中之島 香雪美術館「明恵の夢と高山寺」
高僧・明恵が見た夢とは
 

 国宝「鳥獣人物戯画」で有名な京都・高山寺。この寺を築いた高僧、明恵上人(1173〜1232年)に焦点を当てた特別展「明恵の夢と高山寺」が中之島香雪美術館で開かれている。
 明恵は修業時代の青年期から晩年までの40年間、自身の見た夢を詳細に記録し続けた。その夢には睡眠中のものはもちろん、修業の合間に見た幻想なども含まれている。書き残された膨大な記録「夢記(ゆめのき)」は、冊子や巻子、掛け軸の形となり、高山寺をはじめ各地に収蔵されている。
 明恵自身を紹介する第1章「明恵という人」から始まる特別展は、「夢記」をひもときながら仏画など寺宝の数々で明恵の夢を描き出す第2章「ある日の夢記」、明恵の死と、その後に高山寺にもたらされた鳥獣戯画を紹介する第3章「夢のあと―鳥獣戯画に引き継がれる夢」、そして香雪美術館の中核、村山コレクションに伝来した高山寺の仏教典籍などを展示する第4章「夢を継ぐもの―村山コレクションへ」へと続く。
 なかでも特別展示ブースが設けられた国宝「鳥獣戯画」は必見だ。コンパクトな美術館ならではの距離感で?日本最古の漫画?をじっくりと鑑賞できる。後期の展示は人びとの遊戯などを描いた丙巻・丁巻だ。
 夢想家とも呼ばれた明恵の魅力に迫る特別展だ。

 
会期 5月6日(月・振休)まで
会場 中之島香雪美術館(大阪メトロ四つ橋線「肥後橋」駅4番出口直結、中之島フェスティバルタワー・ウエスト4F)
開館時間 10時〜17時(入館は16時半まで)
休館日 月曜日、ただし4月29日と5月6日は開館
入館料 一般1300円、高・大学生800円、小・中学生400円
問い合わせ TEL06(6210)3766