京都市京セラ美術館「マリー・ローランサンとモード」
自由な時代の芸術を俯瞰
 

 「狂乱の時代(レ・ザネ・フォル)」。第1次世界大戦の終結から世界恐慌までのおよそ10年間、1920年代のパリでは昂揚(こうよう)した空気のなか、新しい価値観や芸術が現れました。京都市京セラ美術館で開かれている「マリー・ローランサンとモード 1920年代パリ、女性たちは羽ばたいた―ココ・シャネル、マドレーヌ・ヴィオネも活躍」では、マリー・ローランサンとココ・シャネルを軸にこの時代のパリの芸術界を俯瞰(ふかん)します。
 奇(く)しくも同じ1883年に生まれたローランサンとシャネル。社交界の女性たちを独特の淡く朧気(おぼろげ)な色彩で描いて人気画家となったローランサンと自立する女性の服を確立したシャネルは、ジャンルは異なるものの、自由を謳歌(おうか)する当時の女性の代表ともいえる存在でした。今回は1923年にローランサンが描いたシャネルの肖像も展示されています。
 続けて「バレエ・リュス」や「アール・デコ博」など越境する1920年代のパリの芸術界や1910年から30年代のファッションの変遷を絵画やドレス、各種資料でたどり、シャネルのデザイナーを務めたカール・ラガーフェルドの、ローランサンから着想を得たコレクションへと帰結する構成となっています。

  
会期 6月11日(日)まで
会場 京都市京セラ美術館本館・北回廊1階(京都市バス「岡崎公園 美術館・平安神宮前」下車すぐ)
開館時間 10時〜18時(入場は閉館の30分前まで)
休館日 月曜日
観覧料 一般2000円、高・大学生1500円、小・中学生700円、*予約(日時指定)優先制、障がい者手帳などを提示の方(介護者1人含む)は無料
問い合わせ TEL 075(771)4334