江戸時代、大坂で活躍した画家森狙仙(1747〜1821)。生涯で描いた作品のほとんどを占めるのが「猿」で「猿描き狙仙」と称されました。猿への傾倒は甚だしく、もともとは祖仙の字を使っていたところを獣描きだから狙仙に改めたらと勧められたほど。モフモフな毛並みは非常に繊細な筆致で描かれており、表情・仕草と相まって狙仙の描く猿は今も人々を惹(ひ)きつけます。 狙仙には同じく画家である二人の兄、陽信と周峰がいました。陽信は終始伝統的な狩野派の絵を描き続け、一方の周峰は多様なモチーフや技術を用いた絵を現わし人気を博していました。 今回の特別展「猿描き狙仙三兄弟―鶏の若冲、カエルの奉時も」は、狙仙とふたりの兄に初めて焦点を当てたものです。さらに三兄弟以後に受け継がれていく森派の後継者たちの作品も集められており、その系譜を追うことができます。 また、猿描き狙仙にちなんで特定の動物の絵を得意とした同時代の画家たちの作品も展示されています。それぞれの表現や技法の違いを比べながら鑑賞するのもおもしろいと思います。 入場者には毎日先着100人限定で動物おみくじが進呈されます。
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