79年、ヴェスヴィオ山の噴火により一瞬にしてすべてが死に絶えたポンペイ。しかし、大量の火山灰に覆われたことにより、古代の都市と人々の暮らしがそのまま残されることになりました。 現在、京都市京セラ美術館で開かれている「ポンペイ展」では、遺跡の発掘と保存を手掛けるナポリ国立考古学博物館が所蔵する遺物から本邦初公開の名品を含む約120点が来日、展示されています。 古代ローマ帝国の都市であったポンペイの遺跡では、浴場などの公共施設や水道管のような設備が発掘されています。また、ローマの神々の彫像など当時の宗教にまつわる品々も多く見つかっています。 ポンペイにはさまざまな階層の人々が暮らしていました。出土した豪華な調度品、食器、アクセサリーといった遺物からは上流階級の裕福な暮らしがうかがえます。一方、解放奴隷や女性の活躍も遺物から確認することができます。今回の展覧会で話題になった炭化した真っ黒なパンや調理具などからは人々の日常生活がリアルに感じられることでしょう。 会場には、精緻なフレスコ画や色鮮やかなモザイク装飾で飾られた豪奢(ごうしゃ)な邸宅の一部が再現されています。また、展示の最後では現在も続いている発掘の歴史について解説しています。
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