鮮やかな色と文様に彩られたきものが所狭しと並ぶ会場。反物を直線縫いしたきものは平面的なものですが、身にまとうことで立体的になります。この平面と立体を行き来するきものの秘密に迫った「きもののヒミツ 友禅のうまれるところ」が京都国立近代美術館で開催されています(9月15日まで)。 きものというと、現代の私たちは振袖などにみられる華やかな染色を思い起こしますが、実は江戸時代半ば以降に発達した友禅の技術によって、あのような繊細で華麗な表現が可能になりました。そしてこの確かな技術を裏付けに、時代ごとにさまざまな意匠や構成が生み出されてきました。そんな意匠と構成の変遷を示しているのが展示されたきものや雛形(ひながた)本などの資料です。 併せてきものの図案と関連の深い円山応挙から始まる京都画壇の作品や彼らが手がけた下図、そして染織図案も展示されており、図案から染色作品へと応用されていく過程や他の工芸作品へ与えた影響も示されます。 この展覧会には今年創業470周年を迎えた京友禅の老舗「千總(ちそう)」が特別協力しています。同社と千總文化研究所が所蔵する作品に京都国立近代美術館の所蔵品を加えて構成されたこの企画、京都ならではといえるでしょう。
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