2017年からリニューアル工事で休館となっていた京都市美術館が、新たな通称、京都市京セラ美術館として5月26日にオープンした。その開館記念として開かれているのが「京都の美術 250年の夢」だ。江戸後期から現代まで、日本画や洋画、書に工芸品と、京都の地に学び影響を受け、活躍した作家たちの作品が一堂に会する。 展覧会は3部構成。奇想の画家として注目を集めている伊藤若冲や「写生画」を確立した円山応挙など、江戸後期に個性を発揮した絵師たちの作品が観客を迎える第1部「江戸から明治へ:近代への飛躍」。東京画壇に対抗するように形成された京都画壇の作品や、民藝運動に傾注した河井寛次郎の陶芸作品など、近代京都の美を見せる第2部「明治から昭和へ:京都画壇の隆盛」。そして第3部の「戦後から現代へ:未来への挑戦」では戦後期を経て、世界照準のアートを生み出している現代美術と、まさに京都の美の系譜をたどり、未来を見据えた展覧会となっている。 新型コロナの影響で会期が短縮され総集編となったこの展覧会。だがおかげで、京都の美をより濃密に体感できる機会となった。
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