兵庫県立美術館「ミナ ペルホネン/皆川明 つづく」
独自のものづくりと哲学
 

 ワンピースにコート、スカートとブラウスなどなど、室内の壁全面を埋め尽くすように展示された洋服に圧倒される。「森」と名付けられたこの部屋には、デザイナーの皆川明さんがブランドを立ち上げ、今日まで作りつづけてきた服、約390体が年代をミックスして展示されており、その流行に左右されない普遍的なデザインが一覧できる。
 この特別展「ミナ ペルホネン/皆川明 つづく」は、生地の段階から関わり洋服へと仕立てていく服飾デザイン、そして人の暮らしに寄り添うものづくりと、独自の活動を展開してきたミナ ペルホネンの集大成であるとともに、未来へとつづく継続性を表現した展覧会だ。
 八つに分けられた展示室にはミナ ペルホネンのものづくりの営みを自然界に例えた名称がつけられている。「実」の部屋では、ミナ ペルホネンを代表する刺繍(ししゅう)柄タンバリンの誕生とそれを洋服やインテリアに展開していく様を、「芽」の部屋では、生地のためのデザイン画とそこから生まれた生地を展示、といったように。
 普遍的な価値を持ち「特別な日常服」を生み出したミナ ペルホネンと皆川明、そのものづくりの哲学を体感できる展覧会となった。

 
会期 11月8日(日)まで
会場 兵庫県立美術館(阪神「岩屋(兵庫県立美術館前)」駅から南へ徒歩約8分)
開館時間 10時〜18時、金・土曜日は20時閉館(入場は閉館の30分前まで)
休館日 月曜日、ただし祝日の場合は翌日
事前予約制 詳細は特設サイトへ(https://mina-tsuzuku.jp)
観覧料 一般1400円、大・専門学校生1000円、70歳以上700円、高校生以下無料、障がいのある方は割引あり
問い合わせ TEL078(262)0901