兵庫県立美術館「印象派からその先へ」展
フランス近代絵画を一望する
 

モネにマネ、ルノワールにシャガールと名前を聞いただけでその絵が思い浮かぶ西洋近代絵画の巨匠。その作品がそろう展覧会が開かれている。それが兵庫県立美術館の特別展「印象派からその先へ―世界に誇る吉野石膏(せっこう)コレクション展」だ。
 この展覧会の大きな特徴は、山形県発祥の一企業、吉野石膏のコレクションだけで構成されているという点だ。バビルゾン派に始まる印象派の歩み、そしてキュビズムから抽象絵画に至るモダン・アートまでの近代絵画の変遷、そして同時代にフランスで展開されたエコール・ド・パリの作品までも紹介できるというのだから、そのコレクションの豊富さと質の高さに圧倒される。
 農村風景を描いたミレーや自然の風景を描いたコローはバビルゾン派、色彩豊かな点描画のモネやシスレーは印象派の代表格だ。もちろんルノワールやドガの作品も。印象派を発展させていったマティスやルソー、独自の絵画世界を描き出したルオーやピカソ。これらの作品も必見だ。
 19世紀末、それまでサロンで権威を放っていた歴史画に反旗を翻し、やがて現代アートへと続く流れを作った画家たち歩みが迫ってくる。フランス近代絵画の流れが一望できる展覧会だ。

会期 7月21日(日)まで
会場 兵庫県立美術館(阪神「岩屋(兵庫県立美術館前)」駅から南へ徒歩約8分)
開館時間 10時〜18時、金・土曜日は20時閉館(入場は閉館の30分前まで)
休館日 月曜日、ただし祝日の場合は翌日
観覧料 一般1300円、大学生900円、70歳以上650円、高校生以下無料、障がいのある方は各当日料金から75%割引(70歳以上除く・要証明)。その介護の方1人は無料
問い合わせ TEL078(262)0901