モネにマネ、ルノワールにシャガールと名前を聞いただけでその絵が思い浮かぶ西洋近代絵画の巨匠。その作品がそろう展覧会が開かれている。それが兵庫県立美術館の特別展「印象派からその先へ―世界に誇る吉野石膏(せっこう)コレクション展」だ。 この展覧会の大きな特徴は、山形県発祥の一企業、吉野石膏のコレクションだけで構成されているという点だ。バビルゾン派に始まる印象派の歩み、そしてキュビズムから抽象絵画に至るモダン・アートまでの近代絵画の変遷、そして同時代にフランスで展開されたエコール・ド・パリの作品までも紹介できるというのだから、そのコレクションの豊富さと質の高さに圧倒される。 農村風景を描いたミレーや自然の風景を描いたコローはバビルゾン派、色彩豊かな点描画のモネやシスレーは印象派の代表格だ。もちろんルノワールやドガの作品も。印象派を発展させていったマティスやルソー、独自の絵画世界を描き出したルオーやピカソ。これらの作品も必見だ。 19世紀末、それまでサロンで権威を放っていた歴史画に反旗を翻し、やがて現代アートへと続く流れを作った画家たち歩みが迫ってくる。フランス近代絵画の流れが一望できる展覧会だ。
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