小説にはじまり絵本にアニメ、キャラクターグッズまで。子どもはもちろん、大人にも愛され続けているムーミンとその仲間たち。この物語を生み出したのはフィンランドを代表する芸術家、トーベ・ヤンソン(1914〜2001)だ。今年はムーミンシリーズ第1作の「小さなトロールと大きな洪水」が発表されてから75年目にあたる。 この75周年と日本とフィンランドの国交樹立100年を記念した「ムーミン展」が、あべのハルカス美術館で開かれている。シリーズ全9作の挿絵原画をはじめ、スケッチやイースターカードの原画、また政治風刺雑誌「GARM」に載った挿絵など約500点が、フィンランドのムーミン美術館から来日した。 展覧会では、時系列に並んだ作品ごとに挿絵原画が展示されており、キャラクターの描き方や表現方法の変化の過程などが見て取れる。日本とトーベの関わりを示すコーナーでは、来日時の写真や滞在先でのスケッチ、また浮世絵と原画のコラボ展示もあり、両者の意外な類似性が発見できる。 その他、革や布を使って手作りされたムーミンの人形やキャラクターを図案化した壁紙やファブリックが展示されており、多彩な表情のムーミンに出会える展覧会となっている。
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