとなく引きずられてしまう。帰化に反対する父とは折り合えず、心を病んでしまった。  この映画の灯は冒頭から泣いてばかりいる。前半は彼女の慟哭(どうこく)を見せつけられて暗い場面が続くので、観客もつらいだろう。だが、やがてカウンセリングなどを通じて少しずつ立ち直っていく。そして何よりも彼女が立ち直る大きなきっかけは、再就職した設計事務所でのコミュニティ作りの仕事だった。  在日一世の苦労を知る父の苦悩、アイデンティティの揺らぎと向き合う灯の苦悩、それぞれの苦しみがぶつかりあうが、いつしか街の復興の道筋とともに希望が見えてくる。灯の悲嘆の涙が共感の涙へと変わっていく様子を目撃できるのが、この映画の醍醐味(だいごみ)だ。  灯は神戸の人々とともに必ず前に進む。そんな予感がそこはかとなく漂うラストであった。 エル・ライブラリー館長 谷合佳代子 (11字×45行) *阪神淡路大震災の翌月に生まれた在日韓国人3世の金子灯。彼女の18歳からの12年間を描いた作品だ *(C)Minato Studio 2025 #16 パズル クロスワードパズル <タテのカギ> 1 実際の出来事を記録した映像 2 ←→海 3 イーグル 4 上衣と下衣が一体となった服 5 上っ○○、○○構え 6 明るくにぎやかなさま 7 詩を句切って何行かを一まとめにしたもの 8 パーク 9 カープ 10 縮こまって小さくなること 11 エルボー 12 テレフォン 13 社会に役立つよう尽力し、寄与すること <ヨコのカギ> 1 粗挽き豆に熱湯を注ぎ抽出したコーヒー 5 ムーン 7 花の首飾り 9 旧国鉄の大都市周辺を走る近距離電車 14 しゅんぎくの異称 15 群れをなす魚の集まり具合 16 ◯◯、胴、小手 17 ←→雲散 18 米、炭を入れるためワラを編んで作った袋 19 ←→元金 20 日本の通貨単位 21 鰯 *■AからGまでの文字をつなげてできることばは… *■答えは「デクレッシェンド」 情報 大阪歴博の特集展示 稲作にまつわる民俗  大阪歴史博物館では、特集展示として「稲作民俗事始め―米をつくる技術、米がつくる文化―」を12月25日から開く。  稲作は日本人にとって基本的な生業だった。それを示すのが、鏡餅やお花見、稲荷神社など稲作から派生した風習や信仰であり、農具の改良や新たな農法の導入といった米作りの歴史だ。  この特集展示では、近年の民族学研究を振り返りながら、農具を中心とした技術伝承や農耕儀礼、穀霊信仰などの資料を紹介。人々がどのように稲作に向き合ってきたのかを見ることになる。 ▼会期/12月25日(水)〜2月17日(月)▼会場/大阪歴史博物館(大阪メトロ谷町線・中央線「谷町四丁目」駅下車、2・9番出口)▼開館時間/9時半〜17時(入館は閉館の30分前まで)▼休館日/火曜日、12月28日〜1月4日、ただし2月11日は開館、翌日休館▼観覧料/一般600円、高・大学生400円、中学生以下・大阪市内在住の65歳以上・障がい者手帳などをお持ちの方(介護者1人含む)は無料(要証明証)▼問い合わせ/大阪歴史博物館TEL06(6946)5728 (11字×42行) #17 シネマはやっぱりおもしろい −1月公開の映画− 366日  沖縄と東京を舞台に描かれるのは、20年にわたる純愛ラブストーリー。モチーフは沖縄出身のバンド、HYの代表曲「366日」だ。  2004年。高校生の湊は父親を早くに亡くし、母親に育てられていた。だがその最愛の母親も病気で亡くなり、自暴自棄に。そんな湊を支え、励ましたのが後輩の美海だ。彼女の明るさ素直さに触れ、前を向き自身の音楽を作りたいという夢を思い出す湊。そして二人は恋に落ちた。  「いつか湊先輩の作った曲、聴きたいです」と美海。やがてそれは二人の約束に。卒業を迎えた湊は、夢をかなえ美海との約束を果たすため東京の大学に。2年後、美海も上京、同じ大学に入り、二人は一緒に暮らし始めた。そして幸せな日々。それがずっと続くように願う二人だった。  だが時が流れ、音楽制作会社に就職した湊は仕事に追われ、美海は憧れの通訳になるための就活に苦戦していた。やがて二人は、互いを思いやりつつも少しずつすれ違ってゆく。そんなある日、突然湊が別れを告げ、去ってしまった。悲しみを抱え沖縄に戻った美海。二人は別々の人生を歩み始めることとなった。  それから15年。東京の湊のもとに一人の少女が訪ねてきた。そして彼女が湊に手渡したのは1枚のMD。そこには美海のメッセージが入っていて…  美しく切ないラブストーリーだ。