17世紀から19世紀にかけての、華やかなフランス絵画史を展覧する特別展「フランス絵画の精華 ルネ・ユイグのまなざし」が、大阪市立美術館で開かれている。 17世紀、当時の美術の本場はイタリアやネーデルラントだ。そんな隣国から刺激を受けたフランス美術界は、王立美術アカデミーを創設し新しい扉を開いた。そしてそれは、後の芸術大国へと続く第一歩でもあった。 第1章は「大様式の形成、17世紀」。プッサンやブランなどの古典主義の作品を紹介している。この時代、歴史画が頂点を極め、デッサンを重視した大様式が生まれる。そんな大様式の形成と進展を作品を通して追う。 続く第2章は「ヴァトーとロココ美術」で、18世紀に花開いたロココ美術を紹介する。人々の身振りを描き繊細な感情を表現した「雅宴画」で新しいジャンルを創出したヴァトー。そのヴァトーやブーシェなどの作品からロココの流れをたどる。 第3章「ナポレオンの遺産」では、フランス革命後に主流となった新古典主義の作品とジェリコーやドラクロワが属したロマン主義の作品が並ぶ。そして最後に観客が目にするのはマネの《散歩》。新時代への胎動、印象派の登場を予感させる演出となっている。
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