神戸市立博物館「遥かなるルネサンス」
日本人が初めて見たイタリア
 

 天正10(1582)年2月、長崎港から4人の少年がヨーロッパに向かって旅立った。天正遣欧少年使節団である。
 この展覧会では、使節団のイタリアでの行程をたどり、少年たちが見聞した当時の文化が紹介される。フィレンツェのメディチ家の人々の肖像画、ローマの教皇グレゴリウス13世の肖像、ヴェネツィアのガラス工芸など、それぞれの都市の特色ある美術品が選ばれ、?日本人が初めて見たイタリア・ルネサンスの芸術?が表現されている。ブロンズィーノが描いた《ビア・デ・メディチの肖像》は日本初公開。
 文書や図版による関連資料とその解説によって、少年たちがイタリアでどのように受け止められ、また彼らが何を見聞したかが理解できる。
 使節団が8年半後に帰国したとき、すでに秀吉による伴天連(ばてれん)追放令が出され、4人の後半生は過酷なものとなった。イタリア各地で歓待された10代の少年たちがどれほど驚きと喜びと希望を持って未知のヨーロッパの文化に触れたかを知れば知るほど、その運命に胸詰まる思いがする。
 奇跡的に発見された伊東マンショの肖像画も展示されている。

 
期間 7月17日(月・祝)まで
会場 神戸市立博物館(JR「三ノ宮」駅、阪急・阪神「神戸三宮」駅、地下鉄「三宮」駅から南西へ徒歩約10分)
開館時間 午前9時半〜午後5時半、土曜日は午後7時閉館(入館は閉館の30分前まで)
休館日 月曜日、ただし7月17日は開館
観覧料 一般1300円、高・大学生900円、小・中学生500円、65歳以上で「神戸市すこやかカード」持参の方は当日一般料金の半額、障がい者手帳など持参の方・小中生で「のびのびパスポート」持参の方は無料
問い合わせ TEL078(391)0035