竹久夢二、高畠華宵(たかばたけかしょう)を中心に、蕗谷虹児(ふきやこうじ)、中原淳一など「大正ロマン」「昭和モダン」と称される華麗な作品が多数展示される春の特別展、「大正ロマン昭和モダン―竹久夢二・高畑華宵とその時代―」が神戸ファッション美術館で開かれています(7月1日まで)。 展示されているのは日本画、版画、挿絵原画、絵葉書など合わせて約200点。鏑木(かぶらき)清方、伊東深水などの日本画と併せてみることで、夢二や中原淳一たちの大きな目、長いまつげの少女たちの造形がいかに新しいものであったかを感じることができます。 印刷技術の発達で衰退しつつあった浮世絵の伝統版画を復興させようと生まれた新版画は珍しい展示ではないでしょうか。中でも小早川清の作品ではファッションや表情など、まさに最新流行のモダンガールが表現されています。その小早川清が同じモチーフで描いた日本画と新版画が展示されているので、両者の技術と表現の違いを見比べてみるのも面白いでしょう。 吉川英治の新聞連載などで人気を博した岩田専太郎の肉筆画やポスターもその原画とともに展示されており、各画家による複数の表現方法による作品が展示されているのも本展示の特徴といえるでしょう。
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