思わず涙するシーンも。 ▼2024年/日本/2時間2分/監督:新城毅彦/原作:「366日」物語委員会/脚本:福田果歩/出演:赤楚衛二(真喜屋湊)、上白石萌歌(玉城美海)、中島裕翔(嘉陽田琉晴)/配給:ソニー・ピクチャーズエンターテイメント、松竹▼公開日/1月10日(金)全国公開▼上映館/<大阪>大阪ステーションシティシネマTEL050(6861)8100、他、<京都>MOVIX京都TEL050(6865)3125、他、<神戸>kino cinema 神戸国際TEL078(230)3580、他 (11字×74行) *(C)2025映画「366日」製作委員会 #18 情報 アートが好き 開催中とこれからの展覧会 特別陳列「春日若宮おん祭の信仰と美術」 ▼会期/1月13日(月・祝)まで▼会場/奈良国立博物館(「近鉄奈良」駅から登大路を東へ徒歩約15分)▼開館時間/9時半〜17時(入館は閉館の30分前まで)▼休館日/月曜日と12月28日〜1月1日、ただし1月13日は開館▼観覧料/一般700円、大学生350円、高校生以下および18歳未満・満70歳以上・障害者手帳などをお持ちの方(介護者1人を含む)は無料▼TEL050(5542)8600 (11字×17行) *国宝《若宮御料古神宝類 金鶴及銀樹枝》 奈良・春日大社 「Osaka Directory 8 Supported by RICHARD MILLE 谷中 佑輔」 ▼会期/12月21日(土)〜1月19日(日)▼会場/大阪中之島美術館2階多目的スペース(京阪中之島線「渡辺橋」駅2番出口から南西へ徒歩約5分)▼開場時間/10時〜17時▼休館日/月曜日と12月31日、1月1日、1月14日。ただし1月13日は開館▼観覧料/無料▼問い合わせ/大阪市総合コールセンターTEL06(4301)7285 (11字×14行) *《Pulp Physique #7》 2022年 撮影:大塚敬太+稲口俊太 開館15周年記念「山王美術館コレクションでつづる 藤田嗣治 佐伯祐三 荻須高徳展」 ▼会期/1月31日(金)まで▼会場/山王美術館(JR「京橋」駅西口改札・京阪「京橋」駅片町口改札から徒歩約5分)▼開館時間/10時〜17時(入場は16時半まで)▼休館日/火・水曜日と12月29日〜1月2日▼観覧料/一般1300円、高・大学生800円、中学生以下500円(保護者同伴に限り2人まで無料)▼TEL06(6942)1117 (11字×15行) *佐伯祐三 《巴里街景》 1924年 山王美術館蔵 琳派展24「抱一に捧ぐ―花ひらく<雨華庵(うげあん)>の絵師たち―」 ▼会期/2月2日(日)まで▼会場/細見美術館(京都市バス「東山二条・岡崎公園口」下車、東へ徒歩約3分、地下鉄東西線「東山」駅2番出口より北へ徒歩約10分)▼開館時間/10時〜17時▼休館日/月曜日(ただし祝日の場合は翌日)、12月26日〜1月6日▼入館料/一般1800円、学生1300円▼TEL075(752)5555 (11字×14行) *酒井道一《葛に女郎花図》 明治期 新春特集展示「巳づくし―干支を愛でる―」 ▼会期/1月2日(木)〜2月2日(日)▼会場/京都国立博物館・平成知新館(京都市バス「博物館三十三間堂前」下車すぐ、京阪「七条」駅下車、東へ徒歩7分)▼開館時間/9時半〜17時、金曜日は20時閉館(入館は閉館の30分前まで)▼休館日/月曜日、ただし1月13日は開館、翌日休館▼観覧料/一般700円、大学生350円、高校生以下・18歳未満、満70歳以上の方は無料(要証明書)・障害者手帳などをお持ちの方(介護者1人含む)は無料▼TEL075(525)2473 (11字×20行) *《草花獅子蛇文様金華布裂(部分)》 京都国立博物館蔵 「芦屋の文化財再発見―最新のヨドコウ迎賓館温室跡発見まで―」 ▼会期/2月9日(日)まで▼会場/芦屋市立美術博物館(阪神「芦屋」駅から南東へ徒歩約15分、阪急「芦屋川」駅から阪急バス「新浜町」行きに乗車、「緑町」下車3分)▼開館時間/10時〜17時(入館は16時半まで)▼休館日/月曜日(ただし祝日の場合は翌日)、12月28日〜1月4日▼観覧料/一般800円、高・大学生500円、中学生以下無料、65歳以上・障がい者手帳などをお持ちの方(介護者を含む)は各当日料金の半額▼TEL0797(38)5432 (11字×20行) *《伊勢物語画帖》 江戸時代中期 芦屋市立美術館蔵 #19 ミニニュース 小惑星りゅうぐう 砂に塩の結晶  日本の探査機はやぶさ2が小惑星りゅうぐうで採取した砂粒の表面から、塩の結晶を発見したと京都大学などの研究チームが11月21日までに英科学誌に発表した。