小磯良平の幻の名作《日本髪の娘》が、約90年ぶりに韓国から里帰りした。神戸市立小磯記念美術館はこれを機に小磯の画業を、《日本髪の娘》を含めた数々の名品で紹介する特別展「小磯良平展―幻の名作《日本髪の娘》」を3月22日まで開いている。 日本を代表する洋画家、小磯良平が《日本髪の娘》を描いたのは戦前のこと。1935年の「第1回第二部会展」に出品後、時を置かず海を渡り、李王家美術館のコレクションとなった。しかし、その後の消息は判然とせず、幻の作品と考えられていた。それが、2008年に開かれた韓国国立中央博物館の特別展で「再発見」され、同博物館の協力の下、今回の里帰りが実現した。 展覧会では、東京美術学校時代の初期の作品に始まり、踊り子や和装の婦人、舞妓など、さまざまな女性を描いた作品がデッサンや下絵などとともに並ぶ。そしてそれらを通して、気品と静謐(せいひつ)さに満ちた女性像を描き出す小磯ならではのスタイルを見ることになる。また「第1回第二部会展」に《日本髪の娘》とともに出品した《踊り子》も展示されており、両作品の再会も見どころだ。 小磯良平の細部にまでこだわる美意識と、神戸という地で育てられたハイカラ気質をも感じられる展覧会となった。
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