大阪中之島美術館「小出楢重」展
画業の全貌がここに
 

 現在の大阪市中央区出身の洋画家、小出楢重(1887―1931)の四半世紀ぶりとなる大規模回顧展、「小出楢重 新しき油絵」が大阪中之島美術館で開かれている。
 小出は東京美術学校に学んだ6年間を除くと、43年とその長くない人生のすべてを関西(大阪・芦屋)で過ごした。関東大震災で自らも出展していた二科展が中止されると、これを大阪へ巡回させた。そしてそれを機に同世代の鍋井克之らと信濃橋洋画研究所を設立し、関西の地の洋画普及に大きな影響を残した。その研究所の碑が、会場の近く、大阪メトロ本町駅28番出口からすぐのところに立っている。
 今回の回顧展では、初期作品から、一時熱中したガラス絵、伸びやかな画境を示す日本画、挿絵から装幀(そうてい)類などを展示。もちろん洋画も出世作の「Nの家族」から絶筆の「枯木のある風景」までが並ぶ。またそれらの作品と関連深い「芸術家の家族」「六月の郊外風景」といった作品がすぐ横に展示されており、見比べられるのがうれしい。小出を語る際、欠かすことのできない裸婦についても特別コーナーを設置し、7点展示している。
 最近は撮影可の展覧会が増えており、この「小出楢重」展も展示作品の過半が撮影可能。小出ファンには朗報だ。年末から東京の府中市美術館に巡回する。

日時 11月24日(月・振休)まで
10時〜17時(入場は16時半まで)
会場 大阪中之島美術館(京阪中之島線「渡辺橋」駅2番出口から南西へ徒歩約5分)
休館日 月曜日、10月14日(火)、11月4日(火)、*10月13日(月・祝)、11月3日(月・祝)、24日(月・振)は開館
観覧料 一般1700円、高・大学生1200円、中学生以下無料
申込先・問い合わせ 大阪市総合コールセンター
TEL 06(4301)7285