今から100年前、1925年にフランス・パリで「現代装飾美術・産業美術国際博覧会」、通称アール・デコ博が開かれた。第1次世界大戦と第2次世界大戦に挟まれたこの時期、それ以前に比べ価値観やモラルが大きく変わっていた。また女性の社会進出も進み、それに伴いファッションや生き方も変化していた。 大阪中之島美術館で開かれている「新時代のヴィーナス!アール・デコ100年展」は、アール・デコ博開催から100年を記念して開いているもので、テーマは「アール・デコと女性」。女性が描かれたグラフィック作品やジュエリー、ドレスなどが並ぶ。 6章で構成されている展覧会。その見どころはブシュロンの豪華なアーカイブジュエリーであり、当時の新しい女性像を示す約100点のポスターだ。またBMW社のクラシックカー2台の展示では、馬車の面影を残す1928年製の箱形の車が、1935年製では現在の車のデザインに近いおしゃれな流線型となっており、その驚くほどのデザインの変化を実感するはずだ。 さらに展示された豪華なドレスや香水瓶、それらを宣伝するポスターなどの背景にあるのは社会進出を果たし、アクティブに行動する女性の姿だ。そしてそれらは時代の勢いや熱量を表現している。アール・デコ様式の魅力を余すことなく示す展覧会となった。
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