市立伊丹ミュージアムでは、夏の特別展として「虫」展を開いている。 日本列島の自然環境の写し鏡とも言える虫は、生活の中にも息づき、人々の感性と文化を形成してきた。また農耕が主体であった時代、豊穣の恩恵と無慈悲な天災という自然のもつ二面性から、虫もまた神仏のようにあがめられたり、化け物として恐れられたりしてきた。 展覧会では、日本の文化と歴史のなかにさまざまな形で登場する虫を、江戸時代を中心に美術や工芸、俳諧など多彩な分野の作品資料約140点を通して紹介する。虫が主役の物語絵巻や虫を精密に描いた図譜、また妖怪として恐れられた虫などが登場。それらの姿から日本人がどのように虫を認識し、愛でてきたかを知ることになる。
|