今年1月、19年ぶりに日本人横綱・稀勢の里が誕生したこともあり、相撲人気が沸騰している。そんな折、大阪歴史博物館では、近年ブームとなっている「日本刀」を切り口に相撲文化を紹介する特別展「大相撲と日本刀」を8月28日まで開くこととなった。 「大相撲」と「日本刀」の関わりはあまり知られていないが、江戸時代、大名に抱えられた横綱や強豪力士は帯刀が許されていたという。その姿を描き出した錦絵も数多く残されており、日本刀は、当時から力士の地位や権威を示す象徴であった。また名だたる刀匠が手がけた太刀は、横綱の土俵入りの重要なアイテムだった。 会場は、江戸本場所で勝率96%を誇った大関・雷電為右衛門の脇差しと化粧まわし(複製)の展示を皮切りに、現横綱の白鵬や稀勢の里、柏鵬時代の立役者、大鵬、ウルフフィーバーを巻き起こした千代の富士など、歴代の人気力士たちが実際に手にした太刀や拵(こしらえ)が並ぶ。その静かな熱気を放つ圧巻の展示に見る者は気おされる。 さらに関連資料の展示も充実。大阪相撲の足跡や横綱の歴史、刀剣の意味など、これまで触れることのなかった相撲文化が広がる。刀匠の技が生み出す刀の美を堪能し、同時に大相撲の奥深さに浸れる展覧会だ。
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