竹内栖鳳、上村松園など著名な画家を輩出した京都画壇。彼らが連なっていたのは円山応挙を始祖とする円山派、応挙にも師事した呉春によって興った四条派の二派でした。 京都国立近代美術館で開かれている「円山応挙から近代京都画壇へ」展は、この二派の近代に至るまでの系譜をたどる内容となっています。岸派、原派など円山派・四条派から生まれた流派の作品や、それらが交錯して影響しあっていく裾野の広さなども見どころとなっています。 18世紀に京都で活躍した円山応挙は、それまでの大和絵などと異なり写実的でわかりやすい絵画を描いて大変な人気を得ます。 展覧会では写生を元とした風景画、リアルな動物画、また人物画と、モチーフで区切られた章ごとに応挙と以後の主要な画家たちの作品が並べられ、応挙から受け継がれたものと同時に、時代と画家による変化が感じとれる構成となっています。また、展示室冒頭には応挙の代表作である但馬の大乗寺障壁画が立体的に再現されています。なお、前期(11/24まで)・後期(11/26以降)で大規模な入れ替えがあります。 常設展では関連展示が同時開催中。都路華香や福田平八郎など50点もの作品が並び、京都画壇の絵画を多数所蔵するこの美術館ならではの展示となっています。
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