世の中、猫ブームだ。ペットの猫が増えているのはもちろん、写真集やグッズなども次々登場し好評だという。そんな猫、いつのころから人と深く関わるようになったのだろうか。その答えの一端ともいえる展覧会、「ニャンダフル 浮世絵ねこの世界展」が大阪歴史博物館で開かれている。 7章で構成された展覧会では、猫の生態をコミカルに描いたものや擬人化したもの、人の暮らしの中の猫など、さまざまな猫に出会える。これまでの浮世絵展でも数多くの猫が描かれていたが、猫に焦点をあて全ての展示作品に登場するというのは初めての試みだ。 描き手は、広重や英泉といった有名な絵師たち。なかでも無類の猫好きという国芳の作品が面白い。猫に関する「たとえ」を題材に、ポーズをとる猫を描いた『たとゑ尽(づくし)の内』、歌舞伎役者を擬人化した猫で描いた『猫の百面相』などユーモアあふれるものから、勇者が化け猫と戦う『曲亭翁精著八犬士随一(きょくていおうせいちょはっけんしずいいち) 犬村大角』といった武者絵まであり、見る者をあきさせない。 他にも美人画に添えられた猫、子どもとともに描かれた猫などの作品があり、それぞれから江戸以降の庶民と猫の関わりが見て取れる。 猫が好きな方もちろん、浮世絵ファンにもおすすめの展覧会だ。
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