りゅうぐうにはかつて水が存在していたとされ、塩分が含まれていることは確認されていたが、チームによると塩の粒が見つかったのは初めて。  今回確認された種類の塩は、地下に海を持つ木星などの衛星からも見つかっており、京都大学の松本徹特定助教は「太陽系の広い範囲で似たような水の環境が広がっていた可能性もある」としている。  チームは、はやぶさ2が持ち帰ったりゅうぐうの砂について、表面を光学顕微鏡などで観察した結果、表面に微小な白い鉱物を発見した。この鉱物を特殊な電子顕微鏡で詳しく調べたところ、岩塩の結晶などであることが分かった。  結晶には岩塩やナトリウム炭酸塩などが含まれることも判明し、地球の海水とは異なる成分の塩水だったと考えられる。  チームは塩水の濃度は高かったと推測している。水分が蒸発したか、凍結して宇宙空間に昇華し、結晶ができたとみている。 (11字×43行) 150万年前の足跡 同時期の猿人と原人  アフリカ・ケニア北部、トゥルカナ湖沿岸の約150万年前の地層から、同時期に残ったとみられる猿人と原人の足跡を発見したと、米チャタム大学やストーニーブルック大学などの国際研究チームが11月29日付の米科学誌サイエンスに発表した。  異なる種の古人類が、どのように共存して暮らしていたかを探る貴重な手掛かりだという。  連続した足取りが分かる足跡のほか、脇に点在する足跡があり、それぞれ猿人の「パラントロプス・ボイセイ」と、より進化した原人の「ホモ・エレクトス」が残したと推定された。  他の場所で見つかっている頭骨や骨格の化石から、ボイセイは小柄でも頑丈な顎で植物の茎や根、堅い実などを食べていたとみられる。一方、エレクトスは現生人類(ホモ・サピエンス)と同属で、直立二足歩行を確立し、その後の時代に欧州やアジアに進出したと考えられている。  (11字×35行) 認知症抗体薬発売 日本で2例目  米製薬大手イーライリリー日本法人は11月20日、アルツハイマー型認知症新薬「ドナネマブ(商品名ケサンラ)」を26日に発売すると発表した。脳に蓄積して神経細胞を傷つけるタンパク質「アミロイドベータ」を除去して進行抑制を狙う抗体薬で、エーザイなどの「レカネマブ」に次ぐ2例目。  対象はアルツハイマー病による軽度認知障害や軽度認知症の患者で、4週間ごとに点滴で投与する。原則1年半続け、アミロイドベータの除去が確認されれば途中でやめられる。  副作用として脳のむくみや微小な出血が一定の割合で報告されており、公定価格(薬価)は患者1人当たり年約308万円。 (11字×26行) お知らせ ログインにはユーザー名とパスワードを  機関紙編集者クラブの公式ホームページ「機関紙@編集者クラブ」をご活用いただき、ありがとうございます。  毎月本紙「編集サービス」発行から2〜3日後に更新しているこのホームページですが、会員向けのメンバーページへアクセスするためには、ユーザー名とパスワードを入力するログインが必要となっています。またパスワードは毎月1日を基準として1カ月ごとに変更しています。なお、ユーザー名およびパスワードにつきましては別表をご確認下さい。  会員の皆様にはお手数をおかけすることになりますが、セキュリティーの強化のため、ご協力いただきますようにお願いします。  なお、記事や写真のダウンロードなどメンバーページの利用方法は従来通りですので、会員皆様の機関紙作成にご活用ください。 ホームページ URL http://www.club2010.sakura.ne.jp メンバーページ ログイン  <ユーザー名>  club  <パスワード>  8uf1kxpn(12月1日より)  dx3pt581(1月1日より) #20 データウォッチング がん情報がみつからない ネットの情報検索に対策を  がん患者がオンライン上でがん情報を調べる際、何に困るのかを患者団体が調査した。  それによると困難を感じている人は45%。とくに若い世代や再発、希少がんの患者がより多く困難を感じていた。  具体的には「自分に合った情報が見つけられない」「情報が分散」「専門用語が多い」が8割以上を占めた。これを受け関係団体は「がん情報の均てん化をめざす会」を結成。提言をまとめ、対策が必要とした。 (11字×18行) *2024年11月8日朝日新聞