今年は「ゴッホイヤー」と言われるほど、各地でゴッホをテーマとした展覧会が開かれています。現在、神戸市立博物館では「阪神・淡路大震災30年 大ゴッホ展 夜のカフェテラス」を開催中(2026年2月1日まで)。福島会場、東京会場に巡回予定です。 夜空にまたたく星々。煌々(こうこう)と灯(あか)りのともるカフェ。「これは黒のない夜の絵だ」と画家本人が手紙に書き残した「夜のカフェテラス(フォルム広場)」は、確かに夜の光景にも関わらず、青や緑、黄色といったさまざまな色で彩られています。 「ひまわり」など多彩な色を用いた絵がよく知られるゴッホですが、彼が色彩に目覚めたのはパリに移住してからで、それまでは陰鬱(いんうつ)といってもいいような暗い色調の絵をもっぱら描いていました。 展覧会ではフランスのアルルで描かれた「夜のカフェテラス」に至るまでの画家としての前半期の軌跡をたどり、各時代に影響を受けた画家たち、ミレーやモネ、ルノワールなどの作品も併せて展示しています。 クレラー=ミュラー美術館の所蔵品のコレクションから選ばれた作品を、今回は第1期として展示。2027年開催の第2期では長らく来日する機会のなかった「アルルの跳ね橋」が展示される予定です。
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