アジアの西端と東端という距離を超え、長く友好関係が続いているトルコと日本。そのトルコのオスマン帝国時代の宝物170点を展示する特別展「トルコ至宝展 チューリップの宮殿 トプカプの美」が、京都国立近代美術館で開かれている。 宝石を惜しみなくちりばめたターバン飾りや短剣など、まさにスルタンの権力を象徴する宝物が目にまぶしい第1章「トプカプ宮殿とスルタン」、第2章の「オスマン帝国の宮殿とチューリップ」では、チューリップをデザイン化したラーレ文様が美しい衣装や水入れなどの品々が展示され、第3章「トルコと日本の交流」では、海を渡り日本からトルコへと届けられた有田焼や甲冑(かっちゅう)が交流の歴史を物語る。 これまでも何度か開かれてきたトルコの至宝展だが、今回はチューリップ文化に焦点を当てている。チューリップはトルコ語でラーレ。その綴りを並び替えるとイスラム教の神アッラーとなることなどから、神聖視され愛されてきた。トプカプ宮殿では栽培をはじめ衣装や調度品など、あらゆる所にラーレ文様があふれている。チューリップ宮殿と呼ばれる所以(ゆえん)だ。 宝物の豪華さはもとより、トルコの文化や歴史に思いをはせる展覧会となっている。
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