大阪くらしの今昔館では、特別展「和紙の建築模型 建築起こし絵図―茶室と社寺と即位図と」を7月12日まで開いている。 建築起こし絵図とは、現在で言う設計図面の展開図にあたるもので、茶室や社寺の設計の際に利用されていた。具体的には平面図に、壁面などの立体図や内部の展開図を描いた厚手の和紙を貼り合わせたもので、普段は折りたたんでいるが、実際に使うときは壁面を起こして模型のように組み立てるもの。言い換えれば和紙の建築模型だ。 特別展では、大徳寺真珠庵茶室「庭玉軒」起こし絵図や吉田神社大元宮起こし絵図など、江戸時代に作られた数々の「起こし絵図」を紹介する。平面図や立体図だけでは分からない建築空間の魅力が楽しめる展覧会だ。また茶室「蓑庵(さあん)」の原寸模型の展示もあり、実物大の建築空間も体験できる。
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