早朝、ほのかな光に包まれる水面(みなも)、午後は青い空に浮かぶ雲が池と一体となり、夕暮れにはあかね色に染まる。そして睡蓮(すいれん)の花…。時の流れとともに移ろう池の景色を描き続けた印象派の巨匠、クロード・モネ(1840―1926)。その美しい色彩は絶大な人気を誇る。そんな彼の晩年に焦点をあてた展覧会「モネ 睡蓮のとき」が京都市京セラ美術館で開かれている。 モネがノルマンディ地方の小さな村、ジヴェルニーに移り住んだのは43歳の時だ。やがてその終(つい)の棲家(すみか)のそばに池を造成。睡蓮を中心に柳やアイリスといった植物とともに池の風景を描き始めた。それがライフワークとなり、白内障で視力が低下しても絵筆を離さなかったという。 展覧会では、パリのマルモッタン・モネ美術館から約50点が来日し、日本国内の作品も合わせて展示されている。最初期の睡蓮作品と推定される《睡蓮、夕暮れの効果》(1897年)に見入り、白い楕円形の展示室では大画面の《睡蓮》に囲まれてモネの世界に浸り、視力が衰えた最晩年に鮮烈な色彩で描いた《睡蓮の池》など数々の作品に圧倒されと、想像以上のモネがここに。光の画家の集大成となった。
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